副業を推進する企業も増えてきている中で、輸入販売ビジネスに注目が集まっています。

ネットで海外から商品を輸入して、日本国内で販売。

人気商品のカテゴリーは多岐にわたるため、利益を得やすく個人でも始めやすいですが、海外との取引は日本国内での事業と異なる点が多いため、経費の計上に戸惑う人もいるのではないでしょうか。

この記事では、商品輸入時にかかる関税に着目して、勘定科目や仕訳例について解説していきます。

関税とは?

関税とは、外国から商品を輸入する際に政府が課す税金です。

法人税や所得税と同様に、国の財政収入として大切な役割を担っています。

関税の目的は国内産業を保護するため。

日本国内の商品よりも安い海外製品が主流となってしまっては、国内の市場競争に負けてしまい、国産商品産業が廃れてしまいます。

それを防ぐためにも、海外商品を国内に輸入する際に関税をかけて、市場価格を高くすることで、国内商品の価格とのバランスを調整しているのです。

関税の額は商品の種類や原産国によって異なり、関税率は各国の関税表(タリフ)に基づいて決定されます。

基本的な輸入の流れ

輸入の基本的な流れは以下の通りです。

  1. 輸入者が海外サイトから商品を選び注文
  2. 輸出国の相手が商品を船積みし、輸出手続きを行う
  3. 商品が輸入国に到着
  4. 通関手続きを行い、関税と輸入消費税を支払う
  5. 輸入許可通知書が交付
  6. 商品を受け取る

輸入で商品を購入した場合、上記の流れを経て自分の手元に届くのです。

次では、それぞれの段階での会計処理について詳しくみていきましょう。

輸入時の流れ別の仕訳処理

ここではそれぞれの流れ別に、会計処理の方法を解説していきます。

商品注文時

商品を注文した段階では、支払いもしておらず商品も手元にありません。

そのため特に会計処理は必要ないので、商品注文時は「仕訳なし」となります。

海外で商品が船積された時

注文した商品が船積された段階で、仕入の計上をします。

国内商品を購入した場合は、一般的には商品が手元に届いたときに仕入計上をします。

しかし輸出では、原則国内取引よりも早い段階で仕入計上。

なぜなら会計上では、「製品の所有に伴うリスクと経済価値が移転したときに仕入計上を行う」とされており、輸入ビジネスではそれが「船積のとき」と考えられているのです。

<仕訳例>100,000円で購入した商品が船積された

借方貸方
仕入  100,000 買掛金  100,000 

輸入通関時

輸入通関時には税関に関税と消費税を納付して、輸入の許可を得る手続きが必要です。

関税は仕入に含むことができますが、消費税は資産の仮勘定で計上します。

<仕訳例>税関に関税および消費税を90,000円支払った

借方貸方
仕入(※税関)  50,000
仮払消費税等   40,000
買掛金  90,000    

支払い時

通関手続きが完了して輸入許可通知書が交付されると、いよいよ商品が配達されます。

商品が届いて代金を支払ったときには次のような仕訳をしますが、事前に関税と消費税を支払っているので、船積で計上した商品代金と通関時に支払った買掛金の振替処理です。

<仕訳例>100,000円で購入した商品が届いたので、代金と振込で支払った

借方貸方
買掛金  190,000 普通預金  190,000

輸入ビジネスの流れを知ろう

近年注目を集めている輸入販売ビジネス。

国内取引と違い、仕入計上は船積の段階、そして輸入通関時に関税を支払って、商品が届いたときに、買掛金の精算をするといった流れとなります。

このように特殊な記帳業務も、記帳業務のプロ記帳代行お助けマンにお任せいただければ、もう迷う必要がありません。

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