勘定科目は、経理担当者が覚えておく必要のある知識の1つです。
しかし勘定科目の種類が多くありすぎてどの科目を用いたらいいのか悩む…といった人も多いのではないでしょうか。
例えば、オフィスでの仕事を快適にするために買いそろえた日用品や来客用の食器、パソコン用品など。一見「雑費」で処理するように感じますが、適切な勘定科目は「消耗品費」です。
この記事では、雑費と間違えやすい購入費用の中から「来客用の食器やトレー」について解説していきます。
来客用の食器やトレーの勘定科目は「消耗品費」
オフィスの備品として購入した来客用の食器やコップ、箸やトレーなどは「消耗品費」の勘定科目を用いて仕訳をおこないます。
≫ 来客用に購入した60,000円分の食器類
借方 | 貸方 |
---|---|
消耗品費 60,000 | 現金 60,000 |
来客用の食器等以外にも、飲食店で使われている食器や箸、スプーンやフォークも「消耗品費」として費用計上。
しかし飲食店の開業前、開業に向けて買いそろえた食器類に関しては「開業費」の勘定科目を使って資産計上するケースもあります。
消耗品費・備品・雑費の違い
オフィス用品で費用で多く使われる勘定科目は「消耗品費」「備品」「雑費」の3種類です。
それぞれ定義が異なりますので、詳しくみていきましょう。
消耗品費
消耗品費の定義は「使うことで消耗してなくなるもの」いわゆる消耗品を購入したときに用いる勘定科目です。
- 用紙や封筒、文房具、コピー機のトナーやインクなどの事務用品
- ティッシュやトイレットペーパー、タオルや清掃用品などの日用品
- カメラやパソコン周辺機器
- デスクやイスなどの備品(10万円以下)
上記のようなものを購入した費用が「消耗品費」に該当します。
また国税庁では「使用可能期間が1年未満か購入価格が10万円未満の什器備品の購入費」と定めていますが正確なルールはないので、消耗品費に「事務用品」「日用品」などの補助科目を設けて、より経費の流れを明確化する自社のルールを作るのもおすすめです。
備品
備品は消耗品費の基準に該当しないものを指し、「器具備品」の勘定科目で資産計上します。
- 使用可能期間が1年以上
- 取得価額が10万円以上(一定条件のもとでは消耗品費に計上する場合もある)
オフィス用品以外にも、車両や建物の付属設備やパソコン、応接セット等が該当します。
雑費
雑費は、他のどの勘定科目にも当てはまらない少額の取引に用いる勘定科目です。
しかし、例え少額であっても頻繁に出てくる取引の場合は、雑費とせずに適正な勘定科目を用いて仕訳するようにしましょう。
「雑費」の勘定科目が増えてしまうと、何に経費を使っているのか把握できず、使途不明金が増えてしまいます。
経費削減のためには「何に経費が多く使われているのか」を知る必要があるので、雑費の勘定科目の使いすぎに注意して、適正な勘定科目を用いた仕訳が重要です。
未使用分の消耗品は振替が必要
消耗品をまとめ買いして未使用分が残ったまま決算を迎えた場合、未使用分を「貯蔵品」に振り替えて資産計上する必要があります。
そして翌年期首には再度「消耗品費」に振り戻しましょう。
≫ 未使用のコピー機トナー40,000円分が期末に残っていた
借方 | 貸方 |
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貯蔵品 40,000 | 消耗品費 40,000 |
≫ 翌年期首に「消耗品費」に振り戻し
借方 | 貸方 |
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消耗品費 40,000 | 貯蔵品 40,000 |
未使用の消耗品が在庫として残っていた場合には、上記の振替仕訳が必要になるので注意してください。
まとめ
オフィスで使用する来客用の食器類は「消耗品費」の勘定科目を用いて費用計上します。また、飲食店の開業前に購入した食器類等に限り、勘定科目は異なるので覚えておきましょう。
しかし勘定科目は国の定めた明確なルールがないので「自社の経理ルール」を決め、事務用品費や日用品費など補助科目を設けて経理処理をしても問題ありません。
その際注意しなくてはいけないのは、同一の取引について頻繁に用いる勘定科目を替えないということです。
頻繁に勘定科目を替えてしまっては、社内での混乱を招くことになるので、一度決めた勘定科目はできるだけ社内で共有認識を持って変更せずに経理処理を進めていきましょう。
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