出張で電車やホテルを利用した場合の勘定科目がわからない

ホテルのプランによっては、旅費交通費にならないと聞いたけど本当?

出張中の食事代は経費になるの?

出張費とは、出張中にかかった交通費や宿泊費、食費などの総称です。ただ、出張中にかかった支出をすべて経費にすることはできません。

えっ、ならどこまでが経費になるの?

ここでは、出張費と認められる出張中の支出と利用する勘定科目を中心に解説します。

出張費は不正がしやすく税務署にも見られる勘定科目です。

この機会に、知識や考え方をマスターしましょう。

【結論】出張費は旅費交通費で計上できる

出張費は、旅費交通費で計上できます。

旅費交通費は、ホテルに泊まった宿泊費や移動先までの電車代などが該当し、仕訳は次の通りです。

ただ、出張にかかるすべてが旅費交通費になるわけではありません。

たとえば、接待で取引先の人にホテルをとったら旅費交通費ではなく、交際費になります。

ホテルに泊まる行為が、旅費交通費になるわけではありません。ビジネスの実態に応じて、使用する勘定科目が変わることには留意してください。

旅費交通費として認められる交通手段

出張をする際に、旅費交通費として認められる交通手段は次の通りです。

電車やタクシー

電車やタクシー、飛行機など出張にかかるお金は、旅費交通費と認められます。

ただ、領収書の保管が必須です。

電車の場合、ICだと領収書が出ないこともあるため、旅費精算書の作成は必須といえます。

suicaなどのICカードであれば、自動券売機で20件まで履歴を確認でき、印字であれば26週間以内かつ100件まで履歴を閲覧できます。

電車やタクシーの使用を、領収書や明細で証明できるようにしておきましょう。

自動車やバイク

自動車やバイクなどの手段で出張先に訪れた際の支出も、旅費交通費と認められます。

ガソリン代や高速代、駐車場代も旅費交通費になるため、利用した際の領収書は必ずもらうようにしておきましょう。

ただ、ETCを利用した場合は領収書が出ません。クレジットカードの利用明細を残しておくといいでしょう。

レンタカーを借りた費用も、旅費交通費として認められます。オプションの損害保険料も旅費交通費に計上してください。

旅費交通費として認められる宿泊場所とプラン

出張をする際に、旅費交通費として認められる宿泊場所とプランは次の通りです。

ビジネスホテルなどで素泊まり

ビジネスホテルなどで素泊まりすれば、宿泊費は旅費交通費として認められます。

ただ、宿泊費が旅費交通費として認められる金額は、売上の規模によって違います。金額の基準はありませんが、贅沢な部類に入るホテルに宿泊予定なら、顧問の税理士に相談したほうがいいでしょう。

食事付きの宿泊

ビジネスホテルでも食事付きの宿泊であれば、全額経費にはなりません。食事代は家事関連費に該当するからです。家事関連費については、後ほど解説します。

すなわち食事付きの宿泊は、食事代を抜いた残りの金額が旅費交通費として計上できます。

食事がつくホテルや旅館であれば、食事代がいくらか確認しておき、除いた金額を旅費交通費とするのが適切な仕訳です。

なぜ出張中の食事は経費にならないのか

食事代は家事関連費となるため、経費になりません。

家事関連費

家事関連費とは、客観的なデータで業務上必要になることを証明できなければ経費にできないとされる費用のことです。

ただ、取引先ととった食事は、経費になる可能性が高いです。

国税庁の「No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算」によると、一人当たり5,000円以内であれば交際費として経費になると記載されています。

食事代を経費にしたいなら、交際費をうまく活用してください。ひとりでとった食事は、経費にならないため、注意が必要です。

事前に旅費を支払っている場合は仮払金勘定

個人事業主で従業員がいる場合、旅費を事前に支払い、後日精算することもあります。その際、支出した分は仮払金勘定にしてください。

以下は、従業員に対して事前に旅費を渡した場合の仕訳です。

6月10日 旅費を事前に50,000円分、現金で渡す

6月12日 後日未使用分10,000円が戻ってくる

6月10日 旅費を事前に50,000円分、現金で渡す

6月12日 後日未使用分10,000円が現金で戻ってくる

【まとめ】記帳代行で面倒な旅費交通費の仕訳とおさらば

出張費は、旅費交通費の勘定科目を使用します。

その際、食費には注意してください。食費は家事関連費に該当するため、経費にできないからです。

取引先とした食事は5,000円以内であれば交際費として経費にできるため、うまく活用するといいでしょう。

旅費交通費は、カラ出張と呼ばれ実際に取引先を訪れていないのに経費を計上する、不正のしやすい勘定科目です。税務署も念入りに調査するため、間違えないよう気をつけてください。

間違いがあると調査も厳しくなりかねないので、慎重に仕訳を切りましょう。

記帳代行お助けマンでは、旅費交通費の仕訳をベテランの会計マンがしてくれます。格安でサービスを提供しているので、興味があればぜひご相談ください。