はじめに

「確定申告で通帳の写しを求められたけど、どこまで必要?」
「手書きの明細やネットバンキング画面でも大丈夫?」
「そもそも通帳以外に、何を用意すればいいの?」

毎年の確定申告では、多くの方が“書類準備”でつまずきます。
特に、ネット銀行利用者やキャッシュレス決済が多い人にとっては、「通帳のコピー」よりも“取引データの整理”が重要になっています。

この記事では、確定申告に必要な書類を種類別に整理しながら、
「通帳の写しはどこまで必要なのか」「効率的な準備の仕方」について詳しく解説します。

通帳の写しは必要?提出が求められるケースとは

基本的には「提出不要」

個人事業主やフリーランスの確定申告では、通帳の写し自体を税務署に提出する義務はありません。
税務署が求めるのは「申告内容の裏付け資料」ですが、通帳はあくまで自分の帳簿作成や説明のために用意しておく資料です。

つまり、確定申告書を提出する際に通帳コピーを添付する必要は基本的にありません。

ただし「提示・提出を求められる」こともある

以下のような場合には、税務署や金融機関から通帳の写しを求められることがあります。

  • 所得内容について税務署から照会を受けた場合(税務調査・確認)
  • 還付申告を行い、還付先口座の確認が必要な場合
  • 融資や補助金の申請で「事業口座の証明」が求められた場合

この場合は、該当部分(入出金があるページ)の写しを提出すれば十分です。
全ページを提出する必要はありません。

通帳を提出しなくてもよい理由

税務署が確認したいのは、「申告した収入・経費が実際の取引に基づくものかどうか」です。
それを証明する書類としては、通帳のほかに次のものがあれば十分です。

  • 売上に関する請求書・領収書・入金データ
  • 経費に関する領収書・クレジット明細
  • 会計ソフト(マネーフォワード、freee、弥生など)で作成した帳簿

つまり、通帳は「補足的な確認資料」であり、正式な提出書類ではありません。

通帳の写しを用意するときのポイント

必要に応じて通帳のコピーを提出する場合は、以下の点に注意しましょう。

  1. 該当期間のみコピー
     確定申告の対象年度(例:2024年分なら1月~12月)だけでOK。
  2. 関係するページのみ提出
     入出金のないページや私的な取引が多いページは省略可能。
  3. ネット銀行はPDF出力でOK
     楽天銀行、住信SBI、PayPay銀行などは、Web明細をPDF保存・印刷すれば通帳の代替として認められます。
  4. 個人用と事業用を分ける
     プライベートと事業用を同一口座で使っていると、仕訳が煩雑になります。
     来年以降は、事業専用口座を1つ作るのが理想です。

確定申告に必要な書類一覧(個人事業主・副業・会社員)

確定申告に必要な書類は、申告内容によって異なります。
ここでは、代表的なケース別に整理します。

① 個人事業主・フリーランスの場合

書類名内容・入手先
確定申告書B国税庁HP・e-Taxで作成
青色申告決算書 or 収支内訳書売上・経費・利益を記載
請求書・領収書売上・経費の証明
通帳・入出金明細売上入金・経費支払の記録
クレジットカード明細経費支払いの証拠
マイナンバーカード本人確認書類
各種控除証明書(生命保険・国保・年金など)税額控除に必要
開業届(初回のみ)事業開始時に提出済みでOK

② 給与所得+副業(ネット販売・アフィリエイトなど)

書類名内容・入手先
源泉徴収票勤務先から受領
副業収入の明細・入金履歴Payoneer、楽天、Amazonなど
経費の領収書・明細取材費・通信費など
通帳・決済口座明細副業入出金の確認用
控除証明書(生命保険・医療費など)各保険会社・医療機関

※副業で年間20万円を超える所得がある場合は、確定申告が必要です。

③ 給与所得のみで医療費控除・住宅ローン控除を受ける場合

書類名内容・入手先
源泉徴収票勤務先
医療費控除明細書医療費集計フォームから作成
領収書(医療費・薬局など)病院・薬局
寄附金受領証明書ふるさと納税など
住宅借入金等特別控除証明書金融機関・税務署
マイナンバーカード・口座番号還付金振込先として必要

このように、ケースごとに求められる資料は異なります。
通帳は「入金・還付確認用」程度の補助資料として考えましょう。

通帳の代わりに使えるデータ・資料

最近では、電子明細の活用が主流です。
通帳をコピーせずに、次のようなデータを保存しておけば問題ありません。

  • ネット銀行の「取引履歴PDF」
  • クレジットカードの利用明細(CSV・PDF)
  • スマホ決済(PayPay・楽天ペイなど)の履歴画面
  • 会計ソフトに自動連携された明細データ

これらのデータを保存・バックアップしておくことで、税務調査時にも根拠資料として提出可能です。

通帳と帳簿の突き合わせが重要!

提出義務はなくても、通帳と帳簿の整合性を保つことが大切です。
税務署がチェックするポイントは、
「帳簿に記載された収入と通帳の入金履歴が一致しているか」。

たとえば、

  • 売上の一部を入金日でずらして記録している
  • 経費支払いを“現金扱い”にしているが実際は口座振込だった
    といったズレがあると、意図的な所得隠しとみなされるリスクがあります。

そのため、会計ソフトと通帳明細を自動連携し、入出金の自動仕訳を設定しておくのがおすすめです。

事前準備をスムーズにする3つのコツ

① 取引口座を事業専用にする

プライベートと事業の入出金を分けるだけで、確定申告の手間が半分になります。
副業収入専用のネット銀行(例:楽天銀行、GMOあおぞら、住信SBI)を開設しておくと便利です。

② 明細を毎月保存しておく

確定申告直前に1年分を集めるのは大変です。
毎月末に「通帳・明細をPDF保存」しておく習慣をつけるだけで、準備が圧倒的にラクになります。

③ クラウド会計で自動連携

マネーフォワードやfreeeなどを使えば、通帳・クレジット明細・請求書が自動で帳簿化されます。
紙の通帳をコピーする必要もなく、経理作業がほぼゼロになります。

まとめ:通帳は提出不要でも「帳簿との一致」が命!

  • 通帳の写しは基本的に提出不要。税務署から求められた場合のみ提示。
  • 事業用の入出金を確認するため、自分で通帳を保管・整理しておく。
  • ネット銀行の場合はPDF出力やCSV保存で代替可能。
  • 通帳・帳簿・領収書の整合性が最重要。
  • 電帳法対応で、電子データ保存も合法的に認められる。

「通帳を出さなきゃ」と焦るよりも、“整った帳簿”を出せるかどうかが確定申告の本質です。

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