家事消費は、個人事業主であれば必ず知っておきたい考え方です。

家事消費を間違えると余分な税金を払うことになったり、税務調査で指摘を受けたりすることもあります。

この記事では、家事消費の考え方を具体例を使ってわかりやすく解説します。

家事消費のポイントもお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。

家事消費の考え方とは

家事消費とは自家消費ともいい、商品などの棚卸資産を個人事業主やその家族が使用したり、贈与(プレゼント)したり、定価よりも大きく割引して販売したりすることです。

商品や材料は仕入原価として計上するので、自分で使用したとしても売上を計上しなければ、つじつまが合わなくなってしまいます。

そこで、家事消費という勘定科目を使って売上(収入)を計上する必要があるのです。

次に、家事消費を具体的に確認していきましょう。

家事消費は収入の勘定科目

家事消費は収入をあらわす勘定科目です。

しかし、通常の事業による売上ではないので、売上とは別に区別して記録します。

青色申告決算書では、2ページ目の月別売上(収入)金額及び仕入金額の表に「家事消費等」として記載欄が設けられています。

国税庁 青色申告決算書(一般用)

一方、収支内訳書では、1ページ目の収入金額欄にある「家事消費」が家事消費の記載欄です。

国税庁 収支内訳書(一般用)

このように、家事消費は収入の勘定科目ですが、売上とは別記載であることに注意しましょう。

家事消費の金額の決め方

家事消費の金額は、原則定価で計上します。

ただし、特例として次のうち、いずれか高いほうの金額で計上することができます。

・定価の70%
・商品の仕入金額

たとえば、定価1,000円の商品(仕入金額500円)を家事消費した場合、家事消費として収入に計上する金額は、定価の1,000円か特例の700円(1,000円×70%>500円)です。

どちらでも選択できますが、一般的に収入金額が小さくなるほど税金が減るので、特例のほうが有利な場合があります。

家事消費になるもの・ならないもの

家事消費の考え方を確認しましたが、個人事業主がおこなう消費すべてが家事消費になるわけではありません。

次に、家事消費になるものとならないものを具体的に解説します。

家事消費になるもの

家事消費になるものは、商品や材料などの棚卸資産を消費・贈与・低価譲渡したときです。

具体的には次のようなものがあります。

材料や売れ残りを自身で消費
仕入れた材料でまかないを作ったり、売れ残ったパンを自分で食べたりすると家事消費になります。

また、食べ物以外でも仕入れたアクセサリーを自分でつけるなども対象です。

友人に割引価格で販売
割引価格で販売しても家事消費に該当する場合があります。

たとえば、10万円(仕入価格5万円)の商品を4万円で販売したとき、家事消費の基準となる金額は7万円(10万円×70%>5万円)となります。

友人への販売金額4万円は通常の売上なので、差額の3万円が家事消費の金額になります。

商品をプレゼント
商品の贈与(プレゼント)も家事消費です。

定価や特例を使って家事消費の金額を計上します。

ただし、事業の取引相手へのプレゼントは交際費に該当するので、仕入金額を交際費に振り替えましょう。

家事消費にならないもの

家事消費にならないものも確認しておきましょう。

具体的に次のようなものは家事消費に該当しません。

商品をサンプルとして展示
商品をサンプルとして展示や配布した場合は、家事消費ではなく広告宣伝費に該当します。

仕入金額を広告宣伝費などの経費に振り替えて対応します。

大工が自分の家を建てた、マッサージ師が友人に無料でマッサージ
家事消費は棚卸資産の消費を対象としているので、役務(サービス)の提供は家事消費に該当しません。

大工の工事作業やマッサージ師のマッサージは役務の提供になるので、家事消費にならないものです。

ただし、事業用に仕入れた資材を使った場合は、材料費が家事消費の対象になるので注意しましょう。

事業用の自動車を安価で友人に譲渡(譲渡所得)
自動車は棚卸資産ではなく減価償却資産になるので、自動車を譲っても家事消費には該当しません。

事業用の減価償却資産を譲渡した場合は、譲渡所得として確定申告が必要な場合があります。

家事消費の注意点は次の2つです。

確定申告で間違わないように覚えておきましょう。

通常の売上とは別に記帳する

家事消費は収入ですが、確定申告では通常の売上とは別に記載します。

そこで、日々の記帳時に家事消費と売上は分けて記録しておきましょう。

1年分をそれぞれ別に集計することができるので、確定申告をスムーズにおこなえます。

もし記帳に不安があれば、記帳代行サービスを利用するのがおすすめです。

計算資料やメモなど証拠資料を残しておく

家事消費をしたときは、いつなにをどのように消費したかをメモして残しておきましょう。

また、家事消費の金額を計算した資料なども一緒に保管しておくと安心です。

これらは、家事消費として計上した金額の証拠となる資料になるので、税務署に聞かれたときでも対応しやすくなるでしょう。

【まとめ】家事消費は正しい記帳がポイント

家事消費は、棚卸資産を消費・贈与・低価譲渡した場合に計上する収入の勘定科目です。

また、確定申告で家事消費を申告するので、家事消費を正しく判定して、正確な金額を計算しなければなりません。

つまり、家事消費のポイントは、家事消費があったときに記帳を正しくおこなえることです。

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「家事消費の金額計算が難しい」

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