外注工賃とはどのような場面で利用する勘定科目なの?
外注工賃と似た勘定科目を使い分ける基準がわからない
今回は、こちらの疑問にお答えします。
外注工賃は外部の人に支払う報酬に使う勘定科目です。
このように説明は非常に単純になるのですが、
- 「どの報酬が外注工賃に該当するかわからない」
- 「ほかの勘定科目との使い分けがややこしい」
と悩んでしまうケースも少なくありません。
この記事ではフリーランスの個人事業主や中小企業の経営者・経理担当者に向けて、外注工賃とは何かを詳しく解説します。
【外注工賃とは?】どこで利用する勘定科目なのか
外注工賃とは前述したように、外部の人に支払う報酬に使う勘定科目です。
以下のように、さまざまな場面で外注工賃の勘定科目が使われます。
- 外部のデザイナーにWebデザインを依頼した
- 電気工事を外部の業者に依頼した
- バックオフィスのアウトソーシングサービスを利用した
外注工賃ではなく「外注費」「業務委託費」という勘定科目を使うケースもあります。
これらの勘定科目の意味や利用する場面は外注工賃と同じです。
外部の業者に何らかの作業・業務を依頼し、その報酬を支払ったときに外注工賃の勘定科目を利用します。
外注工賃の仕訳例
先ほど外注工賃の勘定科目を利用する場面の例を3つ取り上げました。
それぞれのケースについて、具体的な仕訳の例を紹介します。
≫ 外部のデザイナーにWebデザインを依頼し、報酬50,000円を現金で支払った
借方 | 貸方 |
---|---|
外注工賃 50,000 | 50,00050,000 |
≫ 電気工事を外部の業者に依頼し、報酬30,000円を普通預金から振り込んだ
借方 | 貸方 |
---|---|
外注工賃 30,000 | 普通預金 30,000 |
≫ バックオフィスのアウトソーシングサービスを利用し、サービス利用料10,000円を振り込みで支払った
借方 | 貸方 |
---|---|
外注工賃 10,000 | 普通預金 10,000 |
外注工賃と似た勘定科目の使い分け
- 「外注費」
- 「業務委託費」
- 「支払手数料」
- 「給与賃金(給与工賃)」
外注工賃と似た勘定科目として上記がが挙げられます。
まず「外注費」「業務委託費」は、前述したように外注工賃と同じ意味を持つ勘定科目です。したがって利用する場面も外注工賃と変わりません。
外注工賃・外注費・業務委託費いずれかひとつに絞り、外部への報酬には決めた勘定科目を使いましょう。
外部に支払う報酬であっても、弁護士や税理士といった専門家に支払う報酬は「支払手数料」を用います。
仕訳例は以下のとおりです。
≫ 税理士報酬30,000円を現金で支払った
借方 | 貸方 |
---|---|
支払手数料 30,000 | 現金 30,000 |
雇用契約に基づいて支払う報酬には給与賃金や給与工賃といった勘定科目を使います。
依頼主と作業を行う人の間に成立する契約が請負契約の場合は外注工賃、雇用契約の場合は給与賃金という使い分けです。
給与賃金の仕訳例を紹介します。
≫ 自社の従業員に対する給与50,000円を現金で支払った
借方 | 貸方 |
---|---|
給与賃金 50,000 | 現金 50,000 |
外注工賃の注意点
発注者である自身が源泉徴収義務者であり、外注先となる相手が個人の場合、業務内容によっては外注工賃の支払い時に源泉徴収の必要性が生じます。
源泉徴収義務者の要件・源泉徴収の義務が生じる業務内容について、事前に確認しておくのが安心です。
給与賃金外注工賃の支払い時に源泉徴収を行う場合の仕訳例を紹介します。
≫ 外部のデザイナーにデザイン制作を依頼し、報酬100,000円から源泉徴収分を差し引いた額を振り込みで支払った
借方 | 貸方 |
---|---|
外注工賃 100,000 | 普通預金 89,790 |
預り金 10,210 |
源泉徴収税額に使う勘定科目は「預り金」です。
【まとめ】外注工賃とは何か理解すれば適切な勘定科目を選べるようになる!
外注工賃は外部に支払う報酬に使う勘定科目です。
基本的に、請負契約に基づく報酬には外注工賃、雇用契約に基づく報酬には給与賃金という使い分けになります。
ただし弁護士や税理士といった専門家に支払う報酬には、支払手数料を用いる点に注意しましょう。
外注工賃を利用する場面や似た勘定科目との使い分けを押さえることで、正しい仕訳ができるようになります。
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