修繕費とはどういう勘定科目?
どういう場合に修繕費の勘定科目で計上するの?
今回はこちらの疑問にお答えしていきます。
建物や機械などの資産を持っていると、故障はつきものです。
故障の際は修繕費の勘定科目で処理をするのですが、同科目を使用する場面はほかにもあります。
どのような場合に修繕費の勘定科目を使うのか、具体例を4つ挙げて解説していきます。
個人事業主や企業の経理担当者が迷いやすい、修理費との違いも見ていきましょう。
修繕費とは?
修繕費とは、建物や機械などの事業に関する固定資産の修繕のために支払った費用のことです。破損や劣化を元の状態に戻すための費用を指し、部品の交換や維持費なども含まれます。
自然災害などによって事業に関する固定資産が破損した場合、状況を回復するために支出した費用の計上も修繕費です。
法人の場合は「販売費及び一般管理費」、個人事業主の場合は「経費」の勘定科目になり、損益計算書に記載されます。
ただし、実務では、車のタイヤ交換やオイル交換、車検費用などの車に関する修繕については、車両費の勘定科目で処理されることも多いです。
修繕費の勘定科目を使用する仕訳例4つ
修繕費の勘定科目で処理する具体例を4つ、仕訳と一緒に見ていきましょう。
①機械などの故障の修理
機械などの資産が故障して修理にかかった費用は、もちろん修繕費になります。
例えば、以下のようなケースがあります。
≫ エアコンが故障したので業者に修理を依頼し、修理代50,000円を現金で支払った。
借方 | 貸方 |
---|---|
修繕費 50,000 | 現金 50,000 |
②メンテナンス・保守点検
定期的なメンテナンスや保守点検も、資産の状態を維持するための費用であり、修繕費として計上します。
例えば、以下のようなケースがあります。
≫ コピー機の定期メンテナンスを行い、現金10,000円を支払った。
借方 | 貸方 |
---|---|
修繕費 10,000 | 現金 10,000 |
③建物の外壁塗装・屋根修理
自社ビルや賃貸物件を所有している場合、外壁や屋根は定期的に塗装を行う必要があります。屋根の劣化が激しい場合は、修理をすることもあるかもしれませんね。
外壁塗装や屋根の修理にかかった費用は、修繕費として処理します。
例えば、以下のようなケースがあります。
≫ 自社ビルの外壁を塗装した。塗装にかかった費用200万円を普通預金から支払った。
借方 | 貸方 |
---|---|
修繕費 2,000,000 | 普通預金 2,000,000 |
④原状回復費
賃貸している事務所を引き払う際、契約によっては、借りたときの状態に戻さなければなりません。
また、賃貸住宅を経営している場合、入居者の退去時には劣化した部分を回復したりルームクリーニングをしたりして、新しい入居者に備えます。
このような費用を原状回復費といい、修繕費の勘定科目で処理をします。
例えば、以下のようなケースです。
≫ 経営している賃貸マンションの入居者が退去した際、古くなった壁紙を張り替え、室内クリーニングも行った。その費用150万円を普通預金から支払った。
借方 | 貸方 |
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修繕費 1,500,000 | 普通預金 1,500,000 |
修繕費と修理費の違い
修繕費とよく似た言葉で修理費がありますが、その支出が修繕費になるか修理費になるかは、金額ではなく支出の内容によって判断します。
修繕費として計上できるのは、古くなった建物や機械などの資産を元の状態に戻したり、購入時の状態を維持するためにかかった費用です。
一方で、原状回復にとどまらず、改良して新たな価値を付け加えたり長く使えるようにしたりして、資産の価値を高めた際の処理は修理費です。
修理費の場合、費用ではなく資産の扱いになり、新たな固定資産を取得したとして資産計上します。
資産を追加で購入したと考えるので、購入時に費用にせず、減価償却を行って法定耐用年数で費用計上していきます。
【まとめ】修繕費と修理費の判断に迷ったら記帳代行もおすすめ
修繕費とは、事業に関する固定資産を修理した際に使用する勘定科目です。修理以外にも、現状維持のための支出にも適用されます。
しかし、支出の内容がただの修理ではなく、付加価値をつけたり使用期間を長くしたりするものであれば、修理費となります。
修理費の扱いになれば、資産を新しく購入したとして、法定耐用年数で減価償却をしましょう。
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修繕費と修理費の判断で迷うこともなくなりますよ。