ガス代はどこまで経費になるの?

経費の計算方法は?

ガス代の一部を経費にするときの仕訳は?

今回は、こちらの疑問にお答えしていきます。

自宅で仕事をしている個人事業主であれば、ガス代は経費にできる支出の1つです。

ただ、ガス代を経費にするためには、業務中にガスの利用が必要不可欠。

ガスファンヒーターなど業務中にガスを使っていれば、一部ガス代を経費にできます。

ここでは、ガス代の勘定科目と仕訳を紹介します。一部を経費にするための計算方法も紹介するので、参考にしてください。

ガス代の仕訳に悩んでいる個人事業主には、記帳代行をおすすめします。ガス代の仕訳には計算が必要なので、苦手な方は利用を検討してみてください!

ガス代はどこまで経費にできるのか?

自宅で仕事をしている場合、ガス代すべてを経費にできません。自炊や給湯など、プライベートでガスをしているためです。

言い換えると、ガス代は事業で使っている分だけを経費にできます。

ガス代の一部を経費にするためには、按分が必要になります。

メモ

按分とは、基準を使って金銭などを割り振ることです。すなわち、基準を使ってガス代を割り振ることで、事業で使っているガス代を計算できます。

その基準とは、占有率と使用率で算出します。実態にあった適切な割合を使って、ガス代を按分してください。

占有率とガス代の計算方法

専有率

ここでいう専有率とは、賃貸マンション全体の床面積と事業で使用している床面積の割合を指します。

ポイント

たとえば、賃貸101号室の床面積が60㎡で、内事業で使用している床面積が30㎡の場合、専有率は50%になります。

専有率に1ヶ月のガス代2,000円をかけることで、事業で使用しているガス代分を求めることができます。

  • 専有率の計算 30㎡÷60㎡=50%
  • 按分したガス代の計算(経費になるガス代) 2,000円×50%=1,000円

使用率とガス代の計算方法

使用率

使用率とは、労働時間を1日24時間で計算した割合のことです。

ポイント

たとえば、365日かかさずに働き1日の労働時間が9時間だった場合の使用率は37.5%になります。

使用率に1ヶ月のガス代2,000円をかけることで、事業で使用しているガス代分を求めることができるでしょう。

  • 使用率の計算 9時間÷24時間=37.5%
  • 按分したガス代の計算(経費になるガス代) 2,000円×37.5%=750円

ガス代の仕訳は水道光熱費

ガス代の仕訳は、水道光熱費の勘定科目で計上できます。

水道光熱費は電気やガスと同じ勘定科目を使用するため、摘要や備考にガス代と覚えを書いておくと、見返すときにわかりやすいでしょう。

ガス代は費用を認識するタイミングによって仕訳が異なる

ガス代は費用を認識するタイミングによって、仕訳が異なります。

ガス代で、費用を認識するタイミングは検針日もしくは使用日で、それぞれに名前がついています。

  • 検針日基準
  • 使用日基準

実務上では、使用日基準を使うことも多いですが、正しい仕訳をするのであれば検針日基準でしょう。どちらでも好きな方を採用してください。

ここからは以下の例を参考に、それぞれの基準と仕訳を解説します。

≫ 5月15日 ガス代の検針日

≫ 6月10日 クレジットカードにガス代5,000円の請求があった

※経費と認めるのを50%とした場合

≫ 6月30日 口座から4月16日~5月15日使用分の5,000円が引き落とされた

検針日基準の仕訳

検針日基準

検針日基準は、ガスの検針日に費用を認識する方法です。

検針日基準を使った仕訳は、次の通りです。なお、プライベートで使用したガス代は、事業主貸の勘定科目を使ってください。

5月15日 ガス代の検針日

借方貸方
水道光熱費 2,500未払金 2,500
借方貸方
事業主貸 2,500未払金 2,500

6月10日 クレジットカードにガス代5,000円の請求があった

特になし

6月30日 口座から4月16日~5月15日使用分の5,000円が引き落とされた

借方貸方
未払金 5,000普通預金 5,000

使用日基準の仕訳

使用日基準

使用日基準は、支払いがあったタイミングで費用を認識する方法です。

使用日基準を使った仕訳は、次の通りです。なお、プライベートで使用したガス代は、事業主貸の勘定科目を使ってください。

5月15日 ガス代の検針日

特になし

6月10日 クレジットカードにガス代5,000円の請求があった

特になし

6月30日 口座から4月16日~5月15日使用分の5,000円が引き落とされた

借方貸方
水道光熱費 2,500普通預金 2,500
借方貸方
事業主貸 2,500普通預金 2,500

【まとめ】ガス代の計算が不安なら記帳代行を頼ろう

ガス代は、水道光熱費の勘定科目で仕訳を切ります。

床面積を用いた​​専有率や労働時間を用いた使用率を使って、ガス代を事業で使った分とプライベートで使った分を分けてください。

飲食店などガスを頻繁に使う事業であれば、ガス代の経費は高くなりますが、ガスを使わない事業の場合、経費は低くなりがちです。

経費を多くするために専有率や使用率を大きくしたいところですが、割合は税務調査でもみられる場所なので、実態に応じた割合を使用するよう意識しましょう。

記帳代行お助けマンでは、税理士からも依頼がくる記帳代行サービスです。ガス代の考え方も熟知しているので、記帳代行を検討しているならご相談ください。