結婚や出産などのおめでたいイベント時に渡す「ご祝儀」。

取引先やお得意様に渡すなら、ご祝儀は経費になることがあります。

ご祝儀が経費になるかどうかは主に、「誰が誰に渡すか」「いくら渡すか」が判断基準です。

この記事でわかること
  • ご祝儀が経費になる場合とならない場合
  • ご祝儀に当てはまる祝い金の種類
  • ご祝儀の勘定科目

この記事では、個人事業主がご祝儀をおくる場合に経費となるのか、詳しく解説します。

お祝いごととはいえ、何度もご祝儀を出すと大きな出費になるものです。

経費にできるケースを確認して、しっかり計上しましょう。

ご祝儀は経費で落ちる?個人事業主が経費にできるケース

個人事業主なら、ご祝儀を経費として落とすことも可能です。

ただし、どんな場合のご祝儀でも経費にできるわけではありません!

あくまで、仕事に直接関係のある人に渡すご祝儀の場合にのみ、経費として計上できます。

経費にできる相手の例
経費にできない相手の例
  • 取引相手
  • 従業員
  • お客様
  • 親族
  • 友人
  • 知人

日頃から私生活面でお世話になっているからと言って、親族や友人のご祝儀を経費と言うのは少々無理があります。

一方で、仕事関係で関わることのある取引相手やお客様、会社の従業員へのご祝儀であれば、経費として計上できると考えて良いです。

仕事をしていなければ関わることはなかった人なら、仕事関係の人だと判断して問題ないでしょう。

ご祝儀の種類とは?経費にできるご祝儀の内容

「ご祝儀」は、さまざまなお祝いイベントで渡されるものです。

基本的には、仕事に関する相手へのご祝儀であれば特に問題はありません。

ご祝儀としては、例えば下記のような場合が当てはまります。

  • 結婚祝い
  • 入学祝い
  • 卒業祝い
  • 開業祝い
  • 出産祝い
  • 新店祝い
  • 還暦祝い

取引先が新しい店舗やオフィスを開いたり、お得意様が開業した場合、お花やお祝い品をおくることもあるでしょう。

従業員が結婚したり、出産したときには、お祝いの気持ちを込めてプレゼントを贈ることもあるはずです。

どれも事業と直接関係がある祝い事ではないですが、仕事関係の人へのお祝いであれば経費対象にはなり得ます。

ご祝儀はいくらまで経費にできる?

仕事に関係のあるご祝儀だからといって、何百万円もご祝儀にするのはおかしな話です。

明らかに大きな額をご祝儀として計上していたら、税務署に怪しまれ目をつけられてしまうでしょう。

常識の範囲内でご祝儀を渡せば問題はありませんが、何十万円も渡す必要がある場合には理由をハッキリと述べられなくてはいけません。

一般的なご祝儀は、3〜5万円だと言われています。

もし多い場合にも、10万円が限度でしょう。

重要

税法においてご祝儀として認められる金額は明確に設定されていないので、グレーゾーンです。

重要な相手に対しては大きな額のご祝儀を渡すこともあるかもしれませんが、堂々と説明ができる常識の範囲内であることが求められます。

ご祝儀を経費にする場合の勘定科目とは?

ご祝儀を経費にする場合、ご祝儀を渡す相手によって勘定科目が変わります。

ご祝儀を渡す相手は、大きく2つに分けられます。

  1. 取引先あるいはお客様の場合
  2. 従業員の場合

どちらに渡すかによって勘定科目の種類が違います。

それぞれの場合について、詳しく解説します。

ご祝儀を渡す相手①:取引先あるいはお客様の場合

ご祝儀を渡す相手が「取引先」あるいは「お客様」の場合、勘定科目は「接待交際費」とすることが多いです。

ご祝儀だけでなく、お歳暮やお中元、商品券なども接待交際費として会計処理します。

例えば、お世話になっている企業の5周年記念として30,000円を接待交通費として経費計上する場合、下記のようになります。

借方貸方
接待交際費30,000円現金30,000円

なお、万が一支払った経費が過大であると税務署に判断された場合、過大部分については法人税申告書により損金不算入の処理を行うことになります。

ご祝儀を渡す相手②:従業員の場合

ご祝儀を渡す相手が「従業員」の場合、勘定科目は「福利厚生費」として処理することが多いです。

社員が役員の場合には、「役員賞与」となります。

従業員に渡す場合、ご祝儀は経済的利益を与えることになるため、「給与」に該当します。

そこで「福利厚生費」の場合、見合っている額だと判断されれば、源泉徴収の対象外になると定められています。

なお、ご祝儀を従業員に渡す場合、年末調整や給与計算時にご祝儀代を加算する必要はありません。

重要

なお、過大な金額を福利厚生費としていることが税務署により指摘された場合には、あらためて「給与」として処理をした上で、年末調整や給与計算時に源泉徴収税を徴収することになります。

ご祝儀を経費にしたい!領収書はどうすれば良い?

ご祝儀の場合、渡した相手から領収書をもらえるわけではありません。

だからこそ、ご祝儀として使ったという証拠を残しておくことで、万が一税務署から質問があった場合にも堂々としていられます。

ご祝儀を経費にする場合に残しておくべきなのは、主に2点です。

  1. 証明するもの
  2. 購入時の領収書

それぞれについて解説します。

ご祝儀を経費にする場合の領収書①:証明するもの

経費を記録するメモ帳などを作り、忘れては問題になりそうな内容を記載しておきます。

結婚式であれば、招待状やご祝儀を渡した日付もあわせて保存します。

ポイント
  • いつ
  • どこで
  • 誰に
  • 何を
  • なんのために渡したのか

上記をまとめて記載しておくことで、税務署に対しても落ち着いて答えることができるでしょう。

数年も前のご祝儀については忘れてしまいがちなので、しっかりメモで残すのがおすすめです。

ご祝儀を経費にする場合の領収書②:購入時の領収書

経費として精算する場合、プレゼントなら購入したときの領収書をしっかりと保存しておきましょう。

ポイント

「お品代」や「お花代」など、何を購入したのかわかるように記載するのがポイントです。

また、交通費や宿泊費も経費の対象になります。

結婚式に参加するために前泊した場合や、交通費がかかった場合には、できるだけチケットなどの領収書を残しておきましょう。

勘定科目は「接待交際費」とすることが多いです。

ご祝儀は経費にできることがある!わからなければ相談を

ご祝儀は場合によって、経費にできることがあるとお伝えしました。

主に、会社を通じて関係を繋いでいる相手へのご祝儀であれば、経費として良いと考えましょう。

とはいえ、いくらでも経費計上して良いわけではなく、常識の範囲内であることも重要です。

ただ、常識の範囲内というのは定めがないため、感覚次第であるのも事実。

もし税務署に過大であると評価され説明ができなければ、追って追税の処理をしなくてはいけなくなり、面倒ごとが増えてしまいます。

「経費を管理するのが面倒」

「会計業務に時間をかけたくない」

「間違いがあって税務署に目をつけられるのは嫌」

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