はじめに

事務所や店舗を持たない個人事業主や、少人数の会社で人気なのが「電話代行サービス」。
電話対応を外部の専門業者に委託することで、時間を節約し、業務効率を高めることができます。

しかし経理処理の際に迷うのが、
「電話代行費って通信費?それとも外注費?」という勘定科目の選び方です。

実は、サービスの内容によって適切な勘定科目が変わるため、曖昧なまま処理してしまうと税務調査で指摘を受けることもあります。

この記事では、電話代行サービスを利用したときの正しい勘定科目の選び方と、経費計上の際に注意すべきポイントを具体的に解説します。

電話代行サービスとは?

電話代行サービスとは、外部の専門業者が顧客や取引先からの電話応対を代行するサービスのことです。
主に次のような形態があります。

  • 営業電話・問い合わせの受付対応
  • 予約・注文受付の代行
  • 個人事業主や士業の「秘書代行」
  • 不在時のメッセージ対応

最近ではチャットやメール対応も含めた「総合秘書サービス」も多く、料金体系も月額固定型や従量課金制など様々です。

このような業務の性質から、電話代行費用は通信費だけでなく外注費や業務委託費にも該当し得るのです。

電話代行の勘定科目の基本的な考え方

電話代行費は「どのような目的で利用しているか」で勘定科目が変わります。
以下の表を基準に判断すると分かりやすいです。

サービス内容主な勘定科目会計上の分類消費税区分
電話応対を外部に委託(一般的な電話代行)外注費 or 業務委託費販売費及び一般管理費課税取引(10%)
電話転送・通信設備を利用するサービス通信費販売費及び一般管理費課税取引(10%)
顧客対応・予約受付など営業要素が強いサービス販売促進費 or 外注費販売費及び一般管理費課税取引(10%)
社内秘書代行・受付対応外注費 or 雑費販管費課税取引(10%)
  • 「通信機能」を主に利用 → 通信費
  • 「人の労力(人件サービス)」を委託 → 外注費/業務委託費

このように、通信設備か人的サービスかで区分するのがポイントです。

勘定科目別の会計処理例

① 外注費・業務委託費で処理するケース(最も一般的)

多くの電話代行サービスは、「オペレーターが応対→内容をメールやLINEで報告」という流れであり、
実質的に「外部スタッフへの業務委託」として扱われます。

借方 外注費 15,000円 / 貸方 普通預金 15,000円  
(電話代行サービス利用料として)

→ サービス内容が「人的業務」であるため、外注費が適切です。

② 通信費で処理するケース

電話転送機能の利用や、通話回線の維持費が中心となる場合は「通信費」で処理します。
例えば、クラウドPBXやIP電話システムなどの利用料がこれにあたります。

借方 通信費 5,000円 / 貸方 普通預金 5,000円  
(電話転送・通信システム利用料として)

→ 「人が対応」するのではなく、「システム利用」が中心なら通信費。

③ 販売促進費で処理するケース

もし電話代行が営業窓口や販売促進活動の一部を担っている場合は、「販売促進費」で処理しても問題ありません。
たとえば、ECショップの受注受付やセミナーの予約受付代行などです。

借方 販売促進費 30,000円 / 貸方 普通預金 30,000円  
(予約受付代行サービス利用料として)

→ 売上拡大に直結する電話代行は「販売促進費」としても適切です。

④ 雑費で処理するケース(例外的)

一時的に利用したり、金額が少額の場合には「雑費」で処理しても問題ありません。
ただし、継続的に利用する場合は適切な科目(外注費や通信費)を選びましょう。

電話代行費は経費にできる?

結論から言うと、事業に関連している限り経費として計上可能です。
たとえば、以下のようなケースはすべて経費として認められます。

  • 不在時の電話対応を外部に委託している
  • 顧客サポート窓口を電話代行に任せている
  • 新規顧客の問い合わせ受付を代行している

逆に、個人利用やプライベート目的の電話代行は経費にできません。

よくある質問(Q&A)

Q1. 電話秘書代行とコールセンター委託は勘定科目が違う?
→ 基本的にはどちらも「外注費」で問題ありません。
 ただし、販売促進やカスタマーサポートが目的なら「販売促進費」や「顧客対応費」でも構いません。

Q2. 1回だけ短期利用した場合でも経費になる?
→ 業務目的であれば「雑費」などで経費計上可能です。

Q3. 在宅スタッフが個人で電話代行を請け負う場合、支払側は源泉徴収が必要?
→ 相手が法人または個人事業主として請求している場合は不要。
 ただし、個人で業務委託契約を結ぶ場合は源泉徴収が必要になる場合もあります。


まとめ:電話代行費は「外注費」か「通信費」で判断しよう

  • 電話代行費は原則として外注費または通信費で処理
  • 「人の手による対応」なら外注費、「システム利用中心」なら通信費
  • 事業に関係していれば全額経費計上可能
  • 消費税は原則課税取引(10%)、インボイス対応も要確認
  • 請求書・契約内容を確認して一貫した処理を行うことが重要

電話代行サービスは今や多くの業種で活用される便利な業務ツールです。
正しい経理処理を行うことで、節税にもつながり、税務調査でも安心できます。

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