セキュリティーソフトの更新料も消耗品費でいいの?

10万円を超える場合はどうすればいい?

顧客や個人の情報が漏洩しては困るため、業種によってはセキュリティーソフトを導入している個人事業主もいるのではないでしょうか。

ただ、セキュリティーソフトは値段によって、切るべき仕訳が異なります。

一口にセキュリティーソフトといっても、安価なサブスクモデルのものや買い切りの高価なものでは使用する勘定科目が違うからです。

値段によって変わる、セキュリティーソフト導入の仕訳が知りたい

そこで、当記事では導入するセキュリティーソフトの値段ごとの仕訳の切り方を紹介します。

具体的なセキュリティーソフトの名前をあげることもあるので、導入を検討しているソフトがあれば、参考にしてください。

セキュリティーソフトの仕訳が面倒だと感じるなら、記帳代行をおすすめします。プロが仕訳を切ってくれるため、本業により時間を割けるはずです。ぜひ利用を検討してください!

【結論】セキュリティーソフト導入の勘定科目は消耗品費

セキュリティーソフトの導入で、使用する勘定科目は消耗品費で、仕訳は次の通りです。

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消耗品費普通預金

セキュリティーソフトが10万円を超える場合

セキュリティーソフトの導入では、消耗品費の勘定科目を使用します。

しかし、セキュリティーソフトが買い切りで購入価格10万円を超え、1年以上使用できる場合はソフトウェアの勘定科目を使用する必要があります。

たとえば、20万円のセキュリティーソフトを購入した場合の仕訳は、次の通りです。

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ソフトウェア普通預金
チェック

なお、この仕訳を切らなければならない人は、セキュリティーソフト取得の合計額が300万円未満で、従業員の数が1,000人以下の場合です。

個人事業主でこの条件を超えることは稀ですが、留意はしておきましょう。

もし、ソフトウェアの勘定科目を使用した場合は、全額を減価償却費としてください。

重要

国税庁の「No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」によると、青色申告をしている個人事業主の場合でセキュリティーソフトの購入金額が30万円未満の場合は、一括償却資産として固定資産に計上した後、全額を減価償却費で経費にすることが可能だからです。

借方貸方
減価償却費ソフトウェア

消耗品費になるセキュリティーソフトのメーカー

セキュリティーソフトは個人事業主が使用する場合、大部分が消耗品費で計上されます。導入には、10万円もかからないからです。

消耗品費の勘定科目を使用するであろう、代表的な有料ソフトは次の通りです。

  • ノートン360  
  • マカフィーリブセーフ
  • ESETセキュリティソフト
  • ウイルスバスタークラウド
メモ

セキュリティーソフトの世界シェアNo.1のノートン360は、サブスクモデルで高価なプレミアでさえ税込7,980円(2023年5月20日現在)の価格です。

そのため、既存のパッケージソフトは多くが10万円未満で、消耗品費の勘定科目を使用することになります。

セキュリティーソフトの更新料は消耗品費

セキュリティーソフトの更新料は、消耗品費で仕訳ができます。

セキュリティーソフトの更新料には、3年間など長期間まとめて更新できるものもあります。

その場合、3年間分の更新料すべてを消耗品費にするのではなく、今年の期間だけを消耗品費として計上し、残りは前払費用の勘定科目を使用しましょう。

更新する際の仕訳を、例を用いて説明します。

  • 2022年1月20日   セキュリティーソフトの30,000円(3年間分)をまとめて支払った
  • 2022年12月31日 決算時に12ヶ月分10,000円を消耗品費に振替した
  • 2023年12月31日 決算時に10,000円を消耗品費に振替した
  • 2024年12月31日 決算時に10,000円を消耗品費に振替した
  • 2022年1月20日   セキュリティーソフトの30,000円(3年間分)をまとめて支払った
借方貸方
前払費用 30,000普通預金 30,000

2022年12月31日 決算時に12ヶ月分10,000円を消耗品費に振替した

借方貸方
消耗品費 10,000前払費用 10,000

2023年12月31日 決算時に10,000円を消耗品費に振替した

借方貸方
消耗品費 10,000前払費用 10,000

2024年12月31日 決算時に10,000円を消耗品費に振替した

借方貸方
消耗品費 10,000前払費用 10,000

【まとめ】セキュリティーソフトの利用料は消耗品費が大半

セキュリティーソフトはパッケージなどの既製品の場合、導入費用や更新料は高額にはなりません。かかっても10,000円程度です。

セキュリティーソフトを更新する際には、長期間契約した方が更新料が安くなる契約もあります。

その場合、3年間や5年間の更新料を一括で払う場面も出てくるでしょう。

その際は、当期(今年)に計上できる分は消耗品費を使用し、できない分は前払費用と呼ばれる勘定科目を使用してください。

セキュリティー対策ソフトの導入は、前払いで支払うこともあるため仕訳が煩雑(はんざつ)です。

前払費用であげた仕訳を1年後に消耗品費に振替しなければならず、その度に過去の帳簿を確認しなければならないからです。

間違いなく、本業にかける時間が圧迫されます。

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