寄付金はそのまま「寄付金」の勘定科目で仕訳をします。

しかし寄付金のすべてが経費として処理できる訳ではなく、どこに寄付するかによって損金算入できる金額が異なるので注意が必要です。

この記事では、寄付金の定義や分類について解説していきます。

寄付金の定義

寄付金について、国税庁では次のように定義しています。

寄付金とは、金銭、物品その他経済的利益の贈与または無償の供与をした場合のその金銭の額またはその贈与もしくは供与の時における価額をいいます。

引用:No.5262 交際費等と寄附金との区分|国税庁

いわゆる組織や団体に、金銭もしくは資産を贈与した場合かつ、「見返りを求めない支出」を寄付金と呼びます。

寄付金の類義語に「贈与」があります。2つの違いは次のとおり。

寄付金贈与
金銭や資産、経済的利益が対象双方の同意は不要個人から組織や団体、もしくは法人から組織や団体を対象にしている資産のみが対象双方の同意による契約によって成り立つ基本的に個人から個人、もしくは法人から個人など寄付に該当しない資産の無償譲渡

寄付金と贈与はどちらも無償での贈与ではありますが、上記のように細かな点で違いがあるので、それぞれの定義について覚えておきましょう。

寄付金の分類一覧

寄付金はどの組織や団体に寄付したかによって3つの分類に分かれており、それぞれ損金算入の可否や金額が異なる点にも注意が必要です。

正しい経理処理をするためにも、寄付金の分類について把握しておきましょう。

国や地方公共団体への寄付金・指定寄付金

国や地方公共団体とは、国公立学校・図書館などの国や地方が運営する団体や組織を対象に行った寄付を指します。

国や地方公共団体への寄付は、租税の納付と同様の意味合いになるので「寄付金の全額」が損金として算入が可能。

そして指定寄付金とは、財務大臣が指定した組織や団体への寄付金のことです。

たとえば学校法人の教育研究機関、オリンピック開催団体、国宝修復などが該当し、「寄付金の全額」が損金算入ができます。

特定公益増進法人などへの特定寄付金

一般的な寄付金と分けて計算される次に該当する寄付金は、「特定寄付金」と呼ばれます。

1. 特定公益増進法人への寄付
2. 特定公益信託の信託財産とするための寄付
3. 認定NPO法人などへの寄付

特定公益増進法人とは、公益社団法人・公益財団法人・日本赤十字社・自動車安全運転センター、または法律で規程されている独立行政法人・学校法人・社会福祉法人を指します。

特定公益信託とは、一定の要件を満たして主務大臣の証明あるいは、認定を受けた団体に対して、個人や法人の財産を学術などの公益的な活動を支援するために資産を託す制度です。

特定寄付金は、次の計算式によって求められて金額の小さいほうの損金算入が認められています。

特定公益増進法人、特定公益信託、認定NPO法人への寄付金の合計額(資本金等×当期の月数÷12×0.375%+所得金額×6.25%)1/2

その他の寄付金

上記の2つに該当しない寄付金は、その他の寄付金として処理。

損金算入できる限度額は、次に計算式によって求めます。

(資本金等×0.25%+所得金額2.5%)×1/4

寄付金を仕訳するときの勘定科目

法人企業が寄付を行ったときは、「寄付金」の勘定科目で仕訳処理をします。

<仕訳例>公益社団法人に50万円を現金で寄付した

借方貸方
寄付金  500,000  現金  500,000

寄付金は対価を求めない資産の譲渡なので、消費税区分は不課税の扱いです。

寄付金の種類によって損金算入額が異なる

寄付金には大きく分けて3つの種類があります。

1. 国や地方公共団体への寄付金・指定寄付金
2. 特定公益増進法人などへの特定寄付金
3. その他の寄付金

それぞれ、寄付した金額に対して損金算入額が異なるので、違いをしっかりと覚えておくことが重要です。

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