ギフトや景品として活躍する「商品券」。

コンペでの景品や社内業績への賞品、または商品として販売したり、他店が発行した商品券で賞品を販売するなど、活用する場面は多数あります。

商品券といっても、仕訳するときに使用する勘定科目はひとつではありません。

この記事では、商品券の勘定科目を、目的や状況別に解説していきます。

商品券などの金券類とは

商品券やギフトカードなどの金券類は、現金と同様に商品やサービスと交換できる有価証券の一種です。

金券類は特定の店舗や企業で利用が可能であり、購入者や受取人に一定の価値を提供します。

また金券類は、企業の販促活動や従業員への福利厚生、顧客への贈答品として広く利用されています。

商品券を経費計上できる4つのパターン

商品券は経費として計上できますが、状況によって仕訳計上の方法が異なります。

・社内で活用するために商品券を買ったとき
・社外への贈答用に商品券を買ったとき
・商品券をもらった場合
・商品券を販売した場合

ここでは上記の5つのパターンに分けて、解説していきます。

社内で活用するために商品券を買ったとき

社内用で使うために商品券を購入した場合は、経費ではなく預貯金と同じ「資産」として計上します。

使う勘定科目は「他社商品券」の勘定科目で、消費税区分は非課税です。

<仕訳例>自社で商品券を利用するために商品券5,000円分を現金で購入した

借方貸方
他社商品券  5,000現金  5,000   

なお商品券は金券ショップなどで、安く買うこともできますが、資産計上するときはあくまでも額面の金額で処理。

差額は「雑収入」となります。

<仕訳例>金券ショップで5,000円分の商品券を4,500円で購入した

借方貸方
他社商品券  5,000 現金  4,500
雑収入    500    

購入した商品券で、経費計上できるものを購入した場合は、資産の減少として処理。

<仕訳例>5,000円分の商品券で、事務所の清掃用品を購入した

借方貸方
消耗品費  5,000 他社商品券  5,000

社外への贈答用に商品券を買ったとき

得意先や協力会社への贈答用のために商品券を購入した場合は、「接待交際費」として経費計上します。なお消費税区分は非課税。

<仕訳例>得意先への贈答用に30,000円分の商品券を現金で購入した

借方貸方
接待交際費  30,000現金  30,000  

なお購入した商品券を贈答した場合は、購入時にすでに接待交際費で処理しているので、ほかの経費処理は必要ありません。

商品券をもらった場合

お歳暮やお中元、社外開催のコンペの景品として商品券をもらったときは、資産の増加となるので、購入時と同様に「他社商品券」の勘定科目で計上します。

<仕訳例>得意先のコンペの景品で10,000円分の商品券をもらった

借方貸方
他社商品券  10,000雑収入  10,000 

自社の商品券を販売した場合

商品券を商品として販売している場合は、「商品券」「売上」の勘定科目で処理。

商品券を販売すると、後から商品を引き渡す義務が発生するため、販売したときは負債が増えたと考えます。

そして商品を引き渡したときに売上となる点を覚えておきましょう。

<仕訳例>自社が発行している3,000円分の商品券を販売した

借方貸方
現金  3,000 商品券  3,000

<仕訳例>販売した自社商品券をお客様が使用して、3,000円分の商品を引き渡した

借方貸方
商品券  3,000売上  3,000 

なお他店が発行している商品券で商品を引き渡したときは、現金に精算できる資産を得たと考えて「他社商品券」「売上」の勘定科目で処理しましょう。

商品券の計上は状況によって変わる

さまざまな場面で活躍する商品券ですが、状況によって使う勘定科目が異なるので、パターン別の仕訳方法を理解しておきましょう。

仕訳業務は慣れないうち、混乱しやすい業務です。

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