個人事業主の経費に関する支払いは、クレジットカードがおすすめ。

購入した日付、商品名、金額など、明細をみれば何をいつ購入したのか把握しやすいうえに、クレジットカードのポイントも貯まります。

しかしクレジットカードで支払った場合、現金が減った訳ではないから、どうやって仕訳をするのかよくわからない、という人もいるでしょう。

この記事では、クレジットカードで精算した場合の帳簿の記載方法について解説していきます。

クレジットカード決済で使う勘定科目は3つある

個人事業主がクレジットカード決済をする場面は、次の3つが考えられます。

  • 事業用のクレジットカードで決済
  • プライベート用のクレジットカードで事業用の経費を決済
  • 事業用のクレジットカードを私用で使った場合

それぞれのパターン別に、仕訳例を踏まえてみていきましょう。

事業用のクレジットカードなら「未払金」

事業用のクレジットカードで支払いを行った場合、支払いが完了するまでの間は「未払金」という勘定科目を使用します。

<仕訳例>事業用のクレジットカードで10,000円の事業用備品を購入した場合

購入時の仕訳

借方貸方
消耗品費 10,000未払金 10,000 

クレジットカードの支払い時

借方貸方
未払金 10,000    普通預金 10,000円  

上記のように、購入時には未払金として仕訳し、実際の支払い時に未払金を減らす形で記帳します。

プライベート用のクレジットカードなら「事業主借」

プライベート用のクレジットカードを使って事業用の支払いを行った場合は、事業主からお金を借りた形になるので、「事業主借」という勘定科目を用いて仕訳します。

<仕訳例>プライベート用のクレジットカードで5,000円の事業用消耗品を購入した場合

購入時の仕訳

借方貸方
消耗品費 5,000事業主借 5,000

クレジットカードの支払い時の仕訳はなし。

購入時は事業主からお金を借りているので仕訳が発生しますが、クレジットカードの支払い時は、プライベートなものになるので仕訳はありません。

事業用のクレジットカードを私用で使ったら「事業主貸」

事業用のクレジットカードを個人的な支払いに使った場合は、事業主借と逆で、事業が個人にお金を貸した形になるので「事業主貸」を使用します。

<仕訳例>事業用のクレジットカードで3,000円の個人用食事を支払った場合

支払い時の仕訳はなし

クレジットカードの支払い時

借方貸方
事業主貸 3,000 普通預金 3,000 

クレジットカードで購入したときは、買い物した日にはお金の変動がないため仕訳がありません。

しかしクレジットカードの利用料金が引き落とされた段階で、個人事業主にお金を貸したと見なし、仕訳が発生します。

一括払い以外のときはどうする?

クレジットカードの一括払い以外の取引についても、適切に帳簿に記載する方法を解説します。

年またぎのとき

クレジットカードの支払いが年をまたぐ場合、支払いのタイミングによって会計年度を跨いで処理する必要があります。

<仕訳例>2023年12月に事業用のクレジットカードで15,000円の備品を購入し、支払いが2024年1月になる場合

購入時の仕訳(2023年)

借方貸方
消耗品費 15,000未払金 15,000 

支払い時の仕訳(2024年)

借方貸方
未払金 15,000 普通預金 15,000

基本的には通常のクレジットカードの利用料金が引き落とされた際の仕訳と同じですが、年度を跨いで仕訳するときは、未払金の残高と実際に支払う金額に差異がないか、確認しましょう。

分割払いのとき

クレジットカードの分割払いを利用した場合、クレジットカード利用時と毎月の引き落とし日に仕訳が発生。また分割にしたことで支払利息が発生するので、合わせて記帳をします。

<仕訳例>事業用のクレジットカードで30,000円の備品を3回分割払いで購入した場合(なお支払い利息は1回の引き落としごとに500円支払っている)

借方貸方
消耗品費 30,000未払金 30,000 

各月の支払い時の仕訳(例:月10,000円)

借方貸方
未払金 10,000
支払利息  500
普通預金 10,500

毎月の支払いごとに未払金を減らして記帳するのがポイントです。

クレジットカード決済は3つの勘定科目を用いる

個人事業主がクレジットカード決済をした場合、状況によって3つの勘定科目を使い分けます。

  • 事業用のクレジットカードで決済
  • プライベート用のクレジットカードで事業用の経費を決済
  • 事業用のクレジットカードを私用で使った場合

それぞれの違いをしっかりと理解して、適切な処理を行いましょう。

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