給湯器を経費で購入した場合、減価償却資産として処理する必要があります。

また耐用年数とは、設備機器の寿命とは違い国が定めた減価償却をするための基準です。

よって減価償却処理をするためには、法定耐用年数と適切な勘定科目を知る必要があります。

この記事では、給湯器を経費で購入した場合の減価償却について解説していきますので、参考にしてみてください。

給湯器とは水をお湯にしてくれる設備機器

給湯器とは、水をお湯に変えて供給する住宅設備機器です。

温水器や湯沸かし器と呼ばれる場合もあり、一般家庭では蛇口を捻ればお湯が出たり、お風呂から温かいシャワーを供給したりするために使われています。

企業であれば、オフィスの給湯室でよく見かける人もいるでしょう。

給湯器には主に次のような種類があります。

  • 局所方式(主に瞬間湯沸かし器など)
  • 中央式ー瞬間式(主にガス給油器など)
  • 中央式ー貯湯式(主にエコキュートなど)

主に企業で使われているのは、ガス給湯器となっています。

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給湯器の勘定科目と法定耐用年数

給湯器の勘定科目は【器具備品】として、資産計上します。

チェック

国が定める耐用年数表上では、「器具備品>家具・電気機器・ガス器具・家庭用品>電気冷蔵庫・電気洗濯機・その他類似の電気・ガス機器」に分類されています。

法定耐用年数は【6年】です。ただし法定耐用年数は税法上の基準であり、実際の寿命ではありません。

給湯器の寿命は、メーカーや機種によって異なりますが10年前後といわれています。給湯器は丁寧に扱うことで、法定耐用年数よりも長く使用することが可能です。

給湯器購入時の仕訳

給湯器は取得価格によって、【資産計上】または【経費】で経理処理

≫ 購入金額が10万円未満

借方貸方
消耗品 100,000 現金 100,000

購入金額が10万円未満だった場合、経費処理が可能であり【消耗品】の勘定科目を使用します。

≫ 購入金額が15万円

借方貸方
器具備品 150,000現金 150,000

10万円を超える場合には、基本的【器具備品】で資産計上。しかし減価償却にはいくつかの特例があり、一括償却資産・少額減価償却資産という選択肢もあります。

それぞれ詳しくみていきましょう。

一括償却資産|10万円以上20万円未満

取得価格が10万円以上20万円未満は給湯器の法定耐用年数の6年に関わらず、3年で均等に取得価格全額を償却できます。

≫ 15万円の給湯器の場合

150,000(円)÷3(年)=50,000円ずつ3年かけて減価償却

一括償却資産では、毎年の細かな計算が不要というメリットがあります。また3年という短い期間で経費処理が可能なので、償却資産税の対象になりません。

少額減価償却資産|中小企業の特例

少額減価償却資産

少額減価償却資産は、青色申告法人である中小企業者または農業共同組合で、常時1000人以下の法人のみが受けられる特例です。

本来減価償却は定められた耐用年数で毎年費用を計上します。

しかし一定の要件を満たしている中小企業者は、取得価格30万未満の減価償却が必要な資産を全額損金に算入できます。

なお、この適用を受けられるのは1事業年度につき、合計300万円までとなっています。

そのため少額減価償却資産の適用を受ける際は、どの資産を少額減価償却資産として損金算入させるか検討する必要があるでしょう。

少額減価償却資産の最大のメリットは、一度に費用処理ができるので、節税効果が大きいという点です。

一方で、多数の少額減価償却資産がある場合には、固定資産税の一種である「償却資産税」が発生する可能性があるので、注意しましょう。

まとめ

給湯器は【器具備品】の勘定科目、法定耐用年数【6年】で減価償却処理します。

また取得価格や一定の条件を満たす企業であれば、費用計上または一括償却資産や少額減価償却資産を選べます。

この記事を参考に、企業にあった減価償却の方法を選択して、正しい経理処理をおこないましょう。

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