メールで届いた領収書は有効?

メールの領収書に収入印紙は必要?

インターネットやメールでの取引が増え、領収書もメールでやりとりされるケースが多くなりました。

果たして、メールで受け取った領収書について、経費書類として有効なのでしょうか。

ここでは、収入印紙は必要なのかとお悩みの経営者や経理担当者の方に役立つポイントを解説します。

またメールの領収書を有効にするための記載方法や収入印紙の有無、保存の仕方を取り上げるので参考にしてください。

領収書はメールでも有効

メモ

メールで受け取る領収書も必要な項目が記載されていれば領収書として有効です。要件を満たせば、メールそのものが領収書と認められるケースもあります。

要件について、次に詳しく解説します。

領収書に必要な記載項目

メールに添付される領収書に必要な記載項目は、紙で発行されたものと同じです。

消費税法では、領収書に記載すべき項目を次の5つと規定しています。
  1. 発行者
  2. 日付
  3. ただし書や取引内容
  4. 金額
  5. 宛名

上記の項目が記載されていれば、メールで受け取る領収書も有効になります。

また発行者の押印は記載すべき項目には該当しないので、領収書に判子がなくてもかまいません。

メール本文は領収書にできる場合もある

メールに領収書を添付するのではなく、メール本文を領収書として取り扱うこともできます。

先ほどの領収書に記載すべき項目が、5つすべて書かれていれば領収書として有効です。

メールの領収書には収入印紙は不要

メールで領収書を受け取ったときに気になるのが、収入印紙です。

紙の領収書と違って、メールのような電子取引でやりとりされた文書には収入印紙は必要ありません。

収入印紙がなぜ不要なのか、国税庁の見解をもとに解説します。

国税庁の見解

領収書の収入印紙は発行者が、領収書の現物を交付したときに必要になります。

国税庁は次のように説明しています。

国税庁 印紙税の手引:PDF

金銭又は有価証券の受取書

金銭又は有価証券の引き渡しを受けた者が単にその受領事実を証明するために作成し、その引渡者に交付する証拠証書をいいます。

つまりメールで受け取った領収書は現物が交付されないため、収入印紙は必要ありません。

メールの領収書を印刷すると収入印紙が必要になる

ポイント

電子データの領収書に収入印紙は必要ありませんが、領収書データや領収書となるメールそのものを印刷してしまったら、現物が交付されたとみなされ収入印紙が必要になります。

経費の精算や帳簿のために紙で書類を保管している場合は、メールの領収書の保存方法に注意してください。

メールの領収書保管は電子帳簿保存法に注意

領収書などの会計帳票類の保管は、法律で決められています。

またメールなどの電子取引での書類は電子帳簿保存法によって、経費とするための保存方法が定められています。

メールで領収書を受け取ったあとの、保存の仕方も確認しておきましょう。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法(以下、電帳法)とは

電子帳簿保存法(以下、電帳法)とは、各税法で原則紙での保存が義務づけられている帳簿書類について、一定の要件を満たせば電子データによる保存を認めるという法律です。

一方で電子データで受け取った領収書などの取引情報は紙保存が禁止になり、データ保存が義務化されました。

したがって、領収書をメールで受け取った場合、電帳法が規定する要件を満たすデータでの保存が求められます。

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お問い合わせ

【令和6年1月から適用】電子取引データの保存要件

改正された電帳法により、令和6年1月から電子取引データの保存要件が適用されます。

電子データを保存する際は、次の3要件を満たす必要があります。
  1. 改ざん防止の措置をとる
  2. 「日付・金額・取引先」で検索できるようにする
  3. ディスプレイ・プリンタ等見読可能装置を備え付ける

電帳法対応のソフトやデバイスなどが市販され、各企業が電帳法対応に取り組んでいます。

制度の詳細は国税庁ホームページをご確認ください。

【まとめ】メールの領収書は収入印紙や保存方法に注意しよう

メールで受け取る領収書は、必要事項が記載されていれば有効です。また収入印紙はデータである限り必要ありません。

電帳法の改正にともない、データの領収書の保存要件にも注意しましょう。

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