はじめに|「減価償却」ってよく聞くけど、結局なに?

パソコンや車など、事業で使う高額なモノを買ったとき、「その年に全部経費にできない」ことはご存知ですか?
そのとき登場するのが「減価償却(げんかしょうきゃく)」という会計ルールです。
そして、減価償却の計算でよく出てくるのが「未償却残高」。

「これって何?」
「どうやって計算するの?」
と疑問を感じている方も多いと思います。
この記事では、減価償却の基本と未償却残高の意味・計算方法をわかりやすく解説します。
減価償却とは?|一度の購入を何年かに分けて経費にする仕組み

まずは減価償却の基本からおさらいしましょう。
たとえば、事業で30万円のパソコンを購入した場合、そのパソコンを何年間かにわたって使うのが通常です。こうした資産は、1年で消費されるわけではないため、購入した年に全額を経費にするのではなく、耐用年数に応じて数年間に分けて経費化します。
この「分けて経費にする」仕組みが減価償却です。
減価償却が必要な例

- 10万円以上のパソコンや機械
- 事務所のエアコンや什器備品
- 業務用車両
耐用年数は、資産の種類ごとに法令で定められています(たとえばパソコンなら4年、車両は6年など)。
減価償却によって毎年一定額を経費にしていくと、当然ながら、購入金額からその年までに償却した金額を引いた「残りの金額」が発生します。
これが「未償却残高」です。
「未償却残高」とは、まだ経費にしていない金額のこと。
【例】30万円のパソコン(耐用年数3年)を定額法で償却する場合

年度 | 経費にした額 | 未償却残高 |
---|---|---|
1年目 | 10万円 | 20万円 |
2年目 | 10万円 | 10万円 |
3年目 | 10万円 | 0円 |
未償却残高がゼロになったタイミングで、その資産は「すべて償却済」となります。
減価償却の計算方法|主に2種類の方式がある

減価償却には大きく2つの方法があります。
税法上、資産の種類や企業の規模によって使える方法が異なる場合があります。
1. 定額法(毎年同じ金額を償却)
最もスタンダードな方法です。
例:取得価格30万円 ÷ 耐用年数3年 = 毎年10万円を経費に計上
2. 定率法(最初の年が多く、年々少なく)
初年度に多く、年数が進むごとに償却額が少なくなる方法です。
資産の利用価値が時間とともに減少するイメージに近い方式です。
中小企業者等は選択適用が可能ですが、定率法を使う場合は届出が必要になることもあるので注意が必要です。
未償却残高はどう管理する?

未償却残高は、以下のような方法で管理できます。
1.会計ソフト(マネーフォワードやfreeeなど)の「固定資産台帳」機能を使う
2.Excelで減価償却スケジュールを手動管理
3.税理士や記帳代行に資産管理を依頼する
資産が増えてくると、減価償却スケジュールの管理が煩雑になりやすく、経費計上ミスや未処理の資産が発生しやすくなります。
【注意】記帳でありがちな減価償却ミス

減価償却や未償却残高に関して、以下のようなミスがよく発生します。
・全額を一括で経費計上してしまう(特に白色申告や簡易記帳の方)
・使用開始日ではなく購入日を起算にしてしまう
・売却や廃棄の際に未償却残高の処理を忘れる
こうしたミスは、税務調査で指摘されやすいポイントでもあり、正確な処理が求められます。
まとめ|減価償却・未償却残高は正確に記帳しよう

減価償却は、資産を正しく経費化するための重要なルールです。
そして、未償却残高の管理がしっかりできていないと、経費の過少・過大計上や、決算時の誤差の原因となります。
特に複数の資産を保有している事業者や、毎年設備投資をしているような業種では、減価償却の計算と未償却残高の管理が経営の信頼性を支える土台になります。
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