収支内訳書は全員が出す?
収支内訳書を出さないとどうなる?
確定申告では、収支内訳書も一緒に税務署に提出します。
しかし収支内訳書は申告する人全員に必要ではありません。
白色申告を選択している事業者や事業所得があるなど、決まった条件を満たしている人に提出が必要とされているからです。
当記事では、収支内訳書の提出義務のある人や収支内訳書を出さないと罰則があるのかを解説します。
収支内訳書とは
収支内訳書とは1月1日から12月31日までの期間で、売上などの総収入金額と仕入その他の必要経費をまとめた帳簿をもとに作成した書類です。
具体的には次の4種類があります。以下の所得がある人は、確定申告に収支内訳書を添付して提出する必要があります。
- 一般用・・・事業所得がある人
- 不動産所得用・・・不動産所得がある人
- 農業所得用・・・事業所得のうち農業所得がある人
- 山林所得用・・・山林所得がある人
ただ、確定申告で利用する制度や内容によっても、収支内訳書の提出義務がかわります。
次は、所得以外に収支内訳書を提出しなければならない人について解説します。
事業者によっては収支内訳書は不要
ここでは、収支内訳書を提出しなければならない事業者を解説します。
令和4年分の申告から変更された取り扱いもあるので、自身の申告内容と照らし合わせてご確認ください。
青色申告の事業者に収支内訳書は不要
青色申告制度を利用している事業者は、収支内訳書はいりません。そのかわり青色申告事業者には、貸借対照表と損益計算書の提出が必要です。
貸借対照表と損益計算書は、収支内訳書よりも高いレベルで記帳された帳簿をもとに作成する書類です。
一定の水準をクリアした正確な帳簿により申告するので、青色申告事業者にはさまざまな特典があり税制上優遇されています。
白色申告の事業者に収支内訳書は必要
青色申告を申請していない事業者は、白色申告事業者とよばれます。
白色申告事業者で事業所得、不動産所得、山林所得がある人は収支内訳書の提出が必要です。
【令和4年分申告から】雑所得の事業者に収支内訳書は必要
副業は業務に係る雑所得に区分されますが、業務に係る雑所得について令和4年分の確定申告(令和5年3月15日提出期限の申告)から一定の要件に該当する人に収支内訳書の提出が義務づけられました。
その要件は「申告する年の前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が1,000万円を超える人」です。提出義務を判断するのは、収入つまり売上であって、所得ではないことに注意しましょう。
たとえば令和4年分の確定申告をするときは、2年前の令和2年分の雑所得の売上が1,000万円を超えていれば、収支内訳書が必要になります。
副業でも年によって収支内訳書の提出が必要になる場合があるため、普段から売上と経費を記帳し帳簿を作成しておくことをおすすめします。
収支内訳書を提出しなくても罰則はない
収支内訳書を確定申告と一緒に出さなくても、罰則はありません。
宮崎民主商工会のホームページに次のような記事が載っています。
提出しなくても 申告は有効!
「収支内訳書」は、提出しなくても罰則はありません。「零細業者に過大な負担を押しつけない」との付帯決議を第一〇一国会・衆参大蔵委員会でおこなっています。税務署はこれまでも、「収支内訳書の未提出だと税額控除が受けられない」と思わせる文書を送付したこともありますが、国会で「今後こうしたことがないように万全の指導に努めたい」と答弁しています。
このように罰則はありませんが、正しい確定申告書を作るためには正しい帳簿が必要です。
帳簿があいまいだと、間違った計算による税金の払い過ぎや、税務調査が入ったときに追徴課税を受ける可能性もあります。
日々の取引を正しく記帳して収支内訳書を作成し、確定申告をするようにしましょう。
【まとめ】収支内訳書を正しく作成して確定申告しよう
収支内訳書の提出が必要なのは、事業所得、不動産所得、山林所得のある白色申告事業者です。また令和4年分確定申告から副業でも一定の要件に該当すると提出が求められます。
収支内訳書は提出をしなくても罰則はありませんが、正しい確定申告のために帳簿を作成して申告書と収支内訳書を提出することをおすすめします。
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