はじめに|経営者の健康診断費用、経費になる?

会社を経営していると、自分自身の健康管理は非常に重要です。
特に一人社長として日々の業務に追われる中で、年に一度の人間ドックを受ける方も多いでしょう。

「この費用って会社の経費になるの?」
「福利厚生費?それとも給与扱い?」

と疑問を持つ方も多いはず。

この記事では、一人社長が受ける人間ドックの取り扱いと、正しい勘定科目・税務上の注意点をわかりやすく解説します。

一人社長の人間ドック|結論から言うと経費にはならないケースが多い

まず結論から。
原則として、一人社長が受ける人間ドック費用は会社経費にできない場合が多いです。

人間ドックは本来、役員個人の健康管理や福利厚生のための支出と見なされるため、法人が負担すると役員報酬として課税される可能性があります。

福利厚生費として落とせるのはどんな場合?

福利厚生費として損金算入できる条件は以下の通りです。

1. 全従業員を対象としていること
2. 役員だけを優遇していないこと

つまり、会社全体で健康診断制度を設け、役員もその中に含まれる場合は福利厚生費として認められるケースがあります。

一人社長の場合は?

役員のみが対象で、従業員がいない場合(=一人社長)では、福利厚生費ではなく役員報酬扱いとなるのが原則です。

【役員報酬扱いになると】
・人間ドック費用は経費計上できない
・社長個人への給与として課税対象になる

ただし、会社の定款や給与規定に「健康診断費用を会社負担とする」旨を明記し、役員報酬として扱えば問題ありません。

経費にはできませんが、必要経費控除として個人の確定申告で医療費控除対象になることもあります。

勘定科目はどうする?

● 福利厚生費
従業員全体を対象とした場合に使用します。

● 役員報酬
一人社長の場合、人間ドック費用は役員報酬に含める処理が一般的です。会社で支払った場合は給与課税対象として源泉徴収が必要になります。

● その他(事業主貸)
個人事業主の場合は事業主貸(プライベート支出)となり、経費にはできません。

具体例|仕訳パターン

【法人・一人社長の場合】役員報酬に含めるケース

借方貸方摘要
役員報酬普通預金社長人間ドック費用

【福利厚生費として認められる場合】

借方貸方摘要
福利厚生費普通預金従業員健康診断費用

人間ドックを経費にするためのポイント

1.従業員全体を対象とする健康診断制度を作る
2.給与規程・就業規則に規定を明記する
3.税理士に事前相談する

一人社長の場合、役員報酬として計上するか、自分で医療費控除として申告するか、どちらが有利かを検討すると良いでしょう。

人間ドック単体では医療費控除の対象外です。

ただし、人間ドックで病気が見つかり、そのまま治療や精密検査を受けた場合、その費用部分は医療費控除対象となる可能性があります。

まとめ|一人社長の人間ドックは役員報酬扱いが基本

一人社長の人間ドック費用は、原則として経費処理不可(役員報酬課税対象)です。
経理処理を誤ると税務調査で指摘される可能性もあるため、正確な処理が必要となります。

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