企業で融資を受けた際に、どの勘定科目を使うの?
借入金の勘定科目が複数あるけど違いは何?
このような疑問をお持ちではありませんか。融資を受けたときのお金は返済期限によって異なる勘定科目で仕訳が必要です。
この記事では融資を受けたときの仕訳について具体例とともに説明していきます。
融資を受けたときの勘定科目はなに?
事業を始めたり事業拡大したいときに用いられる「融資」。融資とはお金を借りる=負債のことです。
実際に融資を受けたときは「借入金」の勘定科目を用いて仕訳をします。
<例>事業を始めるために銀行から100万円の融資を受けた
借方 | 貸方 |
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現預金 1,000,000 | 借入金 1,000,000 |
融資を受けることで「資産である現預金」と「負債である借入金」が増加します。
<例>借入金とともに支払利息20,000円を返済した
借方 | 貸方 |
---|---|
借入金 1,000,000 支払利息 20,000 | 現預金 1,020,000 |
借入金に対する利息は「支払利息」の勘定科目で処理します。
また借入金は返済期限に応じて、さらに細かな勘定科目でわけて処理をします。
次で詳しくみていきましょう。
短期借入金(1年未満で返済)
短期借入金とは、会計上で返済期限が1年以内に到来するものです。借りたお金を早く返すので、長期借入金よりも利息が低いという特徴があります。
短期で借入をする場合は、売掛金を回収したあとで返済ができるようにするのが重要です。
お金を回収できていないのに返済期限が到来してしまっては、会社にあるお金から返済していくことになり、手元に残るお金が少なくなってしまいます。
ゆえに企業の運転資金を考慮した借入設計をしましょう。
<例>1年以内に返済期限が到来する融資を100万円受けた(返済期限は半年)
借方 | 貸方 |
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現預金 1,000,000 | 短期借入金 1,000,000 |
また短期借入金は貸借対照表の「流動負債」に区分されることも、合わせて覚えておいてくださいね。
<例>5ヵ月前に借りた借入金を支払利息10,000円とともに返済した
借方 | 貸方 |
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借入金 1,000,000 支払利息 10,000 | 現預金 1,010,000 |
長期借入金(1 年未満で返済しないもの)
会計上返済期限が1年未満で到来しないものを「長期借入金」の勘定科目で処理します。
長期借入金は短期借入金と違い、企業が成長するために役立つ土地や機械など固定資産を購入するのに発生するケースが多いです。
<例>新しい事業で利用する機械を買うために500万円の融資を受けた(返済期限は5年)
借方 | 貸方 |
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現預金 5,000,000 | 長期借入金 5,000,000 |
また長期借入金は貸借対照表の「固定資産」に区分されます。
一年以内返済長期借入金
貸借対照表の負債は、1年を区切りで流動負債か固定負債に分けられます。
では「短期借入金」と「一年以内返済長期借入金」の違いは何?と思う人もいるでしょう。
一年以内返済長期借入金とは、融資金額を分割で返済していくときに主に使う勘定科目です。
融資を受けたときに返済期限が5年あっても、必ずしも返済日にまとめて返済するとは限らず、分割して毎年返済するケースもあります。
下記の例をみていきましょう。
- 決算日:3月31日
- 借入金:5,000,000円
- 返済期限:5年
- 毎年決算日に100円ずつ返済して5年で完済予定
上記のケースの場合は、借入時は帳簿上「長期借入金」で処理。
しかし最初の決算時に100万円を返す契約となっているので、500万円のうち100万円は1年以内に返済予定の借入金ということになります。
会計上のルールから、1年以内に返済される借入金については「流動資産」で計上が必要なので、1年以内に返済する分だけを「一年以内返済長期借入金」として振り返るのです。
上記の例でいえば決算時の振替仕訳は次のようになります。
借方 | 貸方 |
---|---|
長期借入金 1,000,000 | 一年以内返済長期借入金 1,000,000 |
固定資産を減らして、流動資産に振り返る仕訳となっています。
振り返るときに1年以内に返済する借入金だからといって短期借入金にしてしまっては、本当に短期借入金として融資を受けた分と区別がつかなくなってしまうので注意しましょう。
短期借入金と長期借入金の違いを知ろう
融資を受けた場合には主に「短期借入金」と「長期借入金」の2つの勘定科目を用いて仕訳をします。
どちらも借入金に関するものですが大きな違いは「1年以内に返済するかどうか」です。
それぞれの違いを踏まえたうえで、融資を受けたときは適正な勘定科目で仕訳をおこないましょう。
ただし勘定科目って多くあって、覚えるのも毎日仕訳作業をするのも大変…と思ってしませんか?
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