はじめに|解体費用、仕訳処理はできていますか?

古くなった建物を取り壊す「解体工事」
個人事業主や中小企業でも、事務所移転、倉庫取り壊し、建て替えなどで解体費用が発生することがあります。

しかし、解体費用は金額が大きいため、処理方法を間違えると節税どころか無駄な税金負担につながることも。

この記事では、解体費用のコスト削減方法、仕訳と勘定科目の正しい処理、そして節税対策までわかりやすく解説します。

解体費用とは?|費用の内訳と相場感

【解体費用の主な内訳】
建物本体の取り壊し費用
内装解体費(スケルトン戻しなど)
廃材運搬処分費
アスベスト除去(ある場合)
整地費用

【相場感(目安)】
木造住宅:1坪あたり3~5万円
鉄骨造:1坪あたり4~6万円
RC造:1坪あたり6~8万円

※立地条件やアスベスト有無で大きく変動します。

勘定科目はどうする?|解体費用の仕訳方法

【1. 建物除却の場合】
既存建物を取り壊す場合は、通常「固定資産除却損」として処理します。

借方貸方摘要
固定資産除却損建物建物解体による除却
固定資産除却損普通預金解体工事支払

この場合、解体費用は経費計上できます。
ただし、解体によって新たに土地が更地化され、売却益につながる場合は、除却損と相殺されることになります。

【2. 建物取壊し後、新築する場合】
将来的に新しい建物を建てる目的で解体する場合、解体費用は建物取得費用に含める(資産計上)必要があります。

借方貸方摘要
建物普通預金建物建築に伴う解体工事費

この場合は減価償却の対象となるため、即時の経費化はできません。

【3. 賃貸物件退去時の原状回復・内装解体】
店舗や事務所退去時に発生するスケルトン戻し費用(内装解体費用)は「修繕費」または「雑費」で処理することが一般的です。

借方貸方摘要
修繕費(または雑費)普通預金原状回復工事費

節税対策|解体費用で税負担を抑えるポイント

① 除却損として即時経費計上できるか確認
固定資産除却損で処理できれば、その年の経費として大きな節税効果があります。
ただし、新築予定がある場合は資産計上となるため注意が必要です。

② 消費税仕入控除の適用確認
解体業者からの請求書にインボイス登録番号があるか要確認。
課税事業者であれば仕入税額控除が可能です。

③ アスベスト除去費用の補助金活用
自治体によっては、アスベスト除去工事に対して補助金制度を設けている場合があります。
事前に自治体ホームページで調べておきましょう。

④ 解体費用を含めた土地売却価格で損益通算
解体後に土地売却する場合、解体費用を譲渡費用として計上できるケースがあります。
譲渡所得計算で利益圧縮が可能となるため、売却前に税理士へ相談を。

よくある解体費用処理ミス

新築予定なのに解体費用を経費計上してしまう →後に修正申告が必要に。
建物簿価を除却損に入れ忘れる →本来計上できる経費を漏らし、税負担増加。
原状回復費を固定資産計上してしまう →不要な償却資産税が発生する恐れあり。

まとめ|解体費用の処理は用途と今後の計画で変わる

解体費用は高額になるため、仕訳処理を誤ると税負担が大きく変わる重要項目です。
用途や今後の利用計画に応じて、除却損・資産計上・修繕費のどれに該当するかを正しく判断しましょう。

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