入場料や入館料は、業務に関係するものであれば、経費として計上が可能です。
ただし入場料や入館料で使われる勘定科目は主に、「取材費」「福利厚生費」「接待交際費」「研修費」「広告宣伝費」など種類が多数。
この記事では入場料や入館料を経費で計上する場合に、どのようなケースであればどの勘定科目を利用すべきなのか、仕訳例とともに解説していきます。
入場料や入館料の仕訳で利用する5つの勘定科目
美術館や博物館、研修施設や展示会への参加、福利厚生の一貫で従業員で遠足にいった先での入館料など、業務にかかるものであれば経費として計上が必要です。
ただし利用する状況によって使う勘定科目が異なるので、次の5つの科目について詳しく見ていきましょう。
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①取材費
メディア関連の仕事であれば、入場料や入館料は「取材費」の勘定科目で仕訳をします。
たとえば雑誌や書籍の出版、新聞の記事などで必要な取材を行う際に、移動や施設への入場費用が該当。
デザイナーやクリエイティブな仕事をしている人が、作品作りのために情報収集した際にかかった費用も「取材費」で仕訳が可能です。
<例>取材として入館料300円の施設を利用した
借方 | 貸方 |
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取材費 300 | 現金 300 |
②福利厚生費
「福利厚生費」は、社内の人間関係を深める目的でレクリエーションを行った際にかかった費用を仕訳するのに用いる勘定科目です。
たとえば社員で野球観戦にいった際の球場への入場料や、BBQ大会を開催するために施設を利用した際の費用などが該当。
なお福利厚生費として計上するには、そのイベントに、社内の従業員がすべて自由に参加できることが条件となっています。
<例>社員旅行で博物館へ行き、10名分のチケット(1000円/1名)をまとめて現金で購入
借方 | 貸方 |
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福利厚生費 10,000 | 現金 10,000 |
③接待交際費
「接待交際費」の勘定科目は、取引先や仕入先などの相手に接待目的で飲食をしたり、贈り物をした際に用いる勘定科目です。
そのため接待目的で映画館や博物館などの入場料や入館料を支払ったり、チケットを購入した場合には「接待交際費」で仕訳します。
<例>接待目的で得意先と野球観戦した(入場料2,000円/チケット10,000円)
借方 | 貸方 |
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接待交際費 12,000 | 現金 12,000 |
④研修費
従業員のスキル向上や教育目的で研修施設を利用したり、業務に関連する展示会への入場料を支払った場合は、「研修費」を用いて仕訳します。
<例>新人研修のために、関連する展示会へ参加して5,000円を支払った
借方 | 貸方 |
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研修費 5,000 | 現金 5,000 |
⑤広告宣伝費
「宣伝広告費」は、自社の商品やサービスをアピールするためにかかる費用を仕訳する為に利用する勘定科目です。
入場料や入館料を宣伝広告費で計上するケースとは、たとえば自社のサービスを利用した特典として付けるための、美術館の入場料をまとめて購入した場合などは、宣伝広告費として計上します。
<例>利用特典として付与する美術館の入場チケットを100枚(1000円/1枚)をクレジットで購入した
借方 | 貸方 |
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宣伝広告費 100,000 | 仮払金 100,000 |
後日クレジットカードの利用料金が普通預金から引き落とされた
借方 | 貸方 |
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仮払金 100,000 | 普通預金 100,000 |
入場料や入館料を経費にできないケース
事業に関係する入場料や入館料であれば、目的別で勘定科目を使い分けて経費計上ができます。
しかし事業に関係ない利用での出費や、支払った証拠(領収書やチケットなど)を紛失してしまっては、経費計上できないので注意が必要です。
経費で計上する場合には必ず領収証やレシート、チケットの半券などを保管しておくようにしましょう。
入場料・入館料は目的によって勘定科目が異なる
入場料や入館料は、利用目的によって5つの勘定科目に分けられます。
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なお途中で勘定科目の仕訳原則の変更はできないため、自社で明確なルールを作っておくこと大切です。
しかし仕訳業務は覚える勘定科目が多くて、ルールを明確にしていても混乱してしまうケースがあるでしょう。
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