「お店や事務所を飾るための花や苗の料金は、どの勘定科目で仕訳すれば良いの?」
「お花代は社内用か社外用かによって使う勘定科目が変わるの?」
上記のような疑問・悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、お花代の勘定科目について分かりやすく解説しています。
この記事を読むことで、お花代を適切な仕訳で計上できるようになるでしょう。
ぜひとも参考にしていただければ幸いです。
お花代の勘定科目をケース別に紹介
お花代の勘定科目は社内か社外か、またその目的に応じても使用する勘定科目が変わってきます。
ここからは、お花代の勘定科目をケース別に紹介していきましょう。
また使う科目名は企業によって若干異なってくるため、そのことは理解しておいてください。
お店や事務所を飾るための花代は「消耗品費」か「事務用品費」
お店や事務所を飾るための花代は「消耗品費」か「事務用品費」で仕訳します。
お花は店や事務所の環境を維持する役割を担っていることから、消耗品として計上できます。
借方 | 貸方 |
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消耗品費 5,000円 | 現金 5,000円 |
また「事務用品費」として計上することも可能です。
コピー用紙や文房具と同様で、業務を維持するのに必要な費用と捉え、事務用品費で仕訳する企業も少なくありません。
会社のルールで決まっている勘定科目を使用すれば問題ないでしょう。
借方 | 貸方 |
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事務用品費 5,000円 | 現金 5,000円 |
自社の社員のためのお花代は「福利厚生費」
社員の退職用に手渡すお花代や、食堂や事務室に飾るお花代は「福利厚生費」で仕訳します。
社員のために提供するサービスであることから、福利厚生費で計上しましょう。
社員(自社内)に係るお花代は全て福利厚生費になります。
借方 | 貸方 |
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福利厚生費 10,000円 | 現金 10,000円 |
社外への贈答・慶弔関係で送るお花代は「交際費」
社外への贈答用や慶弔関連で送るお花は「交際費」扱いになります。
ポイントとしては「社内」か「社外」か、です。
得意先への贈答用のお花は下記のように仕訳すると良いでしょう。
借方 | 貸方 |
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接待交際費(贈答費) 20,000円 | 現金 20,000円 |
取引先の訃報を受け供花を送る場合や、出店祝いといった慶弔関連も「交際費」で仕訳します。
借方 | 貸方 |
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接待交際費(社外慶弔費) 20,000円 | 現金 20,000円 |
会社に贈答費や社外慶弔費の科目があれば、それで計上するのが望ましいですが、社外へのお花代は「接待交際費」でまとめて仕訳しても問題ありません。
なぜなら、贈答費や社外慶弔費で仕訳したとしても、税務上は交際費扱いになるからです。
あくまで会社の仕訳ルールに則った上で判断しましょう。
接待目的でのお花代も「交際費」になる
取引先・得意先に対する交際接待目的のお花代も、「交際費」として計上します。
何のために送ったのか「目的」がハッキリと分かるよう、摘要に詳細を記入しておくと良いでしょう。
借方 | 貸方 |
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接待交際費 30,000円 | 現金 30,000円 |
お花代を「雑費」で計上することも可能
お花代を社内・社外に限らず「雑費」として計上することも可能です。
雑費として計上する際は、社内or社外・目的は何か、一目で分かるようにしておきましょう。
分かりやすいように補助科目を使う方法もあります。
また雑費で仕訳しても税務上は交際費になるので、その点は留意しておきましょう。
借方 | 貸方 |
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雑費 社内用の花 2,000円 | 現金 2,000円 |
「交際費」は税務申告上で損金算入できる
税務申告処理において、中小企業は「交際費」を損金(費用)として算入(計上)できます。
年間上限800万円まで損金算入できますが、資本金が1億円以下かつ株式の一定割合を大企業に保有されていないことが条件です。
参照:No.5432 措置法上の中小法人及び中小企業者|国税庁 (nta.go.jp)
税務申告処理で経費として計上できることで、利益が減り、最終的に納める税金も減らせるといった節税効果を見込めます。
お花代の勘定科目は目的に応じて使い分けよう
この記事では、お花代の勘定科目について分かりやすく解説しました。
お花代は社内か社外か、またその目的に応じて適切な勘定科目を使う必要があります。
会社で仕訳ルールが定められているのなら、そのルールに基づいて仕訳しましょう。
また面倒な場合は一律「雑費」で仕訳するのもアリです。
その際は一目で社内か社外か、目的が何か把握できるよう摘要欄に記載しておくと良いでしょう。
この記事が少しでも参考になったなら幸いです。