段ボールを購入したときの勘定科目は、段ボールの使い方によって決まります。

また、段ボールの勘定科目と仕訳は、税務上で注意が必要です。

ここでは、保管用、商品発送用、書類発送用、そして決算期に在庫が残っていたときの勘定科目と仕訳、そして税務上の注意点などをお伝えします。

段ボールの勘定科目は使い方できめる

会社で段ボールを購入したときは、その使い方で勘定科目をきめます。

ポイント

まず、段ボールの使い方により、経費、もしくは資産として処理するかを判断します。

つぎに、経費、資産の勘定科目のなかで、どの勘定科目を使用するかきめます。

なお、段ボールを計上する勘定科目によっては、税金の額に影響し、記帳した金額が税務調査の対象になることがあるので、注意が必要です。

段ボールを経費として計上するときの勘定科目

書類の保管、商品の発送、書類の発送などの用途のとき、段ボールを経費として処理します。いずれも計上期の損金として処理できるのが特徴です。

ここでは、段ボールを経費として計上する方法を、段ボールの用途により3つに分け、そこで使用する勘定科目と仕訳についてお伝えします。

書類や備品を保管するときは「消耗品費」

書類や備品を保管するために段ボールを購入したときは「消耗品費」の勘定科目をつかいます。

現金1,000円で段ボールを購入し、書類や備品を保管したときの仕訳はつぎのとおりです。

借方貸方
消耗品費 1,000現金 1,000

  商品を発送するときは「荷造運賃」

商品をお客様に送るために段ボールを購入したときは「荷造運賃」の勘定科目をつかいます。

商品発送の付随費用のため発送運賃に含める必要があるからです。

現金1,000円で段ボールを購入し、商品を発送したときの仕訳はつぎのとおりです。

借方貸方
荷造運賃 1,000現金 1,000

書類を発送するときは「通信費」

書類を発送するために段ボールを購入したときは「通信費」の勘定科目を使います。

現金1,000円で段ボールを購入し、書類を発送したときの仕訳はつぎのとおりです。

借方貸方
通信費 1,000現金 1,000

段ボールを資産として計上するときの勘定科目   

先に段ボールを経費として処理するときの勘定科目をお伝えしました。

しかし、購入した段ボールが未使用のまま残っているときは、資産の勘定科目「貯蔵品」を使います。

ここでは「貯蔵品」の勘定科目をつかう理由と仕訳の例、そして税務上の注意点などをご紹介します。

そもそも「貯蔵品」とは?

そもそも「貯蔵品」とは

会社で購入した物品で使用せずに在庫として保管してあるものをいいます。

「貯蔵品」は資産の勘定科目で、切手や収入印紙、段ボールやガムテープなど、少量多品種であることが特徴です。

「貯蔵品」を記帳するときは、2つの方法がありますので、以下のとおりお伝えします。

購入するたび資産計上する方法

現金1,000円で段ボールを購入したときの仕訳はつぎのとおりです。

借方貸方
貯蔵品 1,000現金 1,000

この方法は使用のつど費用の科目に振り替えるため、事務処理が煩雑になります。

購入したとき費用計上し、残った分を資産計上する方法

現金1,000円で段ボールを購入し、月末に300円の段ボールが残っているときは、次の2つの仕訳により記帳します。

まず、購入したときの仕訳は次のとおりです。

借方貸方
消耗品費 1,000現金 1,000

次に、月末の仕訳は次のとおりです。

借方貸方
貯蔵品 300消耗品費 300

このように勘定科目を振り替えて処理します。

税務上の注意点

重要

購入した段ボールが決算期に保管場所に残っているとき、残数を資産計上していないと税務調査で指摘されることがあります。

記帳した段ボールの購入費用が、過大計上であると判断されるからです。

原則として、段ボールが決算期に残っているときは「貯蔵品」として資産計上しなければなりません。

しかし、毎年同じ量の段ボールを購入し、継続してつかうときは購入した年度に経費として計上できます。

ただし、通常より多くの段ボールを購入したときは「貯蔵品」として記帳する必要があります。

なお「貯蔵品」の勘定科目で記帳するときは、毎年継続して記帳しなければなりません。

【まとめ】                                           

段ボールを購入したときは、使う目的によって勘定科目を使い分ける必要があります。

まず、経費として処理するのか、資産として計上するのかを確認し、次に経費や資産などで該当する勘定科目をつかい記帳します。

メモ

段ボールを経費として処理する際は「消耗品費」「荷造経費」「通信費」などの勘定科目をつかい記帳します。

また、段ボールを資産として計上するときは「貯蔵品」の勘定科目をつかいます。

なお、決算期に段ボールが残っているときは注意が必要で、毎期同じ量をつかうときは経費として処理できます。

しかし、通常より多くの段ボールを購入し在庫があるときは「貯蔵品」の勘定科目により記帳し資産計上する必要があります。

このように段ボールの仕訳処理は税務調査の対象にもなるため、注意して記帳しましょう。