毎年7月は、国民健康保険の納税通知書が届きます。

国保加入者であれば、今年はいくら払わなければいけないんだろう、と気になってソワソワしてしまう人もいるでしょう。

しかし決定した国保料が、どうやって決まっているのかご存じですか?

この記事では、国民健康保険料の仕組みや、令和6年度の計算方法について解説していきます。

国民健康保険とは?

日本では、すべての国民が何らかの公的な医療保険に加入しなければいけないことになっています。

種類は大きくわけて3つ。

社会保険:会社員や公務員などが、勤め先で加入する医療保険
国民健康保険:自営業や農業、漁業従事者が加入する医療保険
後期高齢者医療制度:国民健康保険加入者のうち、75歳以上の人が加入する医療保険

その中でも国民健康保険は、自分が住んでいる都道府県や市町村、国民健康保険組合が運営しているもので、社会保険に加入していないすべての国民が加入する制度です。

今まで社会保険に加入していた人が、退職して個人事業主となったり、農業に従事することになったりと、社会保険の資格を喪失した場合も、国民健康保険への切り替え手続きが必要になります。

国民健康保険の仕組み

国民健康保険は、加入者と保険医療機関、自分が住んでいる都道府県との助け合い制度でもあるため、加入者は医療給付(負担額の割引)を受けるためには、保険料を必ず納める必要があります。

加入者が保険料を納めることで、国や県がその保険料を財源として確保。

そして加入者は病院などで医療行為を受けた対価として、かかった費用の1割〜3割を窓口で支払います。

病院は差額の医療費を国民健康保険団体に請求し、国民健康保険団体は、国や県にさらにその医療費を請求。

国や県は、加入者から納められている保険料の財源から、医療費を支払っている、という仕組みになっているのです。

すべての医療行為が医療給付を受けられるわけではない

国民健康保険に加入していても、すべての医療行為にたいして医療費の負担額が減る訳ではありません。

正常な妊娠や出産
美容整形歯列矯正
避妊手術や自己都合による中絶手術
健康診断や人間ドッグ
予防注射
仕事上での病気やケガ(労災が適用)
入院したときの差額ベッド代など

主に上記のように、病気と見なされない場合には、通常の1割〜3割の負担額ではなく、かかった費用の全額を納める必要があります。

また病気やケガであっても仕事が原因であった場合には、通常の保険ではなく労災適用となるのです。

詳しくは、各市町村の国民担当窓口や国保組合にご確認くださいませ。

国民健康保険料の計算方法

国保加入者にとって気になるのが、自身が支払う国保料ですよね。

社会保険に加入している場合、保険料の半分は勤務先が負担します。

たとえば給与から1万5千円が控除されていた場合、個人負担1万5千円、会社負担1万5千円で、実際の保険料は3万円です。

そして国保料は「前年の1月〜12月の所得」や「世帯の加入者数」、「年齢」をもとに計算されています。

おおまかには、次のように構成。

年間保険料(①~③の合計額)
①医療分所得割額+均等割額
②後期高齢者支援分所得割額+均等割額
③介護分所得割額+均等割額

所得割額とは、加入者の所得に応じて決まる額、そして均等割額は加入者が均等に負担すべき金額です。

令和6年度の国民健康保険の計算方法

所得割額や均等割額、世帯の最高限度額については、毎年見直しがされており、令和6年度は以下の計算方法で算出されます。

年間保険料(①~③の合計額)
①医療分:最高限度額65万円所得割:加入者全員の令和5年中の所得金額×9.40%均等割:51,600円×加入者数
②後期高齢者支援分:最高限度額24万円所得割:加入者全員の令和5年中の所得金額×3.15%均等割:17,400円×加入者数
③介護分:最高限度額17万円所得割:加入者全員の令和5年中の所得金額×2.63%均等割:18,000円×加入者数

なお令和5年中の所得金額とは、基礎控除額43万円を控除した金額です。

毎年率や最高限度額は変わりますが、ぜひ参考にしてみてくださいね。

国保料は加入者が全額負担する必要がある

毎年支払う国保料は、前年度の所得や世帯の加入者、年齢によって計算されています。

あくまでも前年度の所得で計算されてしまうので、転職などで収入が減ったとしても決定通知額を支払う必要がありますが、納めることが困難…という人もいるでしょう。

そんなときは、減免や納付猶予を受けられる制度もあるので、一度市区町村に問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

経理担当者は、保険料の預り金の仕訳や納付作業もあります。

しかし経理業務は多岐にわたるため、記帳業務だけでもアウトソーシングしてみませんか。

記帳のプロ、記帳代行お助けマンにお任せいただければ、もう仕訳業務で悩む必要はありません。

この機会に一度ご相談くださいませ。