新しくオフィスを立ち上げるときに、必要なモノのひとつは固定電話です。固定電話が置かれていないオフィスって、ないですよね。
「じゃあ電話機を買おう」ということになりますが、ただ買うだけでは電話は機能しません。電話が通信できるための回線工事や、電話加入権を取得する必要があります。
これら3つを仕訳するときに気を付ける点は、それぞれ勘定科目が違う点です。
「電話機を設置するだけなのに、細かすぎる…」
と思いますが、仕訳ルールは細かく分類されているため、どうしても避けては通れません。
また会社によって、電話機を借りて使用するところもありますよね。それをリースと呼びます。場合によっては、リースの方がメリットを感じる方もいらっしゃると思います。
リース取引は、購入した場合と違う勘定科目を使用します。
そこで本記事では、電話機の設置と回線工事代の仕訳するときの勘定科目、リース時の勘定科目について解説します。
固定電話を設置するために必要なこと
固定電話を設置するためには、当然ですが、まず電話機を買うことです。そして、業者に頼んで電話回線工事をしてもらいます。
あと、電話加入権を取得する必要があります。
この電話加入権、普段の生活でなかなか聞き慣れない言葉ですよね。これは、NTTの固定電話回線を使いますよ、という契約の権利です。
では、これらを仕訳する際の勘定科目を解説していきます。
3つそれぞれ違う勘定科目を使用しますが、実際ある物、工事、目に見えない物、と分けるとイメージしやすいですよ。
電話機の勘定科目は?
電話機を買ったときに使用する勘定科目は、消耗品費もしくは備品になります。
この2つの勘定科目は、金額によって使い分けています。
10万円未満の場合 | 消耗品費を使用 |
10万円以上の場合 | 備品を使用 |
これは、固定資産となり減価償却していきます。減価償却とは、その資産価値は少しずつ減少するので分割して計上しましょう、という会計処理方法です。
物によって分割する年数が違い、電話機の場合は6年間です。
電話機の回線工事の勘定科目は?
電話機の回線工事には、通信費もしくは修繕費、支払手数料を使用します。
これは、会社によって違いがあります。基本的には、通信費を使用しているので、初めて記帳をする際に迷ったときは、通信費にするのが安心です。
電話加入権の勘定科目は?
電話加入権の勘定科目は、そのまま「電話加入権」を使用します。もともと、簿記上に存在する資産の勘定科目です。
資産といっても、権利なので目に見えないものですよね。これを「無形固定資産」と呼びます。
この電話加入権は使用しても価値は減らないので、減価償却の対象にはなりません。
電話機をリースした場合の勘定科目は?
電話機のリースは、電話機の本体価格・工事費一式セット費用を月々支払っていく形式になります。
リース取引には、3種類の方法があり、勘定科目も少し違ってきます。
- 所有権移転ファイナンス・リース取引
- 所有権移転外ファイナンス・リース取引
- オペレーティング・リース取引
複雑だと感じますが、今後リース契約するかもしれない方は、知っておいて損はないです。
それぞれ解説していきます。
所有権移転ファイナンス・リース取引
所有権移転ファイナンス・リース取引は、リース支払いが終わったあと、借りていた物が所有物になる取引です。
このリース取引は、取引開始時に購入価格を「リース資産」の勘定科目を使用し、資産計上します。
同時に負債には「リース債務」の勘定科目を使用します。リース債務は、あとこれだけリース料が残っていますよ、という考え方です。
リース料金を支払う時は、その分のリース債務の金額が減少します。そして、購入価格に利息が含まれているので、それは「支払利息」の勘定科目を使います。
さらに、この取引は完全に支払が終わると、借主の固定資産になるため、その資産対象に応じた年数の減価償却をします。
所有権移転外ファイナンス・リース取引
所有権移転外ファイナンス・リース取引は、先程ご説明したリース取引と少し違います。
それは、リース期間が終わったら、リース会社に返却するもしくは、再度リース契約をする、という形になります。
仕訳には、同じ勘定科目を使用します。減価償却に関しては、借り物なのでリース期間の年数で計算し、計上します。
オペレーティング・リース取引
オペレーティング・リース取引は、借りた分だけ支払う、というリース取引の中では簡単な仕訳です。月々の家賃の支払いがイメージしやすいです。
支払い時には、「リース料」を計上するのみで、非常にシンプルです。300万円未満や1年以内のリース取引、中小企業の会社はこのリース取引に該当します。
まとめ 仕訳がわからないときは記帳代行サービスを頼ろう
固定電話を購入した際のその設置と回線工事の勘定科目、電話機のリース取引をしたときの勘定科目を解説しました。
購入したときには、以下のようにそれぞれ違う勘定科目を使用します。
- 電話機
- 回線工事
- 電話加入権
電話機をリースした時は、電話機も回線工事も一式セットになっているので、使い分ける必要がありません。
ただリース取引は3種類あり、仕訳も違うので、どれに該当するのか注意する必要があります。
どちらにしても、すぐには理解できないことばかりで、困りますよね。そこで、記帳代行サービスを利用するのはいかがですか?
今回のように、簿記や経理の知識がないと、分からないようなことを代わりに記帳してくれるサービスです。経理の知識が豊富なスタッフが代行するので、安心できます。
経理業務が滞って、本来の仕事に支障が出てお困りの方は、ぜひご相談ください。