ビジネスをするうえで、レターパックやゆうパック、ヤマト運輸など宅配便を利用するケースは多いでしょう。

専用封筒の購入費用や宅配便の送料は、「物を運ぶためにかかる費用」という意味では同じですが、会計上の勘定科目は用途によって異なります。

この記事では5つのパターンに分けて、仕訳例とともに勘定科目の解説をしていきますので、参考にしてみてください。

宅急便を利用する5つのパターン

企業が宅急便を利用するケースは、次の5つが主に考えられるのではないでしょうか。

  • 販売した商品を郵送する場合
  • 製造メーカーなどから材料を購入して送料を支払った
  • 固定資産になるものを購入したときの送料
  • 事務所などで利用する消耗品をインターネットで購入した
  • 御中元や御歳暮を得意先に送った

上記は、それぞれ記帳するときの勘定科目が異なります。

適切な勘定科目での処理は、どの費用が膨らんでいるのかを明確にできるので、コスト削減の参考にもなります。

それぞれについて、仕訳例とともに見ていきましょう。

販売のためにかかった送料は「荷造運賃」

自社の商品を販売したときにかかった送料は、「荷造運賃」で仕訳します。

「通信費」と混乱する人も多いですが、2つの違いは、「何を送ったのか」です。

大きな荷物や商品販売時にかかった送料は「荷造運賃」、書類の送料や切手などにかかった費用は「通信費」といったような使い分けをするケースが多くなっています。

<仕訳例>自社商品を10万円で販売して、送料1,500円は現金で支払った

借方貸方
売掛金  100,000
荷造送料  1,500 
売上  100,000
現金  1,500   

なお販売した商品を発送するために購入した梱包材も、荷造運賃で処理可能です。

仕入れのための送料は「仕入」に含める

仕入れした商品が着払いで届いたときにかかった送料は、原価とみなして「仕入」に含めて計上します。

仕入にかかった送料をほかの勘定科目で処理してしまうと、売上の減価が少なくなってしまい、利益が正しく算出できないことも。

正確な財務状況を知るためにも、仕入でかかった送料は、仕入原価に含めて処理しましょう。

<仕訳例>製造メーカーから50,000円の部品を購入して、商品代と着払い送料2,500円は現金で支払った

借方貸方
仕入  52,500現金  52,500

固定資産にかかる諸経費は固定資産の勘定科目に含める

1年以上にわたって使用、かつ取得金額が10万円以上のものを購入した場合は、資産として計上します。

資産は、購入にかかった費用もすべて含めて資産として計上する決まりとなっているので、郵送にかかった宅急便の送料も資産の取得金額に含めて、計上しましょう。

<仕訳例>15万で購入した事務所用のパソコンが着払いで届いた。送料の3,500円は現金で支払っている

借方貸方
備品  153,500  普通預金  150,000
現金     3,500 

軽微な送料は「通信費」

レターパックや現金書留封筒の購入や、切手代、書類の郵便代などは、通信費の勘定科目で処理します。

通信費は、顧客との通信手段にかかる費用を計上することから、書類の送付にかかる送料は、荷造運賃と区別して通信費として経費計上。

<仕訳例>顧客への案内を100通だして、8400円かかり現金で支払った

借方貸方
通信費  8,400 現金  8,400  

良好な関係を築くためなら「接待交際費」

いつもお世話になっている得意先や顧客へ、御歳暮や御中元を送る、という企業も少なくないでしょう。

この場合は良好な関係を築くのが目的であるため、郵送にかかった送料も接待交際費として計上するケースがあります。

通常の通信費や荷造運賃で計上しても間違いではありませんが、目的が違う費用を同じ勘定科目で計上してしまうと、何が原因で経費がかかっているのか特定が難しくなってしまいます。

そのため経費を計上するときは、目的に適した勘定科目を選ぶようにしましょう。

<仕訳例>御中元の郵送代8,900円を現金で支払った

借方貸方
接待交際費  8,900現金  8,900   

宅急便代は5つの勘定科目から選ぼう

宅急便代の勘定科目は、次の5つの中から目的に沿ったものを選ぶようにしましょう。

  • 荷造運賃
  • 仕入
  • 資産の取得金額に含める
  • 通信費
  • 接待交際費

記帳業務は、法律で明確なルールが決められていないため、どの勘定科目を用いたらいいのか悩む、という人も多いでしょう。

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