確定申告や決算でよくみかける「貸借対照表」。

企業では決算で、個人事業主は青色申告する際に必ず作成が必要になります。

しかし貸借対照表を作っていて、左右の合計金額が合わなくて困った、という経験がある人もいるのではないでしょうか。

この記事では、貸借対照表の数字が合わないときの対処法について、解説していきます。

貸借対照表の数値は必ず合わなければいけない

貸借対照表とは、特定の時点における「資産・負債・純資産」の状態を表した表です。

会社が調達した資金(負債・純資産)をどのように使った(資産)のかを一覧にしているため、左右の合計金額が必ず合う仕組みとなっています。

ゆえに合計金額の数値が左右で合わない場合は、どこかにミスがあり、原因を突き止めなければいけない状態。

そのままでは確定申告や決算は行えないので、次に紹介するチェックポイントを確認して、原因を見つけていきましょう。

貸借対照表が合わなかったときの確認ポイント

貸借対照表の数値が合わなかったときは、まず次の4つのポイントを確認してみてください。

  1. 仕訳の見直し
  2. 計算ミスのチェック
  3. 現預金残高と現預金出納帳が一致しているかどうか
  4. 元帳の照合

それぞれ詳しく解説していきます。

仕訳の見直し

すべての仕訳を再度確認し、正しく記入されているかをチェックしましょう。

勘定科目が異なっていたり、借方と貸方の金額が異なっていたりすると、貸借対照表内で誤った勘定科目に計上することとなるので、数値の不一致につながります。

また転記ミスがないかどうかも、合わせて確認することが大事です。

たとえば資産の勘定科目は貸借対照表の左側、負債の勘定科目は右側の上部、そして純資産の勘定科目は右側の下部になります。

仕訳の数が多いと間違いに気づきにくいですが、ひとつずつ勘定科目の誤りや転記ミスがないか確認していきましょう。

計算ミスのチェック

仕訳の時点で貸方と借方の合計金額が合っていないと、貸借対照表の数字は合いません。

たとえば次のような仕訳の場合。

借方貸方
通信費  5,000  
消耗品費 5,000
現金 10,000   

合計して左右どちらも10,000円になっていますが、消耗品費5,000円の仕訳を記載し忘れてしまった場合、左右の合計金額が合わないため、必然と貸借対照表の数字も合わなくなってしまうのです。

上記のように、複数の勘定科目を用いて仕訳する場合には、合計金額が左右同じになっているかどうか、確認しましょう。

現預金残高と現預金出納帳が一致しているかどうか

実際に管理している小口現金や通帳の残高は、出納帳の残高や貸借対照表の数字と必ず一致します。

万が一どれかの数値が違う場合は、仕訳もしくは出納帳の記入が間違っていることになるので、修正が必要です。

よくあるミスが、実際には取引をして金融機関側では処理されているにも関わらず、仕訳を忘れている、もしくは仕訳をしていても日付や金額が間違っているといった状態。

もしくは当期の期首から残高が合ってなかった可能性もあるので、前期の残高も必ず確認しておきましょう。

元帳の照合

上記3つのポイントを把握したら、総勘定元帳を確認し、貸借対照表に転記された金額が正しいかをチェックします。

仕訳帳は日々の取引を記録する帳簿で、総勘定元帳は勘定科目ごとに記録する帳簿であり、貸借対照表を作成する基盤となっている帳簿です。

それぞれの帳簿を再度確認することで、どの時点で間違っているのかがわかります。

個人事業主は「事業主貸し借り」でも合わせられる

個人事業主の場合、上記の方法で確認しても誤った箇所がわからないときには「事業主貸し借り」の勘定科目で無理やり合わせることもできます。

個人事業主の場合、生活費を事業用の口座に入金したり、出金したりすることもあり、その際には「事業主貸」「事業主借」の勘定科目で処理。

どうしても貸借対照表が合わない場合には、この勘定科目で差額を調整できますが、あくまでも個人事業主のみができる方法です。

法人の場合は、合わない箇所を探して修正するしかありません。

貸借対照表が合わないときの確認ポイントは4つ

貸借対照表が合わないときには、次の4つのポイントを確認してみましょう。

  1. 仕訳の見直し
  2. 計算ミスのチェック
  3. 現預金残高と現預金出納帳が一致しているかどうか
  4. 元帳の照合

法人の場合は、差額を調整することができないため、誤りを見つけて修正するしかありませんが、個人事業主の場合は、「事業主貸し借り」の勘定科目で調整もできるので、覚えておきましょう。

しかし確定申告や決算のときに誤った箇所を見つけるのは大変です。

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