事業を行ううえでお祝い事や葬儀への参加は必然的に増えていきます。それにともない祝儀や香典の支出も欠かせないものですよね。

慶弔費として支払った費用は「誰に渡すか」によって、勘定科目や仕訳方法が異なります。

この記事では、慶弔費の中でも「弔慰金」について解説していきます。消費税区分についても注意が必要なので、参考にしてください。

弔慰金とは?

弔慰金

弔慰金とは従業員もしくは取引先の方が亡くなった際に、遺族に渡すお金のことです。

似たような場面で渡す機会が多い香典もありますが、2つは渡すタイミングと意味合いが異なります。

弔慰金と香典の違い

弔慰金とは葬儀がすべて済んで落ち着いたあとに、故人を弔い遺族を労う気持ちを表した意味で送るお金です。

一方で香典は、葬儀に参列するタイミングで霊前に供えるお金として渡すお金を指します。弔慰金と違い、香典は葬儀に参列する当日に持参するのが一般的です。

取引先に不幸があった場合の弔慰金の仕訳

取引先や社外の人に不幸があったときは「交際費」の勘定科目を用いて仕訳をします。

<例>取引先に不幸があり、葬儀が落ち着いたタイミングで弔慰金5万円を渡した

借方貸方
交際費  50,000現金  50,000

弔慰金は不課税取引になり消費税はかからないので、経費処理の際は注意しましょう。

ただしお金そのものではなく、金銭に代えて物品を支給するかで消費税の取り扱いは異なり、物で支給する時には課税対象になるので合わせて覚えておいてくださいね。

また弔慰金や香典は、通常の経費と違い領収書がありません。

したがって社内で「慶弔見舞」を支給したことを証明できる申請書を用意するなど、社内ルールを定めておくと良いでしょう。

交際費にならない弔慰金

取引先の中でも下記に該当する場合は「交際費」として処理できないケースがあります。

処理できないケース
  • 自社の従業員と同等の事業にある配属先下請けの従業員に対するもの
  • 取引先が災害にあったときの、事業を維持・回復する目的に支出するもの

上記のケースは取引先や社外の人に対する弔慰金であっても、税務上交際費として処理できない場合があります。

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従業員に不幸があった場合

従業員の身内に不幸があった場合は社内の人間なので、交際費ではなく「福利更生費」として処理します。

企業が定めるルールをもとに、従業員やその家族に対して慶弔見舞金を支払う制度を独自に導入している企業も多いでしょう。

そういった企業では、従業員または家族に不幸があった時に、社内の規定により弔慰金を支給します。

<例>従業員の身内に不幸があったので、弔慰金として3万円を支給した

借方貸方
福利厚生費  30,000現金  30,000

弔慰金の他にも、結婚祝いや葬儀の香典、災害にあったときの見舞金も同様に「福利厚生費」で処理します。

しかし慶弔費を福利厚生費として経費処理するには、慶弔費に関する就業規則が必要です。就業規則として定めていなくても支給はできますが、一時的な給与や賞与として扱われ、損金算入ができません。

従業員への弔慰金等の慶弔費の支給をした場合、就業規則等の見直しもしておきましょう。

弔慰金は交際費で経費処理が可能

取引先に不幸があり後日弔慰金をお渡しした場合は、「交際費」の勘定科目を用いて経費処理が可能です。

ただし交際費にできるのは、社外の人に対して渡したときのみ。社内の人間や一定の基準を満たす社外の人に関しては福利厚生費での処理になります。

そして弔慰金は不課税経費なので、消費税はかからない点にも注意しましょう。

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