△はどういう意味?
△を使うのはなぜ?
事業を始めたばかりの個人事業主の方や経理担当者のなかには、決算書にある「△」マークの意味がわからない人も多くいることでしょう。
「△」マークは決算書でよく見かける経理記号で、決算書を正しく読むためには同マークの理解が欠かせません。
当記事では、同マークの意味を解説します。
決算書(財務諸表)とは?
まずはじめに経理記号が使われる、決算書について簡単におさらいしておきましょう。
決算書は正式には財務諸表といい、事業の財務状況や利益、資金繰りなどの経営成績を表す書類です。
財務諸表の中でも「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」は財務三表と呼ばれ、この3つの書類で経営成績の全体像が把握できる仕組みになっています。
決算書があれば、融資や取引などをおこなう利害関係者に経営成績を伝えられます。したがって、事業を営むうえで正しい決算書を作る力と読む力は必須のスキルなのです。
財務諸表などに使われる「△」の意味
「△」マークを経理記号として使う場面は、主に3つあります。
それぞれ解説していきます。
①財務諸表
財務諸表では「△」マークはマイナスを意味します。
たとえば、最終利益が10万円の赤字だった場合、損益計算書の記載方法は次の2通りです。
- 当期純利益 100,000
- 当期純損失 △100,000
当期純利益のほうにはマイナス10万円と書かなければいけないので「△」を使って表現します。
②経理や会計業務
日々の請求書や納品書で使われる「△」マークもマイナスを意味します。
請求書などで「△」マークがあれば、値引きなどの処理がされていると判断できます。
③株価
新聞やWEBの株式欄でも「△」マークは使われています。
しかし財務諸表とは違う使い方です。後述の使い分けで詳しく解説します。
「△」と「▲」の使い分け
「△」マークと似た「▲」マークも使う場面があります。
それぞれ解説します。
財務諸表
財務諸表では「△」と「▲」は使い分けません。
どちらもマイナスを意味します。
経理や会計業務
日々の会計業務でも「△」と「▲」はマイナスを意味し、使い分けはしません。
株価
新聞やWEBの株式欄では「△」と「▲」を使い分けます。
新聞で「△」はプラス、「▲」はマイナスを意味し、WEBでは色は様々ですが、「▲」はプラス、「▼」をマイナスとするメディアが多いようです。
参考として、東京証券取引所では次のように説明しています。
東京証券取引所「株式ABC」:PDF
株式欄の見方
前日比(ぜんじつひ):前の日とその日の終値の比較。△はプラス、▲はマイナス
マイナス「△」の由来と世界基準
なぜ「△」マークがマイナスを表すようになったのでしょうか。実は「△」マークをマイナスとして使うのは日本だけです。
日本での由来と欧米の表記方法を解説します。
日本ではマイナスを「△」と表記する
マイナスとしての「△」マークの由来には諸説ありますが、使われ始めたのは大正時代といわれています。
当時の税務署が、「ー(マイナス)」と漢数字の「一(いち)」との混同防止や「ー(マイナス)」の偽造防止のため、「△」マークを使うよう指導したという説や、数学で差分の意味をもつ「Δ(デルタ)」が使われたという説があります。
欧米ではマイナスを「()」と表記する
欧米では決算書のマイナスは「()」で表します。
たとえば、−100,000は(100,000)と記載します。
日本ではなじみのない表記方法なので、欧米企業の決算書を見るときは注意が必要です。
【まとめ】経理記号を知って財務諸表を読む力をつけよう
決算書だけでなく日々の会計書類や株価など「△」マークを目にする機会は多いですが、マイナスとしての「△」マークは日本独自の経理記号です。
使い方自体は難しくはありません。覚えてさえいれば、使いこなせるでしょう。
ただ、覚えたからといって使いこなせるかは別問題です。「△」マークを使用する決算書の作成は日々の記帳が大切で、仕訳の段階で決算書のデキが決まるといっても過言ではありません。
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