休憩用スペースにコーヒーメーカーを置いた場合は経費にできるの?

自宅兼事務所にコーヒーメーカーを置いたけど経費になるの?

従業員の福利厚生やクライアントへコーヒーを提供するために、職場にコーヒーメーカーを設置する個人事業主が増えてきています。

では、コーヒーメーカーを置いた場合、そこにかかった支出は経費にできるのでしょうか?

今回は、コーヒーメーカーを設置した場合の経理処理について解説していきます。ぜひ参考にしてください。

なお、当記事では便宜上、コーヒーにかかった支出を「お茶代」とします。

【結論】コーヒーメーカーに関連する支出は経費にできる

コーヒーメーカーを職場に設置した場合、「消耗品費」として経費にできます。

仕訳は次の通りです。

借方貸方
消耗品費普通預金

現金で支払った場合、貸方は「現金」勘定で仕訳します。振込や引き落としで支払った場合は「普通預金」勘定で処理してください。

お茶代を経費にするための条件

コーヒーメーカーを置いている目的によって、その支出を経費にできるかが決まります。

たとえば、以下の目的であれば経費にしやすいです。

  • 従業員に福利厚生としてコーヒーを提供する目的
  • コーヒーをお客様との打ち合わせや接客で提供する目的

コーヒーを飲むことで従業員の作業効率が良くなったり、お客様との打ち合わせで契約につながることが考えられたりする場合は、経費にしても問題はないでしょう。

売上アップに関わる支出は、経費になりやすいことを覚えておいてください。

コーヒー粉を購入したときに使用する勘定科目

売上アップを考えコーヒーメーカーを使うなら、関連する支出であるコーヒー粉のような支出も経費として計上することができます。

ただ、利用目的によって使用する勘定科目は変わります。

ここでは目的別に、どういった勘定科目を使用するのが適切なのかを説明します。

福利厚生費|従業員にコーヒーを提供する場合(ミーティングなど)

個人事業主でも、従業員やアルバイトを雇っている方もいらっしゃることでしょう。

従業員とのミーティングの場でコーヒーを提供する場合や休憩スペースにコーヒーメーカーを置き、自由に飲める環境を作っている場合には、お茶代を「福利厚生費」として経費にするのが適切です。

接待交際費|お客様との打ち合わせでコーヒーを提供する場合

お客様との接待の場で飲み物を出す場合は、お茶代を「接待交際費」として経費にするのが適切です。

法人の場合は、接待交際費に上限があるのに対し、個人事業主は、接待交際費に上限はありません。

しかし、あまりに接待交際費が多いと税務署に目をつけられてしまうので、気をつけてください。

会議費|打ち合わせでコーヒーを提供する場合

お客様と綿密な打ち合わせをおこなうために、何度か仕事場に足を運んでいただくこともあり、その都度コーヒーを提供する場面も出てくるでしょう。

この場合はお茶代を「会議費」の勘定科目で処理するのが適切です。

個人事業主は自身のお茶代を経費にできない

気を付けなければいけないのは、個人事業主が個人で飲む場合のコーヒーです。

仕事場でコーヒーを1人で飲む場合、経費にすることはできません。これは、カフェなどで一人でお茶する場合も同じです。

ただ誤解のないように記載すると、お客様や従業員の打ち合わせなど、仕事に関してほかの人と関与すべきことがある場合は経費計上が可能です。

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【仕訳例あり】自宅兼事務所は按分の必要あり

仕事場が自宅兼事務所の場合、お茶代すべてを経費にできません。仕事以外でコーヒーメーカーを利用しているケースがあるためです。

そこで家事按分と呼ばれる方法を利用すれば、一部を経費に計上することができます。

家事按分とは

勤務日数などを基準にして、総支出のうち事業に使っている分とそうでない分を合理的に分ける方法です。

経費にできない分は「事業主貸」の勘定科目を使用して経費を分けてください。

たとえば、勤務日数を基準にする場合、月21日働いていたとして、以下の計算をすることで経費が算出できます。

1ヶ月のお茶代が9,300円の場合

チェック
  • 経費に計上可能な金額:9,300円×21日(勤務日数)÷31日(1ヶ月の日数)=6,300円
  • 経費にできない金額:9,300円×10日(非勤務日数)÷31日(1ヶ月の日数)=3,000円

それぞれの仕訳は、次の通りです。

経費に計上可能な分の仕訳

借方貸方
消耗品費 6,300普通預金 6,300

経費に計上可能な分の仕訳

借方貸方
事業主貸 3,000普通預金 3,000

コーヒーメーカーへの支出は経費になるかの判断が必要

個人事業主がコーヒーメーカーを職場に設置する場合、利用目的によって経費になるかの判断が必要です。

事業に関係する支出は経費として計上できますが、事業主本人だけが使っている場合は、経費にすることができません。

プライベートとしての支出か事業に影響する支出かを判断するのは、難しいところもあるため、勤務日数などの基準を見つけて家事按分をしてください。

接待交際費が飛びぬけて多額になっていたり、売上に対して経費が大きかったりなどの不審な点があると税務署の調査対象となる場合もあります。

そうなると追徴課税といった形で余計に税金を支払わされることもあるため、判断基準が難しい経費こそ、慎重に勘定科目を選ぶべきでしょう。

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