掃除機の購入金額は経費になる?
勘定科目はなにを使えばいい?
掃除機は高い買い物です。経費として計上できれば、それなりに税金の圧縮が期待できるでしょう。
ただ、掃除機は購入に際しての支出すべてを、経費にできるわけではありません。
今回は、掃除機を購入したときに経費にできる分とその仕訳方法を解説します。なお、ロボット掃除機も同じ取り扱いです。
掃除機は経費になる?
事務所や店舗など、事業用に使う掃除機を購入した支出分は経費になります。
事務所兼自宅のために家庭用の掃除機を購入した場合は、事業に使っている分は経費に参入できます。
掃除機の勘定科目と仕訳
掃除機の経理処理は購入金額によって、2つの勘定科目を使い分けます。
勘定科目を間違えると利益や税金計算に大きく影響するので、注意が必要です。
掃除機の勘定科目は消耗品費か工具器具備品
掃除機の勘定科目は、購入金額によって消耗品費か工具器具備品を使い分けます。
掃除機は備品だから工具器具備品を使うと考えてしまいがちですが、消耗品費の利用も可能です。
国税庁の消耗品費の説明をご確認ください
- 帳簿、文房具、用紙、包装紙、ガソリンなどの消耗品購入費
- 使用可能期間が1年未満か取得価額が10万円未満の什器備品の購入費
※取得価額が10万円未満であるかどうかは、税込経理方式又は税抜経理方式に応じ、その適用している方式により算定した金額によります。
などです。
掃除機の購入金額が10万円未満かどうか、使用可能期間が1年未満かどうかで勘定科目を決められます。
1年以上使うと仮定して、次では金額別に解説します。
購入金額が10万円未満
掃除機の購入金額が10万円未満の場合、勘定科目は消耗品費を使い、全額を一括で経費にできます。
掃除機を1万円で購入したときの仕訳は、以下のとおりです。
借方 | 貸方 |
---|---|
消耗品費 10,000 | 普通預金 10,000 |
購入金額が10万円以上
10万円以上の掃除機を購入した場合、原則は工具器具備品勘定を使って資産計上し、その後の決算時に減価償却をして償却期間(法定耐用年数:掃除機の場合6年)で少しずつ経費にしていきます。
掃除機を12万円で購入したときの仕訳を解説します。
≫購入したとき
借方 | 貸方 |
---|---|
工具器具備品 120,000 | 普通預金 120,000 |
≫決算時(解説のため掃除機を1年間使ったこととします)
借方 | 貸方 |
---|---|
減価償却費 20,000 | 工具器具備品 20,000 |
また一括償却資産や少額減価償却資産の特例という制度を、一定の条件で使うこともできます。この制度を使ったほうが節税になる事例もあります。
詳しく知りたい方は税理士や「記帳代行お助けマン」にご相談ください。ベテランのスタッフが記帳をしますので、仕訳に間違いがなく安心です。
自宅兼事務所で使用したら経費になる?
自宅兼事務所で使う掃除機には、もうひとつ注意するポイントがあります。それは事業用か私用かを、区別して経費計上しなければならないことです。
たとえば自宅50平米のマンションの8平米分を事務所にしている場合、掃除機の支出は8平米分しか経費にできません。
この場合、賃貸借契約書や重要事項説明書を領収書や計算書類と一緒に保管しておくことで、経費にした証明にできます。
このように事業用にどの程度使っているかを合理的に計算することで、購入金額の一部を経費とします。
こうした計算を家事按分(かじあんぶん)といい、使用方法を次で例を交えて説明します。
掃除機の経費按分方法
自宅兼事務所で同じ掃除機を使っているときは、購入金額を自宅分と事業分にわける必要があります。
掃除機を1万円で購入し、そのうち20%を事業用に使っている場合、仕訳は以下のようになります。
借方 | 貸方 |
---|---|
消耗品費 2,000 | 普通預金 10,000 |
事業主貸 8,000 |
計算が面倒であれば、事業用部分と自宅部分で使う掃除機を分けるとよいでしょう。こうした方法がとれれば、事業用に購入した掃除機をすべて経費にできます。
合理的な計算のための必要資料
掃除機の購入金額のうち事業用の経費を合理的に計算するためには、明確な根拠となる資料が必要です。
事業用の割合はその根拠資料をもとに事業形態に合わせて、自由に決めることができます。
自宅兼事務所の場合、私的な費用が経費として混ざりやすいので、税務署も特に注意して確認しています。
事業用経費の説明ができるように、根拠とした資料は大切に保管しましょう。
【まとめ】掃除機の経費は金額と使用方法に注意して仕訳する
掃除機の勘定科目は購入金額が10万円未満で消耗品費、10万円以上で工具器具備品を使います。
経費にできるのは事業用に使った分だけなので、自宅兼事務所の場合は家事按分に注意が必要です。
「記帳代行お助けマン」は経験豊富なスタッフが記帳しますので「仕訳が難しい」と感じたら、ぜひご相談ください。