車両を所有している企業であれば、必ず発生するのが「駐車場代」です。

駐車場代は利用する目的によって勘定科目が異なります。

さらにケースによっては消費税がかからないこともあるので、経費計上するときには注意が必要です。

この記事ではコインパーキング・月極、2つのパターンを仕訳例とともに解説していきます。

駐車場代は利用目的によって勘定科目が変わる

駐車場はおもに「地代家賃」「旅費交通費」のどちらかの勘定科目を使って仕訳するのが一般的です。

それぞれについて詳しくみていきましょう。

地代家賃

地代家賃とは、土地や建物を借りたときに利用する勘定科目です。

駐車場代で「地代家賃」を用いて仕訳するのは、月極で駐車場を契約しているケースです。

例えば社用車を停めるために月極の駐車場を借りた場合、事務所や店舗の家賃と同様に毎月の固定費になるので、「地代家賃」を用いて仕訳をします。

<例>社用車を停めるに月極駐車場を契約して、毎月30,000円が引き落とされている

借方貸方
地代家賃  30,000   普通預金  30,000    

なお地代家賃と似たような勘定科目で「賃借料」がありますが、賃借料は重機のリースや会議のためにオフィスや物品を借りたときなどに用いる勘定科目です。

使い分けとしては、毎月固定費で発生するものは「地代家賃」必要なときにだけ発生するリース料金などは「賃借料」で処理すると覚えておくと良いでしょう。

旅費交通費

「旅費交通費」は駐車場のほかにも、ホテルなどの宿泊代、高速代や新幹線やバス代などを仕訳するために用いる勘定科目です。

そのため営業回りや出張でコインパーキングを利用した場合は、「旅費交通費」を使って仕訳します。

<例>営業先でコインパーキングを利用して1200円を利用した

借方貸方
旅費交通費  1200現金  1200   

ただしコインパーキングの料金がすべて旅費交通費になる訳ではなく、利用目的によって勘定科目が異なるケースがあるので注意しましょう。

詳しくは次を参考にしてみてください。

(次で説明する仕訳例では、駐車場料金1,000円を現金で支払ったものとしています)

コインパーキングの仕訳は注意が必要

コインパーキングは利用したときにだけ費用が発生するため、一般的には「旅費交通費」で仕訳します。

しかし利用目的によっては、「車両費」「研修費」「福利厚生費」「交際費」など勘定科目が異なるので、ケースに合わせた勘定科目で仕訳が必要です。

たとえば業務に関わる研修等で有料駐車場を利用した際の費用は、参加費や受講料と一緒に「研修費」で計上が可能。

借方貸方
研修費  1,000 現金 1,000    

福利厚生の一環で社員旅行にいったときに、コインパーキングを利用した際の料金は、出張ではないので「福利厚生費」として仕訳できます。

借方貸方
福利厚生費  1,000現金  1,000   

ただし社員旅行を福利厚生費として仕訳するには、「社員の50%以上が参加している」「4拍5日以内」「1人あたり10万〜15万以内」などの条件があるので、合わせて覚えておきましょう。

取引先や仕入先との会食やゴルフでコインパーキングを利用したした際には、飲食代やごフルプレー代と合わせて交際費として計上も可能。

借方貸方
交際費  1,000  現金  1,000   

企業によっては車両に関する費用をまとめて管理したいときに、コインパーキングの費用も「車両費」を用いて仕訳するケースもあります。

借方貸方
車両費  1,000 現金 1,000   

車両費は社有車を維持するためにかかる費用であり、ガソリン代や車検代、保険料や管理費なども該当します。

駐車場代の勘定科目は使い方を統一しよう

駐車場代は一般的にコインパーキングは「旅費交通費」、月極契約の駐車場は「地代家賃」で仕訳します。

しかしコインパーキングは利用目的によって勘定科目が異なるケースもあるので、注意が必要。

仕訳業務は「何のためにいくらを使ったのか」を意識してルール作りをすると、経費の管理がしやすくなります。

そのため社内で統一処理ができるように、マニュアルの完備がおすすめです。

しかし経理業務は日々多忙なため、マニュアルを整備する時間が無い、という企業も多いのではないでしょうか。

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