不動産を、借りたり買ったりした場合に発生する仲介手数料。
事業にかかる建物や土地にかかる仲介手数料であれば、経費として計上が可能です。
この記事では、仲介手数料の勘定科目について、仕訳例とともに解説していきます。
ぜひご参考くださいませ。
そもそも仲介手数料とは?
仲介手数料とは、不動産の売買や賃貸住宅の契約の際に、売主と買主、もしくは大家と借主との間に入って、意見の調整や契約業務を行う不動産会社に支払う手数料のことです。
「宅地建物取引業法」で定められている、不動産会社に対する報酬であり、支払うのは契約当事者。
ただし仲介手数料は、売買や賃貸借が成立したときの成功報酬なので、相談しただけや実際に契約が成立しなかったときには、払う必要はありません。
仲介手数料に相場というものはありませんが、宅地建物取引業法による上限額は定められているので、それを超える額を請求をされることはないです。
仲介手数料の勘定科目は?
仲介手数料の勘定科目は「賃貸」か「購入」によって異なるので、それぞれの違いをしっかりと確認しておきましょう。
賃貸:支払手数料 購入:取得価格に含めて資産計上 |
物件を借りたときの仲介手数料は「支払手数料」
たとえば新しく事務所や駐車場などを借りた場合に発生した仲介手数料は、「支払手数料」の勘定科目で仕訳処理。
<仕訳例>会社の事務所を移転することになり、新しい事務所を契約した。その際に発生した仲介手数料10万円は、振込をした
借方 | 貸方 |
---|---|
支払手数料 100,000 | 普通預金 100,000 |
なお賃貸の場合は、借りる側も貸す側も双方が、不動産会社に仲介手数料を支払うことがあります。
どちらであっても使う勘定科目は「支払手数料」となるので、覚えておきましょう。
なお個人事業主が自宅兼事務所を借りたときは、家事按分して事務所に該当する部分の仲介手数料のみを計上します。
<仕訳例>自宅兼事務所をして賃貸を借りた。その際に発生した仲介手数料10万円を振込した。なお賃貸の総面積は120m2であり、そのうち事務所の面積は30m2である。
按分する場合の計算
仲介手数料100,000円×(事務所の面積30m2÷総面積120m2)=25,000
借方 | 貸方 |
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支払手数料 25,000 | 普通預金 25,000 |
建物や土地を買った場合は取得価額に含める
新規事務所などのために、建物や土地を購入したときにかかる仲介手数料は、取得価額に含めて資産計上します。
<仕訳例>新しい事務所として建物を2,000万円で購入して、仲介手数料を90万円支払った
借方 | 貸方 |
---|---|
建物 20,900,000 | 普通預金 20,900,000 |
ただし、建物と土地を同時に購入したときは注意が必要。
それぞれを同じ不動産会社から購入したら、大抵の場合合算した金額で請求されます。
しかし「建物にかかる仲介手数料は減価償却費として費用計上が可能」なのに対して、土地は非減価償却資産のため、仲介手数料も費用として計上できません。
そのためそれぞれを区分して計上する必要があるのです。
仲介手数料は「賃貸」または「購入」でかわる
不動産会社に支払う仲介手数料は、賃貸であれば「支払手数料」、購入であれば「取得価格」に含めて処理します。
ただし建物と土地を合わせて購入した場合は、注意が必要。
建物は減価償却ができるので、仲介手数料も経費処理が可能ですが、土地は非減価償却資産なので、仲介手数料も経費処理ができません。
そのため合算して請求された仲介手数料は、建物と土地の分にわけて処理します。
このように仕訳業務は勘定科目を覚えるだけでなく、多くの知識が必要。
誤った勘定科目で仕訳をしてしまうと、経費の明確化が難しくなります。
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もうどの勘定科目を使うのが適切なのか、悩む必要がなくなりますよ。