加湿器の仕訳方法は?
自宅兼事務所で使う加湿器は経費で落とせる?
設置した加湿器を経費にするためには、その購入金額や使い方に応じて、正しく仕訳処理をしなければいけません。
仕訳方法を間違えると、利益や税金の計算に影響してしまい、場合によっては修正申告や追徴金などの手間が発生するからです。
今回は加湿器の仕訳方法を解説します。また、自宅兼事務所で使う加湿器を経費にする方法も最後に説明します。
加湿器の勘定科目と仕訳
加湿器の仕訳は、消耗品費と工具器具備品を使い分けます。勘定科目を間違えると年間の経費が変わり、税金の計算に影響するので注意が必要です。
次に使い分ける方法を解説します。
加湿器の勘定科目は消耗品費か工具器具備品
加湿器は備品ですが、次の2つの条件のどちらかに該当すれば、消耗品費の勘定科目を使うことができます。
条件1 購入金額が10万円未満 条件2 使用可能期間が1年未満 |
1年以上使用可能な加湿器は購入金額によって、消耗品費と工具器具備品を使い分けます。
次に購入金額による勘定科目の使い分け方を解説します。
購入金額が10万円未満
加湿器の購入金額が10万円未満の場合、消耗品費として全額を一括で経費にできます。
加湿器を2万円で購入したときの仕訳は、以下のとおりです。
借方 | 貸方 |
---|---|
消耗品費 20,000 | 普通預金 20,000 |
購入金額が10万円以上
加湿器の購入金額が10万円以上の場合、原則は工具器具備品勘定を使って、固定資産に計上します。
経費にできるのは、決算時の減価償却のタイミングです。償却期間(法定耐用年数:加湿器は6年)で分割して経費にしていきます。
加湿器を12万円で購入したときの仕訳は、以下のとおりです。
≫ 購入したとき
借方 | 貸方 |
---|---|
工具器具備品 120,000 | 普通預金 120,000 |
≫ 決算時(解説のため加湿器を1年間使ったこととします)
借方 | 貸方 |
---|---|
減価償却費 20,000 | 工具器具備品 20,000 |
このように10万円以上の加湿器は、6年間で徐々に経費にします。
また一括償却資産や少額減価償却資産の特例という制度を、一定の条件で使うこともできます。この制度を使ったほうが早く経費にでき、節税効果が期待できる事例もあります。
自宅兼事務所での使用は経費で落とせる?
自宅兼事務所で使用する加湿器は、購入金額を事業用と自宅用に区別すれば、事業用部分を経費にできます。
詳しく解説します。
事務所で使用した分だけ経費にできる
加湿器は事務所など事業用のみで使っていれば、購入金額を経費にできます。自宅兼事務所の場合、一部を経費にすることが可能です。
たとえば、自宅の中でも事務所や店舗用の部屋があれば、そこに設置する加湿器は全額が経費です。
しかし、自宅部分と事務所で部屋を分けていない場合は、加湿器がある場所をどの程度事業用に使っているかを合理的に計算することで、購入金額の一部を経費にすることができます。
この計算を家事按分(かじあんぶん)といい、計算方法を次に説明します。
加湿器の経費按分方法
自宅と事務所の区別できない部屋に加湿器を設置している場合、購入金額を自宅分と事業分にわけて仕訳をします。
加湿器を2万円で購入し、そのうち20%を事業用に使っている場合、仕訳は以下のようになります。
借方 | 貸方 |
---|---|
消耗品費 4,000 | 普通預金 20,000 |
事業主貸 16,000 |
なお、加湿器に必要な水やアロマなどの消耗品も、同じく事業用に家事按分します。
合理的な計算のために必要な資料
加湿器の経費を合理的に計算するためには、自宅分と事業分を区別する明確な根拠となる資料が必要です。
国税庁は家事按分について、次のように説明しています。
必要経費に算入する場合の注意事項については、次のとおりです。
(1)家事上の費用は必要経費となりませんが、個人の業務においては一つの支出が家事上と業務上の両方にかかわりがある費用(家事関連費といいます。)となるものがあります。
(例)店舗併用住宅に係る費用(租税公課、家賃、水道光熱費など)
この家事関連費のうち必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます。…
したがって、家事按分の計算は根拠資料から事業スタイルに合わせて、自由に決めた事業用割合を使って経費を計上します。
たとえば加湿器の稼働時間を記録し、そのうち営業時間はどの程度かを計算してください。
自宅兼事務所の場合、私的な費用と経費が混ざりやすいので、税務署も特に注意して確認しています。
事業用経費の説明ができるように、根拠とした資料は大切に保管しましょう。
【まとめ】購入金額と事務所使用分に注意すれば加湿器を経費で落とせる
加湿器は購入金額によって、消耗品費か工具器具備品で仕訳処理します。自宅兼事務所で加湿器を使う場合は、事業用と自宅分を区別して仕訳しましょう。
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