インボイス対応、経費処理で困っていませんか?

2023年10月からスタートしたインボイス制度(適格請求書等保存方式)。
制度の開始により、

「どの経費が仕入税額控除できるの?」
「インボイスがない場合は?」
と記帳・経費処理に戸惑う事業者が増えています。
この記事では、さまざまな業種の個人事業主・中小企業向けに、
インボイス制度下での記帳方法・経費処理・実務上の注意点をわかりやすくまとめました。
インボイス制度の基本をおさらい

・消費税の仕入税額控除を受けるためには、「インボイス(適格請求書)」の保存が必要
・インボイスは「適格請求書発行事業者」のみ発行できる
・対象になるのは「課税仕入れ」=外注費、仕入、交通費、通信費など
経費の取り扱い①|インボイスがある場合の記帳方法

インボイスがある場合、以下の情報を帳簿に記載します。
取引日
支払先の氏名または名称
金額
税率ごとの消費税額
相手の登録番号(T+13桁)
記帳例(仕訳ソフトやExcelの場合)
日付 | 勘定科目 | 金額 | 消費税 | 摘要 |
---|---|---|---|---|
6/1 | 外注費 | 11000円 | 10% | 〇〇制作(T1234567890123) インボイス有 |
経費の取り扱い②|インボイスがない場合の対応方法
・フリーランスへの支払(未登録者)
・市場やフリマアプリでの購入
・個人タクシーなど
経過措置の適用が可能(~2029年まで)
期間 | 控除可能割合 |
---|---|
~2026年9月末 | 80%控除可能 |
~2029年9月末 | 50%控除可能 |
ケース別|実務でよくある経費と対応方法

経費の種類 | インボイスの有無 | 処理方法のポイント |
---|---|---|
フリーランス外注 | 無いことが多い | 帳簿保存+経過措置により8割控除など可 |
ホームセンター購入 | あり | レシートに登録番号があるか確認 |
電話・インターネット | あり | 請求書をPDF保存/クラウド請求OK |
タクシー | 無いこともある | 領収書+帳簿保存で対応(金額注意) |
海外サービス利用(例:Canva, ChatGPT) | 原則不課税 | 消費税区分は「対象外(不課税)」でOK |
● フリーランス外注(インボイス未登録が多い)
フリーランスや個人事業主への支払いでは、インボイス未登録者も多く見られます。その場合でも帳簿を適切に残すことで、2026年までは「8割控除」、2029年までは「5割控除」が可能です。領収書の保管に加え、支払先・取引内容・金額・税率などを帳簿に記載することが必須です。
● ホームセンターでの購入(インボイスあり)
ホームセンターなどの実店舗での物品購入は、レシートにインボイス登録番号が記載されていれば、通常通り全額控除可能です。必ずレシートを確認し、登録番号が記載されているかチェックしましょう。記載がない場合は経過措置の適用を検討します。
● 電話・インターネットなど通信費(インボイスあり)
通信費(携帯電話、固定電話、インターネットなど)は、多くの場合、事業者からの請求書にインボイス登録番号が記載されています。PDFでの保存やクラウド請求書もインボイス要件を満たしますので、請求書の保管と仕訳入力が重要です。
● タクシー料金(インボイスなしのケースあり)
個人タクシーや一部地域のタクシー事業者は、インボイス未対応の可能性があります。領収書だけでなく、乗車日時・金額・利用目的などを帳簿に残しておけば、一定期間は経過措置で控除が可能です。高額なタクシー費用には特に注意を払いましょう。
● 海外サービス利用(Canva、ChatGPTなど)
海外サービスへの支払いは、消費税の対象外(不課税)であるため、インボイス自体が不要です。消費税の区分としては「対象外」または「不課税」として記帳すれば問題ありません。海外事業者からの請求書は参考資料としてPDF保存しておくと安心です。
このように、経費の種類ごとに記帳方法や控除の可否が異なります。
特にインボイス未対応の取引先が多い業種では、帳簿の記載ルールを理解し、記録を丁寧に残しておくことが今後の税務対応において非常に重要です。
注意したい3つの落とし穴

1.レシート=インボイスではない
→登録番号の記載がないと要件を満たしません。
2.領収書しか残していない
→帳簿記録がないと控除NG。最低限Excelなどで管理を。
3.インボイスが不要な取引を控除対象にしている
→海外取引や非課税取引はそもそも控除対象外です。
制度対応をラクにするには?

1.会計ソフト(マネーフォワード・freeeなど)の活用
2.領収書PDF保存+登録番号の確認チェックリストを用意
3.Excel管理でも「登録番号」「税率別の金額」列を追加
4.経理代行・記帳代行サービスの活用で人的ミスを防止
まとめ|インボイス対応の正確な記帳が今後の信用につながる

インボイス制度は、今後「ちゃんと記帳しているか」が問われる時代。
特に取引先や税務署からの信頼性が求められる個人事業主・法人にとって、記帳は経営の土台です。
複雑な処理が不安な場合は、記帳代行や税理士との連携を前向きに検討しましょう。
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