事業を始めるにあたって、必要になるのが印鑑です。

ポイント

法人は、会社名や社長の名前の印鑑など多くあります。個人事業主の方でも、印鑑を複数使い分けている方もいれば、1つを使っている方もいます。

ただ、仕訳をする矢先、こんなことを思いませんか?

「100均のシャチハタと、ちょっと高い印鑑って、同じ勘定科目でいいのかな?」

「印鑑は文具になるけど、ペンとか消しゴムとは何か違う気がする…」

そこで今回は、印鑑代の勘定科目を解説し、個人事業主の印鑑はどう仕訳するのかご説明します。

印鑑の種類はどんなものがある?

印鑑は四角や丸など、色んな種類の印鑑がありますよね。

まず、一般的な知識として印鑑の種類を改めて整理しましょう。

実印

代表者実印・会社実印とも呼ばれます。こちらは、法人登記のときに登録する印鑑です。

契約など重要な書類に押印する際に使用します。

形状は丸型で、法人であれば円の外側に会社名、内側に役職名が入っています。

角印

正方形の印鑑で、会社名だけが刻まれています。領収書、請求書、社内文書に押印するときに使います。

公的に登録しないので、重要書類には押印しません。

銀行印

会社用の銀行口座を開設するときに、金融機関に届け出る印鑑です。

プライベートで銀行口座を開設するときに、シャチハタ以外の印鑑を届け出た経験はありませんか?

それと同様な感覚ですが、事業の場合は他の印鑑で使い回すと、紛失や盗難が発生したときに大変なので、銀行印を作るのが一般的です。

認印

実印以外のハンコを意味しますが、日常的に使用する印鑑で、郵便の受け取りや事務作業のときに使用します。

このようなケースはシャチハタで大丈夫ですが、市役所などの公的な届出のときにはシャチハタは使用できません。

ゴム印

長方形の形をしており、押す面がゴム素材の印鑑です。

会社名、住所、電話番号などが入っています。個人店や飲食店の手書き領収証に押されてある印鑑が、イメージしやすいです。

個人事業主の方だと、事業内容や規模で必要な印鑑の種類が変わってきます。

実印、認印は持っていた方がいいですが、そのほかは必要に応じて購入しましょう。

印鑑代の勘定科目の種類

印鑑代の勘定科目は、3つあります。

  1. 消耗品費
  2. 事務用品費
  3. 備品

消耗品費と事務用品費は費用になり、備品は資産になります。

ここで、こう疑問に思った方がいらっしゃると思います。

「どうして、費用と資産と2通り出てくるの?」

「消耗品費と事務用品費って、どう違うの?」

細かい勘定科目は、本当に私たちを混乱させます。ですが、印鑑代の費用と備品の区別はつきやすいので、安心してください。

印鑑代の勘定科目の使い分け

印鑑代の勘定科目である、消耗品費もしくは事務用品費と備品との区別は、金額で決まります。

その金額は10万円です。

10万円未満は消耗品費もしくは事務用品費、10万円以上だと備品の勘定科目を使います。「高価な印鑑は備品」という考えだと、区別がつきやすいです。

そして、消耗品費と事務用品費の使い分けですが、基本的には消耗品費を使用します。

ですが、消耗品費は日用品や文具など多くの雑貨を取り扱うため、何に使用したか細かく管理することができません。

そのようなときに、事務用品費の勘定科目を使うと便利です。

事務用品費は文具やデスク周りのもの、オフィス用品に関するもの限定で使用するので、何にどれくらい費やしたかを管理しやすくなります。

個人事業主の印鑑の勘定科目

ポイント

個人事業主の方は、どの種類の印鑑でも10万円未満であれば、消耗品費もしくは事務用品費の勘定科目を使用します。

細かく管理しなくてよければ、消耗品費で計上します。

ただこれは、事業を開始するために購入した印鑑に限ります。仕事ではなくプライベートで使うために購入した印鑑は、経費にはなりません。

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まとめ

個人事業主の印鑑代を仕訳する時は、どの種類の印鑑を購入しても10万円未満の場合は消耗品費もしくは事務用品費の勘定科目を使用します。

10万円以上だと備品扱いになりますが、高級な印鑑を購入しない限り10万円は越さないでしょう。

注意

プライベートで使う印鑑を購入したときは、経費計上できませんのでご注意ください。

印鑑代で、費用と資産の2通りの考え方があるのは、簿記の知識がないと分かりません。

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