印鑑証明を取得したら、発行手数料の勘定科目は何にする?
仕訳をするときの注意点はある?

今回は、こちらの疑問にお答えします。

様々なシーンで必要な印鑑証明

個人・法人に関わらず、事務所や店舗の賃貸契約や金融機関からの融資の際に提出を求められることが多いです。

個人事業主や企業の経理担当者は、経理処理の仕方に迷うことがあるかもしれませんね。

印鑑証明の発行手数料はどのような勘定科目で計上すればいいのか、見ていきましょう。

印鑑証明の発行手数料の勘定科目は?

印鑑証明を発行した際にかかった手数料を処理するには、次の3つの勘定科目を使用します。

  1. 租税公課
  2. 支払手数料
  3. 雑費

印鑑証明は自治体などの窓口のほか、ウェブでも取得できる場合があり、どちらでも同じ勘定科目を使用することができます。

どれを使うべきかは必ずしも決まっていないので、個人や企業の状況に合わせて選んでください。

租税公課

租税公課

租税公課とは、国税や地方税、その付帯税などを処理する勘定科目です。

国税や地方税等の税金を意味する「租税」と、国や地方公共団体から課せられる交付金や会費などを意味する「公課」を合わせた勘定科目になっています。

租税公課の勘定科目を使用する主なものを、次に挙げてみます。

  • 事業税
  • 固定資産税
  • 自動車税
  • 印紙税

≫ 印鑑証明の発行手数料400円を現金で支払い、租税公課の勘定科目を使用して仕訳を行う場合は以下の通りです。

借方貸方
租税公課 400現金 400

支払手数料

支払手数料

支払手数料は、何らかの取引をした際に生じる手数料を処理するための勘定科目です。

印鑑証明を取得した対価としてお金を支払ったととらえれば、支払手数料と考えることができます。

支払手数料の勘定科目を使用する主なものを、次に挙げてみます。

  • 銀行の振込手数料
  • 不動産会社への仲介手数料
  • 代引き手数料
  • 証明書発行手数料

≫ 印鑑証明の発行手数料200円を現金で支払い、支払手数料の勘定科目を使用して仕訳を行う場合は以下の通りです。

借方貸方
支払手数料 200現金 200

雑費

雑費

雑費とは、一回当たりの出費が少額で、他のどの勘定科目にも該当しない支払いに対して使用する勘定科目です。さらに、年間を通しても少額で、重要性が低い費用に用います。

≫ 印鑑証明の発行手数料300円を現金で支払い、雑費の勘定科目を使用して仕訳を行う場合は以下の通りです。

借方貸方
雑費 300現金 300

印鑑証明の発行手数料を処理するときの注意点

印鑑証明書の発行手数料の仕訳をする際、上で紹介したどの勘定科目を使用しても問題はありませんが、注意点がいくつかあります。

以下に詳しく解説していきます。

印鑑証明の発行手数料は非課税取引

印鑑証明の取得に関する発行手数料には消費税はかからないため、非課税となります。

この場合、注意が必要なのは消費税を支払っている課税事業者の個人や企業です。

租税公課の勘定科目で処理をしている場合は、ほとんど問題ありません。

しかし、支払手数料や雑費で処理をしている場合、会計ソフトの設定で課税取引となっていることが多いので、消費税区分を忘れずに非課税にしましょう。

一度決めた勘定科目は継続して使用する

一度使用する勘定科目を決めたら、継続して使用しましょう。

会計には「処理の原則や手続きは毎期継続して適用し、みだりに変更してはならない」

(引用:関東信越税理士会)という継続性の原則があるからです。

勘定科目を度々変更してしまうと、正しい経営分析ができなくなってしまうだけでなく、外部の人に何かを隠ぺいしようとしている印象を与えてしまいます。

そのため、使用している勘定科目は、むやみに変更しないようにしましょう。

ただし、「雑費を使用していたが、金額が大きくなってきたので租税公課や支払手数料を使用する」などの、正当な理由があれば変更できます。

【まとめ】印鑑証明の発行手数料の勘定科目を正しく判断できるようになろう

印鑑証明の発行手数料を処理する際に使用できる勘定科目は、次の3つです。

使用できる勘定科目
  1. 租税公課
  2. 支払手数料
  3. 雑費

どの勘定科目を使用しても構いませんが、一度決めたら継続して使用してください。

また、支払手数料や雑費の勘定科目を使用する際は、消費税区分が非課税になっているか注意しましょう。

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