タイヤ交換費用は経費にできるの?

事業で車両を使っている場合、タイヤ交換は避けて通れないメンテナンスです。

「タイヤ交換費用はどの勘定科目にすればいいの?」


と迷った経験がある方も多いでしょう。

結論から言うと、タイヤ交換費用は経費として処理可能ですが、交換の内容や目的によって適切な勘定科目が変わります。

誤った処理をすると税務調査で指摘されるリスクもあるため、正しい会計処理を理解することが大切です。

タイヤ交換費用の主な勘定科目

タイヤ交換にかかる費用は、主に以下の勘定科目で処理されます。

  1. 修繕費
  2. 車両費
  3. 消耗品費
  4. 資本的支出(固定資産扱い)

それぞれの違いを具体的に見ていきましょう。

修繕費として処理するケース

定義

修繕費とは、資産の維持や原状回復のための支出を指します。
車両のタイヤ交換も、基本的には「修繕費」に該当することが多いです。

該当するケース

  • 摩耗したタイヤを新品に交換した場合
  • パンクなど損傷したタイヤを取り替えた場合
  • スタッドレスタイヤに履き替えるための作業費

仕訳例

借方:修繕費 20,000円
貸方:普通預金 20,000円

注意点

修繕費は資産価値を増加させない範囲での支出です。
性能向上や価値増加が伴う場合は、修繕費ではなく資本的支出になることもあります。

車両費として処理するケース

定義

車両費とは、車にかかる一般的な費用全般を処理するための科目です。
ガソリン代や高速道路代、洗車費用などと並んで利用されます。

該当するケース

  • タイヤのローテーション費用
  • タイヤの取り付け工賃のみ
  • 車検時に付随して発生したタイヤ交換費用

仕訳例

借方:車両費 5,000円
貸方:現金 5,000円

ポイント

タイヤ交換の「工賃」部分を切り分けて車両費に計上することも可能です。
タイヤ本体の購入費と工賃を分けると、会計処理がより正確になります。

消耗品費として処理するケース

定義

消耗品費は、使用可能期間がおおむね1年未満、または10万円未満の資産を購入した場合に用いられる科目です。

該当するケース

  • 10万円未満のタイヤを購入した場合
  • 使用期間が1年未満と見込まれる消耗的な利用の場合

仕訳例

借方:消耗品費 40,000円
貸方:普通預金 40,000円

ポイント

タイヤが比較的安価であり、短期間で使い切る場合には消耗品費として処理できます。
ただし、車両に装着して使用する資産であるため、修繕費と区別が曖昧になるケースも多いです。

資本的支出(固定資産扱い)になる場合

定義

資本的支出とは、資産の価値を増加させたり、耐用年数を延長させたりする支出を指します。
通常は固定資産として計上し、減価償却で処理します。

該当するケース

  • 高額な特殊タイヤ(例:高性能ランフラットタイヤ、オフロード用特殊タイヤなど)を購入
  • 耐用年数が長く、資産価値を大きく向上させるケース

仕訳例

借方:車両運搬具 150,000円
貸方:普通預金 150,000円

※ その後、法定耐用年数に基づき減価償却

注意点

通常のタイヤ交換では資本的支出になるケースは少なく、多くは修繕費や消耗品費で処理します。
ただし高額な場合は固定資産扱いになる可能性があるため、判断には慎重さが求められます。

スタッドレスタイヤの会計処理

冬用に必須のスタッドレスタイヤも、購入方法によって処理が変わります。

  • 新品購入(10万円未満) → 消耗品費
  • 新品購入(10万円以上) → 固定資産(車両付属設備として資産計上)
  • 夏タイヤから冬タイヤへの履き替え工賃 → 車両費
  • 消耗したスタッドレスを新品に交換 → 修繕費

法人と個人事業主での違い

法人と個人事業主では、タイヤ交換費用の扱いに大きな違いはありません。
いずれも業務使用分のみ経費計上可能です。

ただし個人事業主の場合、自家用車を兼用しているときには「事業割合」で按分する必要があります。
たとえば走行距離のうち60%が事業利用なら、タイヤ交換費用の60%だけを経費にできます。

タイヤ交換費用の消費税の扱い

タイヤ交換費用は、基本的に課税仕入れ(消費税控除対象)となります。

・領収書や請求書にインボイス番号が記載されていることを確認する
・工賃と本体代を分けて記録することで消費税申告がスムーズになる


会計処理の判断基準まとめ

ケース勘定科目ポイント
摩耗タイヤを新品に交換修繕費一般的には修繕費で処理
工賃のみ支払い車両費作業費は車両費が妥当
10万円未満の新品タイヤ購入消耗品費短期利用のため経費計上可
10万円以上・高性能タイヤ購入固定資産(資本的支出)減価償却が必要
スタッドレスタイヤ履き替え工賃車両費季節ごとの定期支出

税務調査で指摘されやすいポイント

タイヤ交換費用に関して、税務調査でよく見られるのは以下の点です。

①個人利用分まで全額経費にしていないか
②高額なタイヤを修繕費で処理していないか
③工賃と本体費用を適切に分けているか
④領収書に取引内容が明記されているか

特に個人事業主の場合、プライベート利用の割合を考慮しているかは重要です。

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「このタイヤ交換費用は修繕費?消耗品費?」
「高額なスタッドレスは固定資産扱いになる?」

こうした判断は、実務経験がなければ迷うポイントです。

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タイヤ交換費用だけでなく、車両関連の経費処理全般を正しく効率化したい方は、ぜひ一度ご相談ください。