幼稚園の会計って、国や自治体からの入金があったり
どうやって処理をしたらいいか難しい…!
どうしたらいいか教えてほしい!
今回は幼稚園の会計処理についてお話していきたいと思います。
特殊な法人である幼稚園は「普通の会計処理」とは異なるところが多々あります。
一般的な会計基準とはどこが違うのでしょうか。
幼稚園の法人形態にはいくつか種類がありますが、今回は「中規模な社会福祉法人の幼稚園」に関するポイントを紹介していきます。ぜひご覧になってください。
幼稚園の記帳代行 3つのポイントとは?
社会福祉法人の会計基準
社会福祉法人は非営利の公益法人を指します。そのため法人税が実質かかりませんし、様々な優遇措置があります。
しかしその一方で、情報公開を目的とした「社会福祉法人会計基準」が定められています。
一般的な会計基準とは様々な違いがありますが、主に以下の2つが挙げられます。
会計単位
一般的な会計基準ですと、部門別で処理したり本支店会計を使用したりしても、ある一定の企業グループは法人全体として決算を組まないといけません。
対して、「社会福祉法人会計基準」ですと、「事業区分」ごと、「拠点区分」ごと、「サービス区分」ごとに処理する必要があって、かつ法人全体で処理をしなければならないため、非常に処理量が多くなります。
計算書類
一般的な会計基準ですと、決算書類として「貸借対照表」、「損益計算書」、「株主資本等変動計算書」、「個別注記表」が必要になってきます。
対して幼稚園の会計は、社会福祉法人会計基準だと、「貸借対照表」、「資金収支計算書」、「事業活動計算書」が必要になってきます。
以下で「資金収支計算書」と「事業活動計算書」を説明します。
毎会計年度における支払資金の収入及び支出の内容を明らかにするために作成する計算書です。
キャッシュフロー計算書に似たような計算書類になりますが、「資金収支計算書」で言うところの「支払資金の収入及び支出」とは、流動資産から流動負債(1年内返済予定長期借入金・引当金を除く)を指します。
とは言え、流動資産と流動負債のみを記載するのではなくて、「施設整備等による収支」という欄が設けられていて、固定資産に関わる収支を記載しなければなりません。
一般的な会計基準では計算書類として求められていないキャッシュフロー計算書が、「社会福祉法人会計基準」では、公益性の高い会計基準から予算統制も必要になってきているために必須になっています。
毎会計年度における事業活動における収入と支出の内容、及びその均衡状態を明らかにする計算書類で、一般的な会計基準での「損益計算書」に該当します。
「損益計算書」での「経常損益」が「経常収支差額」、「当期純利益」が「基本金組入前当年度収支差額」になっていて、全ての項目が「差額」になっています。
これは社会福祉法人が一般企業のように利益を追求していることを目的としていない点にあります。
上記で説明して通り、幼稚園では法人税がかからない点からも分かります。
売上の分類がたくさんある
通常の会社だと「売上」が名称は違えど、一本のところが多いでしょう。しかし幼稚園では下記のように、細かく分けないといけません。
- 委託費収益
- 補助金事業収益(公費)(一般)
- 受託金事業収益(公費)(一般)
- 受入研修費収益
- 利用者等利用料収益(公費)(一般)
委託することで売上を計上するもの以外に、幼稚園が地方自治体から「受託」したものなのか、「補助金」として給付されたものなのかを区別しなければなりません。
この処理は入金された場所からの「通知書」を確認することで検討をつけることができますが、経験を積まないと区別することが難しい処理になっています。
そのうえで、国に属する公的な入金である「公費」か、保護者からの一般的に入金されるものかも区分する必要があります。
また、上記の収益とは別に「寄付金」として受け取った額が収益として上がります。
この「寄付金」ですが、どこから入ったか分からないように計上ができることから、不正行為がしやすい項目になっています。
そのため、「寄付金台帳」というものを作成しておく必要があります。
あまりにも大きい金額が入金されている場合は、一般的な税務調査でも多い手法である「反面調査」が行われる可能性が出てきます。
「反面調査」は入金した側を調査するもので、もし実態のないところだったら不正受給として取り扱われます。
悪意がなくて分からずに処理した場合も、このような事態になることがありますので、注意が必要です。
社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関して
社会福祉法人会計基準はよく改正が行われます。上記の「会計処理等に関する運用上の取り扱いについて」及び「会計処理に関する運用上の留意事項」は、元々制定されておりましたが、平成31年4月1日で一部改正されています。
いくつかピックアップしますと、
社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の取り扱いについての一部改正
- 重要性が乏しいリース取引に関しては、注記の必要がなくなった
- 国庫補助金等特別積立金取崩額が、就労支援事業の控除項目に含まれ、法人単位事業活動計算書に表示されない額がある場合には、取崩の事由に別掲して計上し、法人単位貸借対照表と一致するように作成すること。
- 「資金収支計算書」の「事業活動による収支」の「支出項目」に「就労支援事業製造原価支出」と「就労支援事業仕入支出」が追加された
社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する留意事項について一部改正
- 貸借対照表の記載について、「税効果会計を適用する場合に生じる繰延税金資産及び繰延税金負債は、その発生原因に関連した資産・負債の分類又は将来における税効果の実現する時期が貸借対照表日の翌日から起算して1年以内か否かにより、」の文章が抹消されたことにより、全ての税効果会計について記載がもとめられるようになった
上記のように、社会福祉法人会計基準の改正が行われるため、もし該当の取引があった場合そのままの処理をしていると会計基準に反することになってしまいます。
社会福祉法人全てに通知が行くわけでもなく、ご自身で把握しておかないといけないため、非常に煩雑な内容になっています。
また、例で示した文章は一部、法文を噛み砕いて説明していますが、改正の分をそのまま読むとよくわからないことは多々あります。法律を読み慣れていないと、理解することはなかなか難しいです。
【まとめ】幼稚園の記帳代行は記帳代行お助けマンへお任せください
幼稚園の記帳代行のポイントについて解説しました。
ただでさえ一般的な会計基準とは違います。
細かくやりとりを把握しないといけませんし、経験による処理が求められることがある上、社会福祉法人会計基準は年々に変化があって、しっかりとした情報収集が求められます。
対応が出来ていないと、故意でなくても基準に違反した会計処理をしてしまうことも考えられるでしょう。
しかし、そこまで記帳に時間をかけることは難しいでしょう。本業に支障が出たら元も子もありません。
そのため、経理をどうするか判断が難しいところです。
ひとつの案として、経理を雇うのではなくコストパフォーマンスにも優れている記帳代行を使うのも一つです。
「記帳代行お助けマン」のスタッフでしたら、経験が豊富な方がたくさん在籍されているため、安心して記帳代行をお願いすることが出来ます。
ぜひご検討ください。