法人および個人事業主は確定申告をすることで、納める税金や消費税の金額が確定。

しかし税金は、「中間納付」によって納税予定金額の半分を、事前に納付することがあります。

ただしあくまでも「予定」の金額に対する半分であるため、過剰に払い過ぎることも。

そして払い過ぎたお金は還付金として返還されるので、仕訳作業が必要になります。

この記事では、法人と個人事業主別に還付金の仕訳について解説していきます。

還付金とはなにか?

還付金とは、納税者が税務署に対して過剰に納めた税金が返還されるお金のことです。

税金の納税には、事業年度の開始日から6ヶ月を経過した日を基準にして、法人税が確定していない状態で申告し、予定額の半分を納税する「中間納付」という仕組みがあります。

中間納付は、確定申告した段階で支払い過ぎている分が還付される仕組み。

そのため先に払い過ぎているからといって、負担する税額が増える訳ではありません。

中間納付による還付金の、主な種類は次のとおり。

・消費税
・住民税
・法人税
・所得税

また還付金が発生するケースは、次のような状況が考えられます。

中間納付が確定納付額よりも多かった場合
預かった消費税よりも支払った消費税が多かった場合

還付金は法人・個人事業主関係なく発生するので、定義や種類についてしっかりと覚えておきましょう。

還付金に使える勘定科目一覧

還付金は主に次の3つの勘定科目が利用できます。

未収入金:中間納付の金額が確定額よりも多かった場合の還付金
雑収入:未収入金以外や還付加算金を受け取った場合
事業主借:個人事業主の所得税を事業用口座で受け取ったとき

それぞれの特徴を見ていきましょう。

中間納付額が確定額より多いときは【未収入金】

中間納付で納めた税金額が、確定申告で確定した税額よりも多く納付していた場合の還付金は「未収入金」の勘定科目で仕訳します。

預かった消費税よりも、支払った消費税のほうが多かった場合も同様です。

未収入金の勘定科目は、営業活動以外の取引による未回収の金額を仕訳するための勘定科目。

企業によっては「未収法人税等」「未収消費税等」といった勘定科目の場合もあるでしょう。

<仕訳例>中間納付で20万円を納付して「仮払法人税等」の勘定科目処理していたが、確定額は10万円であったため、還付金が10万円あるのがわかった

【決算時の処理】

借方貸方
法人税等  100,000     
未収入金  100,000
仮払法人税等  200,000  

【入金時の処理】

借方貸方
普通預金  100,000 未収入金  100,000

未収入金として計上していない還付金は【雑収入】

未収入金として計上していなかった還付金や還付加算金(納め過ぎによる還付金についた利息)を受け取った場合には、「雑収入」の勘定科目で仕訳します。

雑収入とは、本業とは直接関係のない収益のうち、他の勘定科目に分類されない収入を計上するために使う勘定科目です。

<仕訳例>法人税額の確定によって、10万円の還付金とその3%の還付加算金が入金された

借方貸方
普通預金  103,000 未収入金 100,000 
雑収入     3,000

個人事業主の所得税還付は【事業主借】

個人事業主が所得税の還付金を、事業用の口座で受け取る場合は「事業主借」の勘定科目で仕訳します。

事業主借の勘定科目は、事業費用とは関係のない支出や収入を仕訳する際に使うもの。

所得税の還付金は、事業主個人に返還されるお金であるため、プライベート用の口座で受け取る場合は仕訳の必要がありません。

<仕訳例>確定申告によって、所得税の還付が2万円あることがわかった

【決算時の処理】

借方貸方
未収入金  20,000  事業主借  20,000 

【入金時の処理】

借方貸方
普通預金  20,000  未収入金  20,000 

還付金の仕訳は主に3つの勘定科目を使う

還付金は主に、次の3つの勘定科目を使います。

未収入金:中間納付の金額が確定額よりも多かった場合の還付金
雑収入:未収入金以外や還付加算金を受け取った場合
事業主借:個人事業主の所得税を事業用口座で受け取ったとき

還付金は、確定して初めて発生するかどうかがわかります。

そのため仕訳時には中間納付時の勘定科目や金額をしっかりと確認して、適切な仕訳を心がけましょう。

しかし仕訳業務は覚えることも多く、専門的知識が必要です。

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