はじめに|証券口座の預け金って何?

法人や個人事業主が証券口座を開設するとき、「預け金」「証拠金」「保証金」など聞き慣れない勘定科目が登場します。

これらの正しい仕訳処理を理解していないと、決算書の信頼性低下や税務調査時の指摘リスクにつながります。

この記事では、証券口座の預け金の意味から、勘定科目、仕訳例、税務上の注意点まで徹底解説します。

証券口座の預け金とは?

証券口座の預け金は、取引開始前に証券会社へ預けるお金です。

株式投資:購入資金として預ける
信用取引:担保として証拠金を預ける
FX取引:レバレッジ取引の証拠金として預託

つまり、証券口座の預け金は「会社の資産」ですが、銀行預金とは別管理されるため、経理上は流動資産の預け金科目または保証金科目で仕訳するのが一般的です。

勘定科目はどうする?

証券口座への入金は以下のように処理します。

預け金(流動資産)
証券会社への入金(株式購入前の段階など)

保証金(流動資産または投資その他の資産)
信用取引やFX取引の証拠金

有価証券(流動資産または投資有価証券)
実際に株式や投資信託を購入した際

会計処理で最も重要なのは、費用計上ではなく資産振替で処理することです。


仕訳例|株式購入までの流れ

証券口座に入金したとき

借方貸方摘要
預け金普通預金証券口座入金

これは銀行から証券会社へお金を移動しただけなので、費用ではなく資産振替となります。

株式を購入したとき

借方貸方摘要
有価証券預け金株式購入

株式を購入した時点で、預け金から有価証券へ振替処理します。

仕訳例|信用取引やFX証拠金の場合

信用取引やFX口座で取引を始めるためには証拠金(保証金)を預けます。

借方貸方摘要
保証金普通預金証拠金預託

取引終了後に返還されるため、費用計上せず資産計上するのが原則です。

税務上の注意点

有価証券評価損益の計上
決算時に時価評価が必要な場合は評価損益を計上します(金融商品会計基準を適用する場合)。

配当金や利息の処理
受取配当金や分配金は営業外収益に計上します。

譲渡損益の処理
売却時は譲渡損益を計上し、法人税や所得税計算に影響します。

よくある間違い

・証券口座入金を経費計上してしまう → 預け金処理が正解。
・株式購入を支払手数料扱いにしてしまう → 有価証券として資産計上。
・証拠金を費用計上してしまう → 保証金(資産)で計上。

証券口座の預け金や保証金処理を誤ると、資産計上漏れや費用過大計上につながり、税務調査リスクや財務内容の誤認を招きます。

特に法人の場合、投資運用状況を正確に把握するためにも、証券口座の仕訳は正確性が求められます

記帳代行お助けマン|証券口座仕訳も経理のプロにお任せ!

「証券口座の仕訳がわからない…」
「証拠金処理や株式売却益の税務計算が不安…」

そんなお悩みは、記帳代行お助けマンにお任せください。

・証券口座の預け金仕訳
・有価証券評価損益処理
・譲渡損益計算
・税理士監修の決算仕訳

経理と税務を熟知したプロが一括サポートいたします。
投資を行う経営者や法人担当者様は、本業に集中できる経理体制を今すぐ構築しませんか?