応接セットの耐用年数をご存じでしょうか。
資産は長きにわたり使用するため、年々価値が減少していきます。そのため法定耐用年数を用いて減価償却を行い、資産としての評価を下げていく処理が必要です。
資産の中でも応接セットは“用途”によって耐用年数が異なるため、処理について詳しく解説していきましょう。
応接セットの定義とは?
オフィスにあるようなデスクとイスではなく、ひじ掛けがあるようなソファとローテーブルのようなものをいいます。
通常、ソファとテーブルは単体でも使用可能です。しかし応接セットは「テーブルだけを使う」「ソファだけを使う」とは想定しておらず、セットでの利用を前提としています。
そのため、応接セットはソファとテーブルが1組で使用できるものとして考えましょう。
応接セットを資産計上する際の取得価格は、ソファとテーブルの単価を合わせて【応接セット1組】を1単位とします。
例えばソファ7万円とテーブル5万円の応接セットを購入した場合、7万円+5万円の12万円が応接セットの取得価格になるのです。
応接セットは取得価格によって勘定科目が違う
資産の取得価格が10万円未満のものは、取得時に全額費用として計上できます。取得価格が10万を超えた場合には資産として処理しましょう。
購入した応接セットの取得価格が10万円を超えた場合には、【器具備品】で資産計上。10万円未満だった場合は【消耗品】として、経費処理します。
応接セットの耐用年数は接客業用とその他に分かれる
10万円を超える応接セットを購入した場合、資産に計上し毎年減価償却を行います。その際の法定耐用年数は用途によって異なるので注意が必要です。
- 接客業用→5年
- その他→8年
接客業用の応接セットは耐用年数5年で減価償却を計算します。そしてオフィスや事務所など接客業用以外で使う応接セットは、耐用年数8年で減価償却処理をするということです。
国税庁が定める「接客業用」とは?
そもそも接客業用の応接セットとはどのようなものを指すのでしょうか?
国税庁が定める接客業用の応接セットとは【飲食店や旅館等において使用するもの】と定められています。
オフィスの中の応接室や社長室のように、お客様が来るからといって購入した応接セットは「接客業用」とはなりません。
あくまでも飲食店や旅館などで使われる応接セットが「接客業用」に該当します。
減価償却は取得価格によっても変わる
資産の会計上の処理は取得価格によって異なります。
- 取得価格が10万円未満→全額取得時に費用として処理が可能
- 取得価格が10万円以上20万円未満→耐用年数に関係なく3年で均等に全額償却が可能(一括償却資産)
- 取得価格が20万円以上→耐用年数によって減価償却をする
一括償却資産
取得価格が10万円以上20万円未満は応接セットの耐用年数【接客業用5年その他8年】の年数に関わらず、3年で均等に取得価格全額を償却できます。
一括償却資産として処理すると、通常の減価償却に比べて早い段階で経費処理ができるので、償却資産税の対象になりません。また通常の資産よりも計算が楽であるというメリットもあります。
少額減価償却資産
少額減価償却資産は中小企業のみが受けられる特例です。本来減価償却は定められた耐用年数で毎年費用を計上します。
しかし一定の要件を満たしている中小企業者は、取得価格30万未満の減価償却が必要な資産を全額損金に算入することができます。
一度に費用処理ができるので、節税効果が大きいというメリットがあります。
一方で、一度に費用処理をするので利益を下げることになりかねません。利益が出ていないと、融資を受けたい時にマイナスイメージになる可能性もあるので注意しましょう。
中小企業庁「少額減価償却資産の特例」(PDF)
まとめ
応接セットの耐用年数は、用途によって異なります。
また応接セットはソファとテーブルそれぞれを単体で考えるのではなく、セットで1組として考える点に注意しましょう。
また取得価格によっては会計上の処理が異なります。応接セットの購入を検討している人は、是非参考にしてみてくださいね。
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