町内会費は経費になるの?

会社や事務所を構えていると、地域の自治会や町内会から「町内会費」や「協力費」を請求されることがあります。
事業を営んでいる方からすると、

「この町内会費は経費にできるのか?」
「勘定科目は何を選べばいいのか?」
と迷うケースが少なくありません。
結論から言うと、業務に関連する支出であれば町内会費は経費に計上可能です。
ただし、性質によっては経費にできない場合や、勘定科目の使い分けが必要な場合があります。
正しい処理を行うためには、まず町内会費の性質を理解することが大切です。
町内会費の性質を理解する

町内会費と一口に言っても、その中身はさまざまです。たとえば、
地域の清掃活動や防災対策のための費用
地域行事(夏祭りや防災訓練)への協力金
公共施設(集会所、公園など)の維持管理費
こうした支出は「地域社会との関係維持」を目的とした性質を持っています。
事務所や店舗を構えている事業者にとって、地域社会とのつながりは業務上必要とされることも多いため、経費に計上することが認められるケースが一般的です。
町内会費で使える勘定科目

町内会費の処理に使える勘定科目は複数あり、内容や性質に応じて使い分けます。
雑費
最も多く使われるのが「雑費」です。
町内会費は明確にどの費用に該当するか区別しにくいため、一般的には雑費として処理するのが無難です。
仕訳例
借方:雑費 10,000円
貸方:現金 10,000円
交際費
町内会費の中には、地域の行事や祭りへの協力金的な性質を持つものもあります。
その場合は、交際費として処理するのが適切です。特に法人の場合、交際費は損金算入限度額があるため注意が必要です。
仕訳例
借方:交際費 20,000円
貸方:普通預金 20,000円
寄附金
町内会費が実質的に「寄附」と判断される場合は、寄附金として処理する必要があります。
ただし、寄附金は損金算入限度額の制限があるため、法人税の計算上は全額が経費にならない点に注意が必要です。
仕訳例
借方:寄附金 30,000円
貸方:現金 30,000円
個人事業主の町内会費の扱い

個人事業主の場合、町内会費を経費にできるかどうかは「事業用かどうか」で判断されます。
・事務所兼自宅で支払う町内会費 → 事業割合で按分
・事業専用の事務所・店舗にかかる町内会費 → 全額経費計上可能
・完全にプライベートな自宅分 → 経費にできない
例えば、自宅の面積の50%を事業用として使用している場合、町内会費が年12,000円なら、その半分の6,000円を経費にできます。
仕訳例
借方:雑費 6,000円
貸方:普通預金 12,000円
(残り6,000円は家事按分として経費計上せず)
法人の町内会費の扱い

法人の場合は、地域との関係維持が業務上必要と認められるため、町内会費は経費にできるケースがほとんどです。
ただし、以下の区分に注意する必要があります。
・明らかに業務関連(地域清掃、防犯、防災など) → 雑費
・地域行事や祭り協賛金 → 交際費
・寄附の性質が強いもの → 寄附金(損金算入制限あり)
税務上の注意点

税務署は町内会費を「本当に業務に必要な支出かどうか」をチェックします。次の点に注意しましょう。
- 領収書を必ず保存
町内会や自治会からの領収書や会計報告書は証拠として必須です。 - 勘定科目を統一
毎回「雑費」にしたり「交際費」にしたりと科目がバラバラだと不自然に見えるため、社内でルールを決めて継続的に処理することが重要です。 - 寄附金扱いになると制限あり
法人の寄附金には損金算入限度額があります。もし寄附金と判断される場合は全額経費にならないため、税額計算に注意が必要です。
まとめ:町内会費は性質を見極めて処理しよう

町内会費は、地域社会との関係維持や事業活動を円滑に進めるために必要な費用として、基本的には経費計上できます。
しかし、その性質によって「雑費」「交際費」「寄附金」と勘定科目が変わる点には注意が必要です。
個人事業主の場合は事業割合で按分するルールを守り、法人の場合は寄附金に該当しないかを慎重に見極めましょう。
領収書や会計報告をきちんと保存し、一貫性のある処理を行うことで、税務調査でも安心できる会計処理になります。
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