はじめに

日々の事業活動の中で、ユニフォームや作業着、リネン類などを洗濯する機会は多くあります。
特に飲食業や宿泊業、建設業などでは、コインランドリーを利用する場面も少なくありません。

「コインランドリー代はどの勘定科目で処理すればよいのか?」
「私的な洗濯と混ざった場合はどうすればよいのか?」

といった疑問は経理担当者や個人事業主からよく寄せられます。

この記事では、法人・個人事業主がコインランドリー代を経費に計上する際の勘定科目の選び方と、正しい仕訳処理のポイントについて詳しく解説します。

コインランドリー代は経費になるのか?

結論から言うと、事業に必要な洗濯代であれば経費に計上可能です。

例えば以下のようなケースは、事業関連費用として処理できます。

・飲食店スタッフのユニフォーム洗濯
・建設現場で使用する作業着や軍手などの洗濯
・宿泊業におけるシーツやタオルの洗濯(外部委託せず自社で洗濯する場合)
・美容院やサロンで使用するタオルの洗濯

一方、代表者や従業員の私物の衣類を洗濯した場合は経費にできません。
あくまで事業関連の衣類や布製品に限る点に注意が必要です。

コインランドリー代の勘定科目

コインランドリー代は「何を洗濯したか」「業務との関係性」によって勘定科目を使い分けます。
代表的な処理方法を見ていきましょう。

1. 消耗品費

作業着やユニフォーム、タオルなど、日常的に使用するものの洗濯代は「消耗品費」として処理するのが一般的です。
洗濯という行為自体を「消耗品を維持するための費用」と位置付けられるため、多くの中小事業者が採用しています。

2. 福利厚生費

従業員の福利厚生の一環として、私物ではなく会社指定のユニフォームを洗濯する場合には「福利厚生費」として処理するケースもあります。
特に社員全員に共通してかかる費用は、この科目が妥当な場合もあります。

3. 外注費(クリーニングを依頼した場合)

コインランドリーではなく、業者にクリーニングを外注する場合には「外注費」で処理することもあります。
継続的に委託している場合に適用されることが多いです。

4. 雑費

少額で、かつ事業関連の費用として明確に科目を当てはめにくい場合には「雑費」として処理することも可能です。
ただし、雑費の多用は帳簿の透明性を下げるため、なるべく本来の性質に合った科目を選ぶ方が望ましいです。

法人・個人事業主での処理の違い

法人の場合

法人では、従業員のユニフォームや会社で使用する備品を洗濯する費用は原則として経費処理できます。
特に「全社員が共通して必要とする洗濯費用」は経費として認められやすいです。

ただし、役員個人の衣類や私物を洗濯した場合は経費にならず、役員賞与(または役員への経済的利益)とみなされるリスクがあるため注意しましょう。

個人事業主の場合

個人事業主は「家事関連費」との切り分けが必要です。
例えば、自宅で営業している飲食店や美容院でタオルを洗濯する場合には事業分として計上可能ですが、日常の私用衣類の洗濯は対象外です。

税務調査では「どこまでが事業用か」を厳しく見られるため、領収証へのメモや利用記録を残しておくことが重要です。

税務調査で見られるポイント

コインランドリー代は少額だからといって油断していると、税務調査で指摘されやすい項目です。
具体的には以下の点が確認されます。

1.何を洗濯したのか明確か
 → ユニフォームやタオルなど、事業で使用した物と説明できるか。
2.私用との区別ができているか
 → 家事関連費が混在していないか。
3.領収証の保存があるか
 → コインランドリーのレシートを保管し、用途をメモしておくと安心。
4.勘定科目の処理が一貫しているか
 → 同じ性質の支出を毎回バラバラの科目で処理していると不自然に見られる。

実務での工夫

  • 事業用と私用を分けて利用する
     可能であれば事業用の洗濯はまとめて行い、領収証に「店舗タオル洗濯代」などと記載しておくと明確です。
  • 会計ソフトに科目ルールを登録
     一度「コインランドリー代=消耗品費」と決めたら、ソフト上でも自動仕訳ルールを設定しておくと処理が安定します。
  • 福利厚生費との線引きを意識
     従業員の生活費的な要素を含む場合は経費として認められないケースがあるため、あくまで「業務のためのユニフォーム洗濯」に限定して処理するのが無難です。

まとめ:コインランドリー代は「事業関連性」と「勘定科目の一貫性」がポイント

コインランドリー代は、業務に必要なユニフォームやタオルの洗濯であれば経費に計上可能です。

・基本は「消耗品費」で処理
・福利厚生目的なら「福利厚生費」も可
・クリーニング外注なら「外注費」
・私用や家事関連費は対象外
・領収証やメモで事業関連性を証明する

これらのルールを守ることで、税務調査でも安心して説明できます。

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