シャッターの設置や修理の際、どの勘定科目を使用する?

シャッターの耐用年数は何年?

今回は、こちらの疑問にお答えしていきます。

事業のために購入したシャッターは、経費として計上が可能です。しかし購入した年に全額費用にできるわけではなく、一度資産として計上し、耐用年数にわたって費用処理を行います。

シャッターを正しく費用処理するためには、勘定科目や仕訳方法、耐用年数などの確認が大切です。

ここではフリーランスの個人事業主や中小企業の社長の方に向けて、シャッターの勘定科目や仕訳を紹介します。

シャッターの勘定科目

同じシャッターに関する支出でも、新たに設置した場合と既存のシャッターを修理した場合では、利用する勘定科目が異なります。

正しい会計処理のため、それぞれの勘定科目・仕訳方法の確認が大切です。

シャッター設置時と修理時に分けて、詳しい内容を解説します。

シャッター設置時の勘定科目・仕訳方法

シャッター設置時に使用する勘定科目は建物です。既存の建物に新たにシャッターを設置する場合でも、建物勘定を用いて仕訳を行います。

シャッターの設置は建物に新たな設備を加えるため、建物附属設備に該当するイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。

しかし国税庁が定める建物附属設備のなかに、シャッターは含まれておりません。

また耐用年数の適用等に関する取扱通達のなかで、ドアは建物に含まれると明記されています。シャッターはドアと同様の性質を持つ設備のため、ドアと同じく建物勘定での仕訳が必要です。

シャッターを普通預金で購入した場合、以下の仕訳を行います。

借方貸方
建物普通預金

シャッター修理時の勘定科目・仕訳方法

シャッター修理時に用いる勘定科目は、修繕費と建物のどちらかになります。

どちらの勘定科目を使うかの判断基準は以下のとおりです。

チェック
  • 修繕費:もとの機能を取り戻す・原状回復を目的とした場合に使う(回復を目的とした部品交換、塗装が剥げた部分の塗り直し、可動部分への油差しなど)なお金額が20万円未満の場合、全額修繕費への計上が可能です
  • 建物:修理の結果、資産価値の向上につながる場合に使う(効果な部品への交換、耐用年数が延びるような改修、より高度な機能の付与など)

もとの状態に戻すための修理なら費用科目である修繕費、修理の結果として価値が上がるなら資産科目である建物で計上します。

修繕費に該当する修理費用を普通預金から支払った場合、以下の仕訳を行います。

借方貸方
修繕費普通預金

修理の結果シャッターの資産価値が高まった場合、新たに設置したときと同様、建物勘定を用いた仕訳が必要です。

借方貸方
建物普通預金

シャッターの耐用年数は設計・法定の2種類ある

シャッターの耐用年数には、設計耐用年数と法定耐用年数の2種類があります。

それぞれの意味は以下のとおりです。

ポイント
  1. 設計耐用年数:一般社団法人日本シヤッター・ドア協会が定めている耐用年数。シャッターの寿命といえるもの
  2. 法定耐用年数:会計上用いる耐用年数。減価償却を考える際に用いる

固定資産の減価償却は、法定耐用年数に応じて行います。すなわちシャッターの減価償却・費用処理の際、設計耐用年数は使われません。

前述のようにシャッターは建物に該当するため、シャッターを設置した建物の耐用年数で減価償却を行います。

【まとめ】シャッターの勘定科目を押さえて正しい仕訳を!

シャッターを新たに設置した際に用いる勘定科目は建物です。

国税庁が定めている建物附属設備にシャッターが含まれていない・取扱通達のなかでシャッターと同じ性質であるドアが建物に含まれると明記されているなどの根拠があります。

修理時に用いる勘定科目は修理の内容によって異なります。原状回復を目的とした修理の場合は修繕費、資産価値が上がる修理の場合は建物での計上が必要です。

シャッターの勘定科目はややこしい部分が多いため、理解を深めるためには根拠や理屈を押さえる必要があります。

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