工場でよくみかける溶接機。購入時に資産計上が必要な溶接機は、減価償却をするために正確な法定耐用年数を求める必要があります。
しっかりと法定耐用年数を把握していないと、正確な経理処理ができないため、税額にも影響を及ぼす恐れがあり注意が必要です。
この記事では、溶接機の法定耐用年数と仕訳について解説していきます。溶接機の購入を検討している、入れ替えを考えている人は今一度確認していきましょう。
溶接機の耐用年数は3種類に分かれる
溶接機の法定耐用年数は、使用する場所や用途によって異なります。
- 鉄鋼業用設備 その他の設備
- 金属製品製造業用設備 その他設備
- その他製造業用設備
それぞれ詳しくみていきましょう。
鉄鋼業用設備|法定耐用年数は14年
鉄鋼業用設備で使用する溶接機の法定耐用年数は【14年】です。
鉄鋼業とは、主に鉄を加工してつくった素材を、車や電化製品の部品として提供している業種を指します。
国交省の定める耐用年数表によると「機械・装置>鉄鋼業用設備>その他の設備」に該当。
金属製品製造業用設備|法定耐用年数は10年
金属製品製造業用設備で使用する溶接機の法定耐用年数は【10年】です。
金属製品製造業とは、金属でできている品物を製造している業種であり、刃物やスチール家具(商品陳列棚等)などの金属製品を制作している業種です。
この場合には、金属製品をつくるために使われる溶接機が、金属製品製造業用設備にあたります。
国交省の定める耐用年数表では「機器・装置>金属製品製造業用設備>その他の設備」に該当。
その他製造業用設備|法定耐用年数は9年
鉄鋼業・金属製品製造業どちらにも該当しない溶接機の耐用年数は「その他製造業用設備」の耐用年数【9年】で考えます。
国交省の定める耐用年数表では「機器・装置>その他製造業用設備」に該当。
例えば自動車整備工場で車の部品を使っていたり、便利屋が簡単な溶接を行うための溶接機が「その他製造業用」にあたります。
主たる業種が「鉄鋼業」「金属製造業」「その他」のどれに当たるかで、法定耐用年数が異なると覚えておくといいでしょう。
しかし税務署によっては、「機械装置」ではなく「工具(器具備品)」になるケースも。不安な場合は事前に税務署に確認するようにしてください。
溶接機の勘定科目と仕訳方法
溶接機の勘定科目は【機械装置】を使用して資産計上します。なお取得価格が10万円未満の場合は【消耗品】として経費計上が可能です。
実際の仕訳方法をみていきましょう。
≫ 購入金額が10万円未満
借方 | 貸方 |
---|---|
消耗品 100,000 | 現金 100,000 |
購入金額が10万円未満だった場合、経費処理が可能であり【消耗品】の勘定科目を使用します。
≫ 購入金額が25万円
借方 | 貸方 |
---|---|
器具備品 250,000 | 現金 150,000 |
10万円を超える場合は、償却資産として【器具備品】を使用して仕訳をおこないます。
資産計上した場合は、毎年減価償却をおこなう必要があります。
通常減価償却は法定耐用年数を用いて計算されますが、取得価格や中小企業特例が適用されれば、「一括償却資産」「少額減価償却資産」も選択できます。
一括償却資産|10万円以上20万円未満
取得価格が10万円以上20万円未満の場合は、溶接機の法定耐用年数に関わらず、3年で均等に取得価格全額を償却できます。
≫ 18万円の給湯器の場合
180,000(円)÷3(年)=60,000円ずつ3年かけて減価償却
少額減価償却資産|中小企業の特例
少額減価償却資産は、青色申告法人である中小企業者で常時1000人以下の法人のみが受けられる特例となっています。
1事業年度につき300万円までは、取得価格30万未満の減価償却が必要な資産を全額損金に算入が可能です。
通常、減価償却は法定耐用年数で求めた減価償却費を、毎年経費計上します。
しかし少額減価償却資産の適用が受けられる中小企業では、全額経費として計上できるので、毎年のめんどうな減価償却の処理が必要ありません。
まとめ
溶接機は【器具備品】の勘定科目、法定耐用年数は業種や使用用途によって異なります。
耐用年数を間違うと、税額に影響を与えるので、不安な場合は最寄りの税務署に確認するようにしましょう。
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